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2023年11月02日 07:07 更新

「周りがどう思うか」ではなく、「自分がどう思うか」が大事|「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと#2

自分を好きになれない小学生に向けた、心理カウンセラー・加藤隆行著『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと』(小学館クリエイティブ)は、子どもが自身で自己肯定感を育むために役立つヒントが満載! 「子どもの頃に読みたかった!」「子どもへの接し方の参考になる!」と大人へも沢山の気づきを与えてくれる1冊です。

今回は「第三章 自分が自分の「味方」でいる」より一部をお届けします。

「ワガママ言うな」と言われたら

「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと,加藤隆行

自分の本当の気持ちに従おうとすると、周りの人から「それはワガママだよ」と言われることがあるかもしれません。

しかし、自分の気持ちを大切にして、その気持ちをだれかに伝えることは、ワガママではありません。

習い事をやめたいと思ったとき、あなたが「やめたい」と思っていても、親は「続けたほうがいい」と思っているかもしれませんよね。それは、おたがいに「そのほうが自分(あなた)にとっていいことだ」と思っているからです。

意見はちがってもいいんです。おたがいの気持ちを伝え合うことが大事です。

人はそれぞれの立場や考え方がありますから、意見がちがうのは当たり前のことです。意見がちがうことがワガママなのではなく、意見がちがうことを認めないことがワガママなのです。

話し合った結果、「やっぱりもう少し続けてみてもいいかな」と自分で決めたのであれば、それはそれでOK。習い事を続けるか続けないか、ではなく、自分で決めたということが、あなたの自信を育てていきます。

親と話し合いたいときは、「大切な話があるんだけど……」と切り出すときいてもらいやすくなります。

「自分がどんな人か」は自分で決めていい

「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと,加藤隆行

ぼく自身、小学生のころに担任の先生から「ワガママなヤツ」と言われ、つらかった時期がありました。

昔のぼくは体が弱かったので、体育でもなんでも、みんなといっしょにできないことがよくありました。「できない」と先生に言ったり、先生の言うことをきけなかったりすると、先生はいつもぼくに「おまえはエゴイスト(ワガママな人という意味)だ!」「みんなに迷惑をかけるな!」と言うのです。

もしかすると先生は、「体が弱くても強くなれ! がんばれ!」と言いたかったのかもしれません。でも、ぼくはその言葉を言われると、「やりたくてもできない」というしんどい気持ちをわかってもらえず、すごくイヤな気持ちになりました。

そのあと中学生、高校生になっても、先生に言われた「エゴイスト」という言葉がいつも頭の中にひびいて、自分を攻撃し続けました。

でもあるとき、「先生が『エゴイスト』と言っていただけで、本当はそうじゃない!」とふと気がつきました。先生に付けられた「エゴイスト」というラベルを自分ではがして、ポイッと捨てられたのです。

そのときは、まるで自分の気持ちに羽が生えたように自由になれた感覚になりました。

もしかしてあなたも、周りの人から「できない子」「おくびょう」「泣き虫」といったラベルやあだ名を付けられて、その言葉が自分を攻撃してくることがあるかもしれません。でも、自分に付けられた否定的なラベルは、自分ではがしてクシャクシャにして、ポイッと捨てちゃっていいんです。

それは、あなた自身が決めていいのです。

みんなのおなやみ相談室

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Q 習い事がイヤで、もうやめたい。
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A 本当にイヤなら、やめたほうがいいかも。

サッカーやピアノなど、やってみたいと思って始めてみたけれど、「自分には合わないな」「イヤだな、やめたいな」と思ったとしましょう。でも、やめたいと言ったら親に怒られるかもしれない。友だちには途中で投げ出したと思われそう。そんなふうに考えてしまって、なかなかやめると言い出せないことがあると思います。

でも、イヤなことを「イヤだ、イヤだ」と思いながら続けていても上達しませんし、かえって自信をなくしてしまうことになるかもしれません。

そんなときは、ゆっくり深呼吸してみてから、「本当はどうしたい?」と自分に聞いてみてください。

もし、「やっぱりやめたい」という心の声が聞こえてきたとしましょう。やめたあとの幸せそうな自分の姿が思いうかぶなら、正直に「やめたい」と親に伝えてみるのがいいと思います。

「もう少しがんばってみたい」と思ったのなら、何がイヤなのか、どうやったら楽しくできるのかを一度考えてみてから、続けるといいと思います。また迷うときが出てきたら、「本当はどうしたい?」と自分にききながら、そのつど自分で決めていけばいいのです。

「周りがどう思うか」ではなくて、「自分がどう思うか」「どう感じるか」に勇気を出して従ってみてください。イヤなことを「イヤだ」と伝えることも、自分を大切にするということです。

(加藤隆行『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと 』(小学館クリエイティブ)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

書籍『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと 』について

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「友だちと比べて○○ができない」
「先生に怒られてばかり」
「ダメな自分がイヤになる」
「どうせ私なんて……」
そんなふうに思う君に読んでほしい。

心理カウンセラーの加藤隆行さんが執筆し、精神科医・名越康文先生が監修した、自分を好きになれない小学生のための本です。子どもが自分自身で自己肯定感を育んでいくためのヒントが詰まっています。
●失敗したときは「よくがんばったね」
●“ダメなところ”は“いいところ”でもある!?
●ガマンするより「助けて」と言えるほうが大事
●嫌いな友だちは嫌いなままでいい!?
自信をなくしている子どもに寄り添う優しい文章は、子どもの心に小さな自信が芽生えるきっかけを与えてくれます。自己肯定感の下がりやすい小学校4~6年生におすすめ。

親として、子どもへの接し方の参考にも是非おすすめの1冊です!

加藤 隆行氏のプロフィール

1971年生まれ。愛知県名古屋市出身。
ココロと友達オフィス代表 心理カウンセラー
幼少より病弱だったこともあり、劣等感が強くコミュニケーションの苦手な子に育つ。福井大学大学院工学研究科修了後、SEとしてNTTに入社。インターネット黎明期よりOCNなど関連サービスの企画開発に携わる。激務の中、30歳のとき体調が激烈に悪化。3度の休職と入退院を繰り返し、しだいに自身のココロと向き合うようになる。

2015年に退職し、心理カウンセラーとして独立。「自分自身と仲直りして優雅に生きる」をコンセプトに、アドラー心理学、ゲシュタルト療法、交流分析、認知行動療法、各種ボディワーク、瞑想など組み合わせた独自プログラムを開発し、東京を中心に全国でカウンセリングやセミナーを開催。愛称は「かとちゃん」。

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