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2023年11月03日 07:07 更新

自分の“いいとこ”は得意なこと、好きなことに隠れている?「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと#3

自分を好きになれない小学生に向けた、心理カウンセラー・加藤隆行著『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと』(小学館クリエイティブ)は、子どもが自身で自己肯定感を育むために役立つヒントが満載! 「子どもの頃に読みたかった!」「子どもへの接し方の参考になる!」と大人へも沢山の気づきを与えてくれる1冊です。

今回は「第四章 自分の “いいとこ” ってどこだろう」より一部をお届けします。

「得意なこと」ってどんなこと?

「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと,加藤隆行

「得意なこと」ときくと、クラスで1番といえるようなことや、だれにもまねできないようなスゴイことを想像するかもしれません。でも得意なことって、そんなふうに大げさで目立つことだけではなくて、「自分にとって当たり前にできること」である場合が多いんです。

ノートをきれいにまとめられること。昆虫やゲームのキャラクターの名前をたくさん覚えていること。きれい好きでそうじがていねいなこと。一度会った人の顔を忘れずに覚えていられること。そういった、自分にとっては当たり前だけど、ほかの人よりもちょっと上手にできることが、あなたの得意なことです。

たとえばぼくの友だちに、消しゴムの消しカスを少しずつ集めて根気よく練り、大きな消しカスボールを作る子がいました。本人は何気なくやっていたけど、ぼくは「スゴイなぁ」と思って見ていました。これだって得意なことのひとつです。

性格的な特徴も、得意なことや “いいとこ” といえます。だれとでもすぐ仲良くなれる、ガマン強いといったこともそうですし、失敗を気にしない心の広さや、「あなたがいるだけで安心する」なんて言われることも、自分では気づきにくい得意なことのひとつです。

あなたがもし、おもしろいことが好きで、いつもクラスのみんなを笑わせているとしたら、それはすばらしい才能で、得意なことです。その得意なことを生かして、お笑い芸人として活躍している人もいます。

こんなふうに、「得意なこと」って人それぞれ。種類もさまざまです。

「そんなくだらないこと」って言われたら

「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと,加藤隆行

自分が好きなことをやっているときは、胸がワクワクしますよね。ワクワクして夢中になると、「もっとやってみよう」と前向きな気持ちになっていきます。

あなたはゲーム(ゲーム機でやるゲームやオンラインゲームなど)が好きですか? ぼくは小さいころからゲームが大好きでしたが、周りには「ゲームなんてくだらない」と言う人がたくさんいました。でもそれは、その人にとって「くだらない」というだけ。自分にとって大好きで、ワクワクすることならば、それは、「くだらないこと」では決してありません。

ぼくのゲーム仲間は、ゲームがきっかけでプログラミングに興味を持ち、大人になってゲーム会社でゲームを作る人になりました。そのころはただの遊びにすぎないと思われていたゲームですが、ぼくの仲間たちが大好きなゲームを一生懸命作ることによって、ゲームは世界中でたくさんの人にプレイされるようになっていき、今では、ゲーム作りは大切な仕事のひとつだと認識されるようになりました。

好きなことをつらぬいて、子どものころからやり続けている仲間を、ぼくはスゴイと思います。ときどきテレビで仲間の作ったゲームのCMを見ると、なんだかほこらしく、幸せな気持ちになります。

そもそも、自分の好きなことをやるということにいいも悪いもなくて、あなたが「好きなことを好きなだけやれた!」「楽しかったなぁ」と感じられることが大切なのです。「そのままの自分でいいんだ」という気持ちって、そういう経験をたくさんすることによって育っていきます。

だから、ほかの人に「くだらない」と言われたとしても、「でも、わたしはこれが好き」と、自分の気持ちにほこりを持ってくださいね。

(加藤隆行『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと 』(小学館クリエイティブ)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

書籍『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと 』について

「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと
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「友だちと比べて○○ができない」
「先生に怒られてばかり」
「ダメな自分がイヤになる」
「どうせ私なんて……」
そんなふうに思う君に読んでほしい。

心理カウンセラーの加藤隆行さんが執筆し、精神科医・名越康文先生が監修した、自分を好きになれない小学生のための本です。子どもが自分自身で自己肯定感を育んでいくためのヒントが詰まっています。
●失敗したときは「よくがんばったね」
●“ダメなところ”は“いいところ”でもある!?
●ガマンするより「助けて」と言えるほうが大事
●嫌いな友だちは嫌いなままでいい!?
自信をなくしている子どもに寄り添う優しい文章は、子どもの心に小さな自信が芽生えるきっかけを与えてくれます。自己肯定感の下がりやすい小学校4~6年生におすすめ。

親として、子どもへの接し方の参考にも是非おすすめの1冊です!

加藤 隆行氏のプロフィール

1971年生まれ。愛知県名古屋市出身。
ココロと友達オフィス代表 心理カウンセラー
幼少より病弱だったこともあり、劣等感が強くコミュニケーションの苦手な子に育つ。福井大学大学院工学研究科修了後、SEとしてNTTに入社。インターネット黎明期よりOCNなど関連サービスの企画開発に携わる。激務の中、30歳のとき体調が激烈に悪化。3度の休職と入退院を繰り返し、しだいに自身のココロと向き合うようになる。

2015年に退職し、心理カウンセラーとして独立。「自分自身と仲直りして優雅に生きる」をコンセプトに、アドラー心理学、ゲシュタルト療法、交流分析、認知行動療法、各種ボディワーク、瞑想など組み合わせた独自プログラムを開発し、東京を中心に全国でカウンセリングやセミナーを開催。愛称は「かとちゃん」。

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