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2023年11月04日 07:07 更新

嫌いな友達は嫌いなままでいい? 自分に共感することで見えてくるもの|「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと#4

自分を好きになれない小学生に向けた、心理カウンセラー・加藤隆行著『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと』(小学館クリエイティブ)は、子どもが自身で自己肯定感を育むために役立つヒントが満載! 「子どもの頃に読みたかった!」「子どもへの接し方の参考になる!」と大人へも沢山の気づきを与えてくれる1冊です。

今回は「第五章 人との「つながり」を育てよう」より一部をお届けします。

相手の気持ちを大切にする

「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと,加藤隆行

もし友だちとつながりたいなと思ったときは、自分の気持ちだけでなく、相手の気持ちも大切にしてみるといいですよ。

たとえば友だちが泣いていたとしたら、どんな言葉をかけるのがよいのでしょうか。

「泣かないで」と言ってしまいそうですが、「悲しいんだね」「その気持ち、わかるよ」と伝えて、いっしょにいてあげてみてください。悲しみの理由はいろいろあると思いますが、「悲しんでいいんだよ」ということを伝えてあげる。それが、友だちの「悲しい」という気持ちを大切にする、ということです。

もし不安そうにしている子がいたら、「不安なんだな」とそばで見守ってあげられたらいいですね。そのときはいっしょになって不安になるのではなくて、不安であることを理解してあげる、という感じです。

無理に笑わせようとしたり、「がんばれ」とはげましたりしなくてもいい。友だちの気持ちを大切にしてあげることで、きっとその友だちは自分で元気を取りもどしていけます。

悲しかったり、不安だったりする気持ちをわかってあげて、いっしょに感じてあげることを「共感」といいます。だれかに共感してもらえることが、悲しみや不安のいちばんのクスリになります。

人は共感することで気持ちがつながって、仲良くなっていきます。もちろん楽しい気持ちにも、共感できるといいですね。

大切な居場所は学校の外にあるかも?

「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと,加藤隆行

学校の友だちとは話が合わないし、なんだかうまくつきあえないな。先生もぼくのことをわかってくれないし……。こんなふうに学校に居場所がなくて、「つながり」が感じられないとしたら、少し学校の外へと気持ちを向けてみることをおすすめします。

塾やスイミングクラブなど、習い事の友だちと仲良くしてもいい。子どもよりも大人のほうが話が合うということもあるので、大人の集まりに入れてもらってもいい。

ぼくの知り合いに、小さなころから将棋が大好きという人がいます。ただその人が通っていた学校には将棋の話ができる友だちがいませんでした。だから親のOKをもらって、電車で1時間もかかる将棋クラブに通って、50歳も年上の大人たちと将棋を指していました。それが楽しかったから、学校になじめなくても、さびしくなかったそうなのです。

今ならSNSやインターネットを使えば、あなたが好きなことを「ぼくも好き」と言ってくれる人が世界のどこかにきっといます。

もちろん外の世界やSNSの世界には危険なこともいっぱいあるので、自分の身の安全を守りながら世界とつながる方法を、少しずつ身につけていく必要があります。でも、自分の「好きなこと」で、広い世界の人たちとつながれるようになれたら楽しいのではないでしょうか。

学校ですごす時間が長いから、学校がいちばん大事と思いがち。だけど、学校でうまくいかないときは、外へと目を向けてみると、自分らしくいられる場所が見つかるかもしれません。

みんなのおなやみ相談室

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Q みんな仲良くしなきゃいけないの?
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A きらいな子はきらいなままでもいい。

クラスにきらいな子がいるのに、先生から「みんな仲良くしなさい」と言われることがあるかもしれません。でも、あなたが「きらい」と思う気持ちは、それはそれで大切なものです。

「きらい」というイヤな気持ちはあなたの「防衛隊」で、あなたを守るために出てくるのでしたね。だから、「きらい」と思ったのには、きっと理由があるはずです。たとえば、「名前をバカにされた」「家族のことを笑われた」など、自分の大切なものをきずつけられたと感じたら、その大切なものを守るために、相手のことをきらいだと思うのは当然のことです。

そんなときは、まず胸に手を当てて、「きらいでもいいんだよ」と自分に伝えてあげてほしいのです。そうやって自分が自分に共感してあげると、ムカムカ、イライラとしていた気持ちが少しずつ落ち着いていきます。

そうしたら次は、「ホントはあの子とどうなりたい?」と自分にきいてみてください。さっきまではきらいだと思っていても「ホントは仲直りしたい」という思いが出てくるかもしれません。それでも、「やっぱりきらい」という思いが出てきたのなら、きらいなままでもいいと思います。

人それぞれ考え方や感じ方はちがいますし、世の中にはどうしても性格が合わない人だっています。だから、みんなと仲良くできなくてもいいんです。

(加藤隆行『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと 』(小学館クリエイティブ)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

書籍『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと 』について

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「友だちと比べて○○ができない」
「先生に怒られてばかり」
「ダメな自分がイヤになる」
「どうせ私なんて……」
そんなふうに思う君に読んでほしい。

心理カウンセラーの加藤隆行さんが執筆し、精神科医・名越康文先生が監修した、自分を好きになれない小学生のための本です。子どもが自分自身で自己肯定感を育んでいくためのヒントが詰まっています。
●失敗したときは「よくがんばったね」
●“ダメなところ”は“いいところ”でもある!?
●ガマンするより「助けて」と言えるほうが大事
●嫌いな友だちは嫌いなままでいい!?
自信をなくしている子どもに寄り添う優しい文章は、子どもの心に小さな自信が芽生えるきっかけを与えてくれます。自己肯定感の下がりやすい小学校4~6年生におすすめ。

親として、子どもへの接し方の参考にも是非おすすめの1冊です!

加藤 隆行氏のプロフィール

1971年生まれ。愛知県名古屋市出身。
ココロと友達オフィス代表 心理カウンセラー
幼少より病弱だったこともあり、劣等感が強くコミュニケーションの苦手な子に育つ。福井大学大学院工学研究科修了後、SEとしてNTTに入社。インターネット黎明期よりOCNなど関連サービスの企画開発に携わる。激務の中、30歳のとき体調が激烈に悪化。3度の休職と入退院を繰り返し、しだいに自身のココロと向き合うようになる。

2015年に退職し、心理カウンセラーとして独立。「自分自身と仲直りして優雅に生きる」をコンセプトに、アドラー心理学、ゲシュタルト療法、交流分析、認知行動療法、各種ボディワーク、瞑想など組み合わせた独自プログラムを開発し、東京を中心に全国でカウンセリングやセミナーを開催。愛称は「かとちゃん」。

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