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2023年09月20日 07:07 更新

子どもの自主性を育てるための「聞く・考えさせる」のやり取り『どならない「叱り方」』#6

「もう怒りたくないのに、止まらない……!」に効果バツグン!受講者の「満足度98%」 子育て実践講座を書籍化。『子どもも自分もラクになる どならない「叱り方」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、基本的な子どもへの対応方法を楽しく練習して身につける方法を紹介します。

前回までの記事はこちら


「カチンときてドッカーン」となりそうな場面に出くわしたとき、さあ、みなさんはどんな対応になりそうですか?

【聞く・考えさせる】「何があったの?」 「次からはどうすればいい?」その3

では、最後の③です。
「聞く・考えさせる」のおすすめの使い方の3つ目は③「行動の検討」です。
まずは、練習して実体験してください。

こんなとき何と言う?

また冷蔵庫の冷気で涼んでる‼

太郎くんは風呂上がりに「暑いー!」と言って、冷蔵庫を全開にして、冷蔵庫の冷気で涼んでいました。

ママは「電気代がかかるから、冷蔵庫で涼むのはやめて」と伝えました。そして、ママは代わりの行動を教えようと思ったのですが、太郎くんの成長に期待して、「今後、風呂上がりに涼むにはどうすればいいのか」を太郎くんに考えてもらうことにしました。

では、「聞く・考えさせる」での対応をどうぞ!

こう言えたらOK!

「太郎くん。冷蔵庫以外で涼しくなるには、どうすればいいかな?」
「涼しくなる方法っていろいろあるけど、太郎くんはどうやって涼しくなる?」

「青カード」のためのヒント

これで太郎くんが自分で考えて、「扇風機にあたる」とか「うちわを使う」「裸で床に寝転ぶ」と答えたら、ママは「いいね! じゃあ、今やってみよう」と促します(裸で床に寝転ぶのは、家によって判断が分かれますが……)。

ということで、「③行動の検討」では、「今後、どのような行動をすればいいのか」を子どもに聞いて考えさせます。

「聞く・考えさせる」のすごい効果

「②理解度の確認」と「③行動の検討」は、子どもが親御さんの質問に答えることによって、子どもの理解が進んだり、主体性が増したりする効果があります。これ重要です。

子どもの問題行動の改善を進めるのであれば、子ども自身の力を使ったほうがラクだし健全ですよね。

親「今の行動って、何がまずかったんだろう?」
子「こういうふうにしたのがまずかったのかな」

とか、

親「次からはどうすればいいかな?」
子「うーん、こういうふうにする」

といったやり取りの中で、子どもが自分で考えて、頭の中を整理して、自分の言葉として口に出すことによって、記憶に残ったり、理解が深まったり、主体性が増したりします。

「良質な問いかけをして、本人の理解や意思決定を促しましょう」的な質問スキルは、子育て講座や子育てサイトでも紹介されていますし、ビジネス系や相談支援系の研修でもよく紹介されていたりします。効果があるものは使っていきましょう。

「聞く・考えさせる」のやり取りがうまくいくと、親御さんが「代わりの行動として何をすればいいのか」を考えて説明しなくても、子どもが自分から考えてくれます。

おまけに子どもの主体性が増したりしたら、親御さんとしてはウハウハですよね。

(著:伊藤徳馬、イラスト:あべかよこ『子どもも自分もラクになる どならない「叱り方」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

『子どもも自分もラクになる どならない「叱り方」』では、この他にも子どもへの対応方法を楽しく練習して身につける方法がたくさん紹介されています。ぜひ書籍でもお楽しみください。

書籍『子どもも自分もラクになる どならない「叱り方」 』について

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伊藤徳馬さんのプロフィール

民間企業を経て、2004年に茅ヶ崎市役所に入庁。2007年から子育て相談・児童虐待対応担当になり、2010年に子どもへの対応方法を練習する講座を事業化。
その頃から「市町村の児童虐待対応」や「簡易なペアレンティングの講座展開」などのお題で講座・研修講師をするようになる。 現在は、福祉の総合相談や計画を担当する部署に所属。プライベートの活動で、子育てを練習する講座「ちはっさく」を一般向けに実施したり、講座を実施する仲間を増やしたりしている。
現在、神奈川県、埼玉県、千葉県、鳥取県の十数か所の自治体・民間団体が「ちはっさく」を事業化しており、今後も増加する予定。 著書に『子どもも自分もラクになる どならない練習』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

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