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2023年09月17日 07:07 更新

イラっとしたら「深呼吸でスーハースーハー! 」でドッカーン回避『どならない「叱り方」』#3

「もう怒りたくないのに、止まらない……!」に効果バツグン!受講者の「満足度98%」 子育て実践講座を書籍化。『子どもも自分もラクになる どならない「叱り方」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、基本的な子どもへの対応方法を楽しく練習して身につける方法を紹介します。

前回までの記事はこちら


「カチンときてドッカーン」となりそうな場面に出くわしたとき、さあ、みなさんはどんな対応になりそうですか?

【落ち着く】 「スーハー、スーハー」

「落ち着く」ですることは簡単です。イラっとしたときに深呼吸をする、大きく息を吸って吐いてを2回する、それだけです。

深呼吸でなくても、水を飲んだり、ゆっくり数を数えたりして、怒っていることから意識を数秒そらすことができれば何でもいいのですが、いつでもどこでもできるお手軽さから、ここでは深呼吸での練習をしていきます。

「落ち着く」がさっと使えると、子どもの問題行動にカチンときてドッカーン!となる直前に、ギリギリ回避することができるようになります。

もし、ドッカーン!を回避できたのなら、その後はこれまでに練習してきた基本カードを使って肯定的なやり取りを進めていけば「逆転大成功!」となります。

実際にやっていただくとわかるのですが、深呼吸でスーハースーハーをした後だと、なぜだか青カードがすんなり出せたりするんです。

そんなわけで、練習をはじめましょう。

練習タイム!

こんなとき何と言う?

なぜよりによって炭酸飲料を……

真夏に太郎くんを自転車に乗せて走っていたママは、とても喉が渇いたので自販機でお茶のペットボトルを買おうとしました。

自販機にお金を入れて、お茶のボタンを押そうとしたところ、太郎くんがふざけて勝手に違うボタンを押しました。出てきたのは炭酸飲料でした。

ママも太郎くんも炭酸は苦手です……。

ママはかなりイラっとしたけれど、「疲れるのは嫌だから軽く叱って終わらせよう」と思い、立ち止まることができました。

では、「落ち着く」(大きく深呼吸を2回)を使って対応をしてください。
どうぞ。

[落ち着く]      →
[環境をつくる]    →
[代わりの行動]    →
[一緒にやってみる]  →

こう言えたらOK!

[落ち着く]スーーハーー、スーーハーー
[環境をつくる](しゃがんで太郎くんと目線を合わせる)
[代わりの行動]ママが自販機のボタンを押そうとしているときは、ママの横でじっと待ってるんだよ。
[一緒にやってみる]じゃあ、もう一度ママがお茶を買うから横でじっとしててね。

「青カード」のためのヒント

毎回こんなにうまくできなくていいですからね。「落ち着く」では聖人になることを目指したいのではなくて、「ギリギリ耐えられるかも……」という場面で深呼吸をして、どうにかドッカーン!を回避できたらいいですよね、っていうことなんです。

瞬間沸騰でドッカーン!となってしまうのはどうにもならないので、目をつぶっておきましょう。「落ち着く」で対応できるのは、「あー、これまずい流れだ」と自覚してどうにか戻ってこられるレベルまでです。

それと、今の場面で、深呼吸をせずに太郎くんとの会話を進める場合は、イライラしている勢いで赤カード方面のやり取りをはじめてしまい、そうなると親子ともに負の感情が積もっていき、会話のどこかでどちらかが地雷を踏んでドッカーン!となるリスクが高くなります。

この流れを回避するには、最初に「落ち着く」です。

(著:伊藤徳馬、イラスト:あべかよこ『子どもも自分もラクになる どならない「叱り方」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

『子どもも自分もラクになる どならない「叱り方」』では、この他にも子どもへの対応方法を楽しく練習して身につける方法がたくさん紹介されています。ぜひ書籍でもお楽しみください。

書籍『子どもも自分もラクになる どならない「叱り方」 』について

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伊藤徳馬さんのプロフィール

民間企業を経て、2004年に茅ヶ崎市役所に入庁。2007年から子育て相談・児童虐待対応担当になり、2010年に子どもへの対応方法を練習する講座を事業化。
その頃から「市町村の児童虐待対応」や「簡易なペアレンティングの講座展開」などのお題で講座・研修講師をするようになる。 現在は、福祉の総合相談や計画を担当する部署に所属。プライベートの活動で、子育てを練習する講座「ちはっさく」を一般向けに実施したり、講座を実施する仲間を増やしたりしている。
現在、神奈川県、埼玉県、千葉県、鳥取県の十数か所の自治体・民間団体が「ちはっさく」を事業化しており、今後も増加する予定。 著書に『子どもも自分もラクになる どならない練習』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

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