ニュースを見て満足はもったいない! 「社会」に必要な+α『SAPIXだから知っている 頭のいい子が家でやっていること』Vol.7
「勉強しなさいと言うのに疲れた」そんな「勉強」に関する悩みを、中学受験塾SAPIX小学部の先生たちにぶつけました。『SAPIXだから知っている 頭のいい子が家でやっていること』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、学びの本質についてふれながら「自ら学び続ける子に育てる」メソッドについてご紹介します。
社会ができる子になる習慣
時事に興味をもたせるには?
△ テレビのニュース番組を見せる
◯ ニュースをもとに親子で会話する
立場が違えば考え方が違うことを話し合う
ニュースを見ることは、時事をつかむうえで有効なツールです。
子どもによって発達段階に差はありますが、中学年から高学年にかけての年代においては、世の中で起こっていることをなんとなく理解できるようになっていきます。
しかし、単にニュースを見ているだけでは、子どもはほとんど興味をもちません。ニュースと子どもの実体験とを紐づける会話を、家庭で実践していくことが大切です。
最近では連日、物価の上昇についてのニュースが流れるようになりました。こうしたニュースをもとに、親子で話す時間をつくってみましょう。
たとえば、「卵が値上がりしちゃってさ」とつぶやき、「なんで値上がりしたのかな?」と、その背景を子どもとあれこれ探っていくのです。値上がりの理由としては、世界の情勢であったり、為替の変動であったりといったことが紐づいてくるはずです。
加えて、SAPIX小学部では「反対の立場からみると○○だね」「世の中の出来事は、こういうふうにつながっているんだね」といった多面的な見方をうながしています。
少し難易度は上がりますが、家庭でも一つの事象をいろいろな角度からみる話ができると、より子どもの理解が深まっていくでしょう。
先ほどの物価上昇の話題であれば、消費者目線だけでなく、「スーパーで働く人たちは何を思っているのかな?」「店頭に並ぶまでに、どこでどんな費用がかかっているんだろう?」などと考えてみてください。
ただ、ニュースをもとにした会話をする際に注意したいのは、特定のバイアスをもって子どもに伝えないことです。 保護者が偏った考えしか話さなければ、子どもにもそのバイアスが植えつけられてしまいます。
これは、親が自分の意見を言うべきではないという意味ではありません。たとえば、「私はこう考えているんだよね。でも、こういうことを言う人もいてさ。その理由はこうなんだよ」といった伝え方ができるとベストです。
世の中にはいろいろな考え方がある。そして、立場が違えば見え方がまったく変わります。ニュースをもとにした対話で、視点を広げるおもしろさと大切さを子どもに伝えていけるといいでしょう。
Check!
▶ニュースは、子どもの生活と結びつける工夫を
▶さまざまな立場の人の目線に立って、一つのニュースについて話す
佐藤智『10万人以上を指導した 中学受験塾 SAPIXだから知っている 頭のいい子が家でやっていること』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
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佐藤智さんのプロフィール
両親ともに教員という家庭に育ち、教育の道を志す。横浜国立大学大学院教育学研究科修了。中学校・高校の教員免許を取得。出版社勤務を経て、ベネッセコーポレーション教育研究開発センターにて、学校情報を収集しながら教育情報誌の制作を行う。その後、独立し、ライティングや編集業務を担う株式会社レゾンクリエイトを設立。全国約1000人の教員へのヒアリング経験をもとに、現在は教育現場の情報をわかりやすく伝える教育ライターとして活動中。著書に『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『先生のための小学校プログラミング教育がよくわかる本』(共著/翔泳社)がある。