育児 育児
2023年06月19日 08:16 更新

現役小児科医がレクチャー!子供が頭をぶつけたときに必ずチェックしたいポイント5つ

子供が頭をぶつけてしまう事故は、意外と多くあります。いざというときに慌てないよう、どんな点に気をつけたらいいのかを、小児科医の森戸先生に聞きました。

頭が重くて重心が高い子供は転落しやすい

「抱っこ紐をきちんと装着できていなくて落としてしまって」「ベビーカーのベルトができていなくて落下して」「クーファンごと移動しようとしたらぶつけてしまって」「イスによじ登って転がり落ちて」「自転車に乗せたままにしていたら倒れて」など、小さな子供が頭をぶつけてしまう例はとても多いものです。

まず、抱っこ紐やベビーカーは、正しく使うよう気をつけましょう。赤ちゃんをクーファンに寝かせたまま移動させるのはとても危険です。小さな子供は何をするかわかりませんから、イスなどによじ登らないよう気をつけて見ておくか、難しいときはベビーサークルに入れましょう。子供を自転車に乗せたまま、その場を離れてはいけません

こういうことに気をつけていても、子供は頭が重く、重心が高いために転落しやすく、またじっとしていないので頭をぶつけることが多いものです。保護者のほうも普段は気をつけていても、疲れていたりしてうっかりすることは誰にでもありますね。

頭をぶつけたとき、下記のような症状があれば、救急車を呼ぶなどして速やかに医療機関を受診してください。

●出血が止まらない
●意識がない
●だんだん反応が弱くなる
●けいれんしている
●手足が動かない
●吐き続ける


自家用車やタクシーで救急病院へ急いでも構いませんが、重篤に思える場合は応急処置(出血している部分を乾いたタオルで強く圧迫するなど)をしながら、救急車を呼ぶようにしましょう。また、打った部分がへこんでいる、繰り返し嘔吐している、様子がおかしいなどの場合も、救急車や自家用車等で急患診療所へ行きましょう。

どうしたらいいかわからない、どの医療機関がいいのかわからない場合は、「こども医療でんわ相談」#8000、または各自治体の救急相談ダイヤルで聞いてみてもいいと思います。

頭を打った子供の状態をみるときに注目すべき点とは

子供の状態を正確にチェックできるかどうか不安だという声もよく聞かれます。どのような点に注意したらいいのかをご紹介しましょう。

①大きな傷やたんこぶ、出血がないかどうか
たんこぶや小さな傷くらいなら、しばらく自宅で様子をみても大丈夫。出血していたら頭を上にして清潔な布などでしっかり圧迫して止血します。

②意識があるかどうか
話しかけてみましょう。泣き疲れて眠っている場合は、むにゃむにゃ言う、手足を動かすなどの反応があります。

③繰り返し嘔吐しないかどうか
頭をぶつけた後に驚いて、または泣きすぎて1回〜数回程度吐くことはありますが、あまり頻繁なら問題があります。

④けいれんしていないかどうか
意識がなくなり、呼吸が不規則になって顔色が悪くなり、体の全体または一部が震えて、手で押さえても止まりません。

⑤様子がおかしくないかどうか
①〜④には当てはまらなくても、ぼんやりしている、記憶がない、目を開けているのに反応しないなど、明らかに様子がおかしく思える場合です。

頭をぶつけた際に怖いのは、脳そのものがダメージを受ける「脳挫傷」、あるいは頭蓋内出血によって脳が圧迫されることです。医療機関では必要に応じてレントゲンやCT、MRIを撮り、それぞれの症状に応じた治療を進めることになります。

以上のような重篤な症状がなく軽いようなら、出血があれば止血をし、氷枕や保冷剤をハンカチなどに包んで冷やしてあげましょう。念のため、1〜2日程度は激しい運動や旅行はせずに様子をみたほうが安心ですよ。

参照)森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-