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2022年11月30日 16:00 更新

つむぎこどもクリニック 吉岡淑隆先生|子育て世帯が安心して預けられる病児保育を提供したい

埼玉県越谷市レイクタウンにあるつむぎこどもクリニックは、子育て支援やクラウドファンディングを活用した病児保育に力を入れているクリニックです。今回は院長を務める吉岡淑隆先生に、クリニックの特徴や日々の診療で心がけていることをお聞きしました。

クラウドファンディングを活用した病児保育を運営

クリニックのある越谷市は、小児科医でもある奥様の生まれ育った街。小児医療・子育て支援が不足している現状を変えるため、クラウドファンディングを活用した「みんなでつくる病児保育室つむぎのおうち」をクリニック2階にオープンしました。

診療の場だけにとどまらない小児科医としての在り方
子育て支援に出会ったのは、後期研修時代の頃です。当時の上司が小児科医として地域の子育て講座を行なっていて、住民からのニーズがあるんだと知りました。その後、病児保育の立ち上げから運営などにも携わり、今まで学んだことを還元しようと開業しました。

自治体の補助に頼らない病児保育室
病児保育の運営には課題が多く、自分1人の力では困難だと判断し、クラウドファンディングを活用しました。もともとクラウドファンディングは自分自身が支援する機会があったり、知り合いが活用したりしていたので身近だったんです。今回、たくさんの方々に応援していただき、形にすることができました。

全国の病児保育室運営への想い
利用者さんからは「近所に病児保育室があって助かった」といったコメントがたくさん寄せられています。どこに住んでいてもみんなが安心して預けられるためには、病児保育室の数が必要なんです。クラウドファンディング、企業からの協賛、備品類の寄付等を活用した病児保育室の運営を知って、今、赤字経営の中でも頑張っている病児保育関係者の方たちが「これならうちでもやれそう」と真似したり、一歩踏みだすきっかけになったりすればいいなと思っています。

「病児保育では、預かっている間に病態が変わっていることはよくあります。たくさんのお子さんを受け入れたい気持ちはありますが、子どもたちの安心安全な保育が保てないことは避けなければいけません。当院では保育だけでなく看護も必要だと思い、看護師も配置しています。」(吉岡先生)

バックグラウンドを常に意識し診療にあたる

初期研修時代、さまざまな患者の病態変化を目の当たりにし、医師として働くことが難しい時期があったと話される吉岡先生。診療のモットーとして、クリニックを訪れているその瞬間だけでなく、人生そのものを気遣う姿勢が窺えました。

バックグラウンドがあって今に至る
子どもたちや親御さんには、生活・家族といったバックグラウンドがあって今に至っているんだ、と常に意識しています。診察室にいる数分間はその中の一部でしかないんです。診療で処方を出して終わりではなく、帰られてからもその方たちの人生そのものを見ていると意識して診療にあたっています。

子どもや親御さんの不安を軽減するために
親として子どもが調子悪いときに何もしてあげられない、と思うのはつらいですよね。親御さんにはある程度起こりうる症状の予想を立てて、さらに先のゴールを示してあげるようにしています。

診療以外のことへの声かけにも配慮
ほかにも、診察の終わりには必ず「なにか聞きたいことはないですか?」と尋ねるようにしていますね。これ、けっこう大事なんです。診療中でも子ども達は成長すると考えているので、子ども達自身が「がんばった」「楽しかった」「きて良かった」と思ってもらえるような声かけを意識しています。本来の診察が終わっても親御さんやお子さんにとって大事なことが隠れていることがあるので、声かけは大事にしています。

感染症と非感染症の待合室の仕切りには、ライトアップされた水槽が設置されている。「自閉症や音過敏のお子さんもいらっしゃるので、待合室では大きな音の鳴るオモチャを置いたり、音楽をかけたりはしていません。水槽きれいでしょ(笑)。お子さんたちは魚をながめたり、水槽を挟んで子ども同士で手を振りあったりしています。音のない世界でもコミュニケーションがとれることを知ってほしいですね。」

開業医としての気付き・学び

病院で勤務していた頃は、小児科医として、ある程度のことはできるようになったと思っていました。2012年に地域のクリニックで働き始め、2021年に開業していろんな方と関わり、徐々に変わってきましたね。検査・処置など、クリニックでは設備の面でもできないことがたくさんあるので、ある程度予想を立て、必要なものだけを選択しなければいけません。グレーゾーンをなるべく狭くして、自分の知識や経験を活かしてここまでなら自分が対処できる、ということを開業医として増やしていきたいですね。

地域とのつながりを大切に、分かち合いの子育てを

現代は核家族化や新型コロナウイルスの影響もあって、どうしても孤立した子育てになりやすい状況です。いろんなことを悩んだり感じたりしながら子育てをしていると思いますが、大変なことも楽しいことも、地域のみんなと繋がって、分かち合いながら子育てをしていきましょう。

自分らしく生きていいんだよ

我慢しなくていいんだよ、間違っていることは間違ってると言っていいんだよ、と。僕自身が夢を追いかけているので、そういった人の姿をよく見て自分も夢を追いかけたり、自分らしく生きていいんだよ。と伝えたいですね。

つむぎこどもクリニック

■住所:埼玉県越谷市レイクタウン2丁目2-6
■電話番号:048-989-2650
■診療時間:
診療時間
9:00-12:30
14:00-18:00

■休診日:日曜、祝日 ※土曜日は12:00まで
■HP:https://tsumugi-kodomo.jp
■アクセス
・JR東日本武蔵野線「越谷レイクタウン」駅より徒歩15分(ジョイフル隣)
・JR東日本武蔵野線「越谷レイクタウン」駅よりバス「湖畔の森公園入口」停留所下車徒歩3分
■駐車場:あり(5台)

(取材・文:株式会社メディコレ

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