エビスタうめはなこどもクリニック 宇野浩史先生｜地域の子育てをグループで支える

当法人では小児科だけでなく、耳鼻科や発達支援スクールなどの事業も行っています。このような幅広い守備範囲をもっていることで、他の小児クリニックにはできない価値を地域の皆様に提供しているのではないかと自負しています。

お子さんが風邪をひいたときに、小児科を受診するか耳鼻科を受診するかで悩まれることは多いと思います。耳鼻科と小児科を展開している当法人では両方の科が互いに連携をとることで、患者さんにきめ細かい医療を提供しています。またカルテの情報も共有されていますので、当院が休診日の時もグループの小児科を安心して受診して頂けます。特に病状が気になる患者さんに関しては、事前に小児科間で情報を共有して対応するようにしています。

最近の外来では、お子さんの発達に関しての相談を受ける機会が増えてきたように感じます。自治体が運営する発達支援センターなどを受診して療育を受けるためには、数か月の待ち時間が当たり前になっています。また、発達障害と診断されずに経過観察とされたものの、何かできることがないかと悶々とされている親御さんも多くおられます。こういった皆さんにグループの児童発達支援スクールをご案内できることは、当クリニックの強みの一つと言えるでしょう。

ご自身のクリニックだけではなく、法人全体として子育て家庭を応援したいと話す宇野先生。しっかりとしたグループ内での連携体制があるからこそ、幅広く親御さんの不安をサポートしていけるのだとおっしゃっています。

患者さんのお話を伺うと、子育てに関しての不安や困りごとを抱えておられる方も多いと感じます。診察の中では自分から相談するタイミングを見つけにくいこともありますので、そこに気付いて何かの解決の糸口を提供できればという思いで日々の診療を行っています。そういった意味で、お子さん一人ひとりと真摯に向き合うことはもちろん、親御さんの不安や悩みにも寄り添うことを心がけています。このことはクリニックのスタッフ全体で意識しており、看護師や受付職員など全てのスタッフが一丸となってチームでお子さん・親御さんをサポートしたいと考えています。受診していただいた際のスタッフとのちょっとした会話で、お悩みや不安を解消する助けになることもあると思います。どこか相談先があると感じることができれば、親御さんも日々安心して子育てに向き合えるのではないでしょうか。

コロナウイルスの流行直後の外出制限がでている中でも、あえて対面診療に来てくださる患者さんが多くおられました。様々なお話しをうかがう中で、病気を診るだけでなく、子育ての不安や心配事を吐き出せる場所であることもクリニックの役割なのだと実感しました。この経験がクリニックの在り方について見直すきっかけとなりました。

ご両親が共働きであるなど、周囲に頼れないなど子育ての大変さはご家庭により様々です。また子育て支援のリソース不足だという声も聞こえます。
当グループは、クリニックだけではなく、同じ法人内で運営する保育所や発達支援施設と連携することで、子育てに奮闘される親御さんの力になれればと考えています。「病気になったときに連れていく場所」というだけでなく、色々な子育ての相談ができる場として梅華会グループを気軽に頼ってもらいたいです。

子育て環境が多様化しており、いままでのように小児科医が一方的に患者さんに答えを呈示するだけでは不十分ではないかと感じています。答えは一つではなくて、それぞれのご家庭に最適解があり、この答えをご家族と一緒に探すお手伝いをしていくのも小児科医としての役割だと思っています。ご家庭でのことや発達のことなど、さまざまな相談をしていただくことが私自身の成長にも繋がって、結果として質の高い答えを患者さんに還元していけるのではないかと思っています。当クリニックを受診した後で、子育て・ご家庭にまつわる悩みや不安が少しでも軽減されていれば嬉しいです。

（取材・文：株式会社メディコレ）