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2022年09月15日 11:33 更新

泣いている赤ちゃんの寝かしつけは「抱っこ歩き5分→寝てから抱っこのまま座って5~8分」が効果的だと科学的に証明

理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター親和性社会行動研究チームの大村菜美研究員、黒田公美チームリーダーらの国際共同研究グループは、このほど、科学的根拠に基づく赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけのヒントを発見したと発表しました。

寝た子を起こさずベッドに下ろすには?

抱っこやベビーカーなどでの寝かしつけ方法の効果を科学的に検証

この研究は、同研究所 脳神経科学研究センター親和性社会行動研究チームの大村菜美研究員、黒田公美チームリーダーらの国際共同研究グループが行ったもの。

赤ちゃんは泣くのが仕事といわれるように、よく泣くのが普通です。寝かしつけには、おんぶや抱っこ、ベビーカーでの散歩、ゆりかご、スワドリング(赤ちゃんを布で巻く)など、文化によってさまざまな方法が用いられてきましたが、こうした方法の効果を科学的に検証した研究は意外なほど少なく、赤ちゃんを効果的に泣きやませ、寝付きやすくさせる方法は、薬剤以外ではよく分かっていませんでした。

黒田公美チームリーダーらは2013年、親が赤ちゃんを運ぶとおとなしくなる「輸送反応」をマウスとヒトにおいて発見、報告しています(※)。しかしこの研究では、運ぶ時間が約20秒間と短く、かつ運ぶのをやめると赤ちゃんは再び泣き出すという課題がありました。

そこで今回の研究では、より長い輸送や、異なる方法での輸送が、赤ちゃんの泣きや生理指標に与える効果を調べました。

※ 2013年4月19日 理化学研究所プレスリリース「抱っこして歩くと赤ちゃんがリラックスする仕組みの一端を解明」
https://www.riken.jp/press/2013/20130419_2/

いわゆる「背中スイッチ」は眠り始めから座って5~8分待つことで起きにくくなる

今回、国際共同研究グループは、赤ちゃんが泣いているとき、母親が抱っこして5分間連続で歩くと、泣きやむだけでなく、約半数の赤ちゃんが寝付くことを発見。

また、親の腕の中で眠った赤ちゃんをベッドに置くとき、赤ちゃんが目覚めやすいのは親から体が離れるタイミングであり、ベッドに置いた後一部の赤ちゃんは起きてしまいますが、眠り始めから座って5~8分間待ってからベッドに置くことで、赤ちゃんが起きにくくなることが分かりました。

今回科学的に明らかになった寝かしつけのヒントは、ママ以外でも効果が?

今回の実験は母親に行ってもらいましたが、抱っこやベビーカーでの寝かしつけは、父親や祖父母、ベビーシッターなども行うことがあることから、母親以外の人でも効果があると考えられます。理研では、人によってその効果が異なるかどうかなども今後検証していきたい、としています。

理研では、今回の研究成果について、「赤ちゃんの泣きに困る養育者のストレスの軽減や、虐待防止につながると期待できます」とコメントしています。

なお同研究は、科学雑誌『Current Biology』オンライン版(9月13日付:日本時間9月14日)に掲載されています。

▼本研究結果詳細
2022年9月14日 理化学研究所リリース「赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学」
https://www.riken.jp/press/2022/20220914_1/

理化学研究所
https://www.riken.jp/

(マイナビ子育て編集部)

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