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2022年05月27日 11:55 更新

歌手のCoccoさんが明かした産後の葛藤。罪悪感いっぱいで「ダメなお母さんのお話、どこかにないかな」と探していた

シンガーソングライターのCoccoさんが自身のYouTubeチャンネルで、当時の写真やその場で描き上げるイラストを交えながら、息子さんが新生児だった頃の育児を振り返っています。

「一人になりたい」と思ってしまうけれど、言えない

Coccoさんはシングルで出産し、「母上」と「姉上」に育児をサポートしてもらっていたそう。産後は「おっぱいマシーン」だったといい、入院中、体を起こした瞬間にまるでビームのように勢いよく母乳が出たこともあったといいます。

産後は「2ヶ月寝た記憶がない」ほど張り詰めていたというCoccoさん。ある日、目が覚めたら息子がベビーベッドから姿を消していて慌てて家中を探したところ、お母さんがテレビを見ながら息子さんにミルクをあげていました。

母乳を勧めていたはずの母がミルクをあげていたことに拍子抜けし、おいしそうにミルクを飲む息子さんを見て、「自分が寝たら赤ちゃん死んじゃう」と思っていた気持ちが楽になったそうです。

完全母乳だとママが赤ちゃんに付きっきりになってしまい、「一人になりたい」「そんなこと言ったら『お母さんなのに』って言われちゃうから言えない」と、葛藤を抱えやすいとも話していました。

Coccoさんは出産後、産まれたばかりの息子さんを見て「紫色のエイリアンみたい」「なんだこれ!?」と驚いてしまい、正直なところ「かわいい」とは思えなかったそう。しかし生後3週間くらいのときの日記に「なんかかわいいぞ」と書いていた記録があり、この頃にやっとそういう気持ちが芽生えたのだと明かしています。また、産後1ヶ月で一人で歯科医院に行った日の日記には「(産後)初めて一人で歩いた」「タバコ吸いたい」と正直な思いがつづられていたそうです。

その後、どうしても「一人で図書館に行きたい」と思ったことがあったというCoccoさん。「母親なのに、娯楽のために一人で出かけること」への罪悪感から、歯科医院に行くと嘘をついて出かけたそう。

そして出かけた図書館で探したのは「子育ての本」。その理由は、「どこかに私と同じように(赤ちゃんがいるのに一人になりたい)人いないかな」「ダメなお母さんのお話、どこかにないかな」と考えていたためです。

Coccoさんが出産したのは1999年。当時はなかなかママの本音をつづった育児本はなかったそうですが、ある本に「泣いてる赤ちゃんをどうしたらいいかわからなくて、赤ちゃんを窓から放り投げたいのではない、自分も一緒に飛び降りてしまいたい」という記述があり、自分が子育てに対してツライと感じていることを「あ、いいんだ」と認めてあげられるようになったといいます。

この動画には、「Coccoと同世代、子供も同世代、Coccoの歌を聴きながら子育てしてたのを思い出して泣けてきました」「自分がちゃんと母親としてやっていけるのか、不安と緊張でいっぱいだったけど、このお話を聞いて安心して涙が出ました」「こういう話がきけてうれしい」といったコメントが多く寄せられています。

新生児の子育て、ツラかったら助けを求めて

新生児の育児は寝不足、イライラなどが重なり、とてもハードです。

そもそも子どもを産んでからというもの、ママが一人になる時間はほとんどありません。ちょっと座ってゆっくりしようと思った瞬間や、家事をしている最中でも関係なく、赤ちゃんは泣きます。満足にご飯も食べられない、ゆっくりトイレも入れないほどです。

泣くことでしか自分の要求を表現できない赤ちゃんに24時間ずっと対応しなくてはならないこのツラさは、経験者にしかわからないものかもしれません。育児が本当にツライと思ったら、誰かに助けを求めてください。パパでも、自分の母親でも、友達でも、自分の話しやすい人に相談することをおすすめします。1ヶ月健診や新生児訪問指導を利用して相談するのも良いでしょう。

精神的に不安定になっているときは何でも悪い方に考えがちですが、話を聞いてもらうだけで気分転換になることもあります。また、赤ちゃんを家族などに預けて、一人になる時間を設けることも大切です。育児を一人で抱え込むのではなく、周囲を頼っていきましょう。

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