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2022年12月13日 12:35 更新

柚(ゆず)の花言葉|結婚式にも用いられる由来や縁起のよい花とされる理由を詳しく解説

毎年、12月の冬至が近づくと、スーパーの青果売り場などに並ぶことから、身近に感じる柚子。しかしその花については、実際に目にしたことのあるという人はさほど多くはないのではないでしょうか。ここでは、柚子の「花」にあたる柚(ゆず)の概要や特徴、花言葉、名前の由来などを詳しく解説します。

柚 (ゆず)の花言葉

冬至が近づくと店頭に並ぶ柚の実・柚子。その花はというと、ミカン科の植物ということもあり、黄色い花弁を中心とした星型に開く白い花。地域にもよりますが、概ね5月~6月頃に見ることができます。

そんな柚につけられている花言葉は「健康美」「汚れなき人」「恋のため息」

「健康美」は、開花時期の木を見るとわかりますが、青々と茂った深い緑色の葉に、曇りや濁りのない清潔感のある白い花が咲くという特徴に由来します。

「汚れなき人」も、「健康美」と同様に、その清清しい葉や花の見た目に由来しています。とりわけ深い緑に囲まれた中で目を引く白い花は、凛とした魅力を持つ人の高潔さに通じるものがあります。

「恋のため息」は、実の香りとはまた違った、柑橘系の植物特有のほんのりと甘い香りが由来です。

いずれの花言葉も、柚の花の持つ清潔感あふれる見た目や、くどすぎない甘さを感じさせる香りにちなむ形でつけられているのですね。

柚の色別、種類別の花言葉

柚子

実が小玉スイカほどの大きさになる獅子柚や、食卓に並ぶことも多い本柚子など、柚には様々な種類がありますが、花言葉に限っていえば、種類別のものはありません。しかし、日本と海外では少し内容が違っています。

日本での花言葉は「健康美」「汚れなき人」「恋のため息」などですが、海外では「リラクゼーション」「香り高きもの」といった、主に香りの部分に着目した花言葉があります。

そのほかでは、「幸福」や「嬉しい知らせ」、「花嫁の喜び」があり、それにちなむ形で、結婚式のフラワーシャワーやブーケなどに柚の花が用いられることでも知られています。そのため、近年は日本でも「幸福」を花言葉に加えるケースも増えています。

柚の花言葉に怖いものはある?

柚子

晴れの場である結婚式で用いられていることからもわかるように、基本的に不吉なニュアンスの花言葉が見られない柚ですが、柑橘系植物の特徴であるトゲがあることや、美しい花とは裏腹に、実の方はデコボコとした質感のものになることが多いことなどから、「トゲトゲしい性格で醜い見た目の人」を思い起こさせ、主に女性の名前などに「柚」の字を使うのは避けたほうがよいとする向きがあります。

同様に、俗な言い回しとして「桃栗三年柿八年柚子の大馬鹿十八年」という、ほかの植物に比べ、実がなるまで時間がかかりすぎると揶揄したニュアンスの言葉があるため、人や物の名前として「柚」という字を使うことを避けるべきだという声もあります。

これは『二十四の瞳』の作者として知られる作家の坪井栄さんが、好んで用いたことで広まったフレーズで、それよりも前の、比較的古い時代から巷で使われてきた「柚子は九年で花盛り」「柚子は九年でなりさかる」といった言葉を、茶目っ気を交えてアレンジしたものであるとされています。

そんな人名向きでない説もある柚子ですが、実際のところ、柚はとても強い植物で、さほど土が肥えていなくてもしっかりと育ちます。そうした意味でいえば、むしろ名前に使いたくなるような、縁起のよい字といえるでしょう。

柚の特徴

ミカン科で柑橘系の植物ということもあり、1年を通して暖かい地方でのみ生育する印象を持たれがちな柚。ですが、実は柑橘系の中でも意外と寒さに強いことで知られており、その耐寒温度は-7度とかなり低めです。

あまりに寒い地域では風よけや幹の防寒的な保護などが必要ではありますが、日本では寒さの厳しい東北地方でも栽培されています。

また、柑橘系の中ではとりわけ強く、痩せた土地でも育ちます。栽培しやすいだけでなく、実がなると広い用途に用いられるため、「花で楽しみ、実でも楽しむ」ことができる植物です。

柚の基礎知識

・分類…ミカン科ミカン属
・原産地…中国
・別名… スミカン(酸蜜柑)
・開花期…5月~6月
・出回り期…11月~12月

柚の名前の由来

もともと中国の揚子江上流地域が原産であると推定されているという柚は、比較的早い段階で日本にもたらされたとされています。797年の『続日本紀』にその名もあることから、諸説あるものの、奈良時代に渡来したという説が有力です。

そのため、柚という名前自体も中国語に由来します。ここからが少しややこしく、中国語で柚を示す言葉は「香橙」。中国語で「柚」とすると、同じ柑橘類のブンタン(ザボン、ザンボア、ボンタン、ジャボン)を指しているのです。

こうした現象は古くから日本に定着している外国産の植物などには割と多くある現象です。ブンタンのほうは柚よりもずっと後の江戸時代にもたらされたとされているので、もしかすると日本語に翻訳される過程で「香橙」と「柚」を取り違えたのかもしれません。

柚の誕生花

誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシア・ローマの神話に由来するとされています。ユズが誕生花となる生年月日は以下のとおりです。

5月25日、12月31日

柚は冬だけでなく初夏の風物詩

柚の実である「柚子」が冬至に用いられることから、冬という季節のシンボリックな存在として広く定着している柚ですが、花の開花は5~6月。一服の涼を与えてくれる、いわば初夏の風物詩。「花」と「実」、そして、冬と初夏の2シーズンで楽しめるのも柚が持つ魅力でしょう。

柚は幸福のシンボル

花言葉だけでなく、結婚式のフラワーシャワーやブーケなどに用いられるなど、「縁起の良い花」としても知られている柚。一般的には、「実」に比べてどうしても印象の薄い感がある柚の花ですが、お祝い用の花束などにはもってこいのアイテム。贈りたい人の幸運を願ってプレゼントしてみるのもよいでしょう。

まとめ

柚には、「健康美」「汚れなき人」「幸福」といった幸運で清清しいニュアンスの花言葉がつけられています。結婚式などのお祝い事に用いることはもちろんのこと、その実である柚子の香りや味を楽しむこともおすすめです。

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