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2022年11月29日 12:42 更新

牡丹色(ぼたんいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【牡丹色(ぼたんいろ)】とは、牡丹の花から名付けられた、紫がかった紅色を指しています。日本の伝統色である【牡丹色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【牡丹色】とは?

牡丹の花

牡丹色とは、牡丹の花びらのような紫がかった紅色のことです。

色の名前       牡  丹  色    
読み方 ぼたんいろ Botan-iro
英語 light crimson
WEBカラーコード #c7448b
CMYK C=21/M=84/Y=0/K=9
RGB R=199/G=68/B=139
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【牡丹色】の意味と由来は?

【牡丹色】とは、中国では「百花の王」とも呼ばれている、牡丹の花の色から取られた色名です。春から夏にかけて咲く美しい牡丹の花びらのような、紫がかった紅色を指しています。

この花が日本に伝わったのは、奈良時代から平安時代にかけてといわれ、着物の襲(かさね・着物の色と色の組み合わせのこと)の色目としても親しまれていました。けれど、色名として単独で用いられるようになったのは、化学染料が発達してから。それだけ再現するのが難しかったということでしょう。

明治以降には、衣料品のほかにも化粧品などにも利用され、大人気となりました。とくに華やかな色を好んだ女性の間で、流行色になったこともあります。

【牡丹色】に合う色は?


牡 丹
 ぼ た ん 


淡蘇芳
 あさすおう 

着物の襲(かさね)としての【牡丹】に使われているのは、表が【淡蘇芳(あさすおう)】、裏が【白】という襲です。【淡蘇芳】とは暗めの紫で、あずき色などに近い色と言えます。実際の【牡丹】はもう少し明るく華やかな色ですが、【淡蘇芳】に合わせると花の王にふさわしい華やかさが出ますね。

また、【牡丹色】は春に似合う色ということでやはり【白】との組み合わせが合います。同系の紫色で、濃い【紫式部】や薄い【浅紫】などとの組み合わせも好まれています。

A traditional Japanese color "牡丹 Botan" is...

A traditional Japanese color "牡丹 Botan -means peony flower-" is a color name taken from the color of the peony flower, also known as the "king of a hundred flowers" in China. It refers to the purplish-red color of the beautiful peony petals that bloom from spring to summer.

This flower is said to have been introduced to Japan during the Nara and Heian periods, and was popular as the color of kimonos (kasane). However, it was not until the development of chemical dyes that it came to be used as a color name on its own. That's how difficult it was to reproduce.

After the Meiji era (1868-1912), the color was used for cosmetics as well as for clothing, and became very popular. It also became a popular color, especially among women who liked gorgeous colors.

まとめ

花から取られた色名はたくさんありますが、なかでも「牡丹」は中国を代表する花でした。花は古くから日本に伝わり愛されていたのに、色名としては比較的新しいのは、その色を自然界の原料だけで再現するのは難しかったから。華やかな牡丹色を気軽に使うことができるのは、現代人の特権なんですね。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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