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2021年12月23日 18:21 更新

共働き夫婦の1日スケジュール 江崎グリコ 青木さんの場合(後編)

共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。朝起きてから寝るまで分刻みのスケジュールで息つく暇もないのでは? そこで、夫婦の家事分担や子育ての工夫など、忙しい毎日を乗り切るコツを実践しているパパに、お話を聞きました。

退勤後のパパママの連携をスムーズにするには?

共働き夫婦の1日のスケジュールを伺い、家事・育児・仕事と目まぐるしい毎日を送るパパ・ママのためのヒントを得るこの企画。第4回となる今回は、江崎グリコのセールス本部で働く青木優大さんにインタビュー。前編では、朝と勤務中のタイムスケジュールをご紹介しました。

後編では、帰宅後から就寝までのタイムスケジュールや、青木さんの育休取得についてお話を伺いました。

取材にご協力いただいた方

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江崎グリコ セールス本部 第二セールス部 広域第一ユニット 第2グループ 青木優大さん(29歳)

全国展開するコンビニエンスストアの乳業部門(アーモンド効果・カフェオーレ・プッチンプリン・BifiXヨーグルトなど)の営業を担当。保育園に通う2歳の女の子のパパ。奥さまとは職場結婚。

青木さんは江崎グリコの「Co育てMonth(こそだてマンス 正式制度名:Co育て出産時休暇)」を利用して、娘さんが生後3ヶ月のときに1ヶ月の育休を取得。「Co育てMonth」とは江崎グリコで2020年1月からスタートした、育児に専念する休暇を1ヶ月間取得することを必須化した制度。江崎グリコでは、家族の幸福と子どもの健やかな成長を応援する、社内外における子育て支援の取り組みとして「Co育てPROJECT」を進めていて、「Co育てMonth」もその一環として取り組んでいます。

夜のタイムスケジュール

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忙しい毎日の中でも子どもとふれあう時間を大切に

──娘さんのお迎えは奥さま担当で、青木さんは夕食までお仕事をされているようですね。今は週に3〜4日は在宅勤務と聞きましたが、奥さまと娘さんが帰宅後も最後まで仕事はできています? 娘さんがいると仕事に集中できないことは?

青木さん:仕事部屋があるので、終業時間まで集中して仕事できています。今のところ、娘が自分で仕事部屋のドアを開けることはできないので。でも時間の問題かもしれませんね(笑)。

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──夕食は3人でとられているのですね。夕食後は遊ぶ時間になっていますが、これも3人で?

青木さん:どちらも仕事が終わっているときは、3人で遊んでいます。共働きだと忙しくて、平日は特に娘との時間をなかなか取れませんが、短くても触れ合う時間を大切にしたくて。

──素敵ですね。娘さんの最近の遊びのブームなどはありますか?

青木さん:デュプロというブロックで遊んだり、野菜などを切って遊べるおままごとで遊んだりしています。

育休取得でフレキシブルな家事・育児分担ができるように

──お迎えから就寝までのタイムスケジュールも、朝と一緒でパパママどちらでも担当する家事育児が多いですね!

青木さん:そうですね。夕食担当は妻、洗濯物を畳むのは私という分担はなんとなくできていますが、基本的にはできる方がやっています。

――お風呂や寝かしつけは、パパだと娘さんが嫌がる……ということはない?

青木さん:どちらも基本的には私がやっています。嫌がられることはないですね。娘が「今日はパパ」「今日はママ」と選んだ方でやることもあります。

──娘さんが選べるような状態になっていることがすばらしい!

青木さん:育休中に娘との間に信頼関係ができたからかもしれません。私自身「娘の世話ができる」という自信がついたので、子どもに信頼されるようになったのかも。子どもって、そのあたりを敏感に感じとるので。

──確かに、子どもは自分の世話に慣れていない人が相手だと、その人の不安が伝わるのか、泣いてしまうことがありますよね。

男性用トイレにおむつ替えスペースがない!

──青木さんのような営業職の方が育休を1ヶ月も取るとなると、引き継ぎなどいろいろと大変だったんじゃないでしょうか?

青木さん:営業部門ではまだ取得者がほとんどいない状況での取得だったので、私自身はもちろん、周囲も不安な状態でした(苦笑)。育休中は携帯もパソコンも会社に返さなければならなかったので、本当に仕事ができない状態で……。 引き継ぎは、正直すごく大変でした。育休前1ヶ月は2ヶ月分働いた感じでしたね(笑)。

──携帯もパソコンも会社に返して……! 完全に育児に専念できる1ヶ月だったんですね。

青木さん::職場のサポートあってできたことだと思います。正直復帰するときは育休中のリカバリーが大変そうで不安だったんですが、チームメンバーが本当にカバーしてくれていて。復帰初日も定時に上がれるくらいでした(笑)。
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──すばらしいサポート体制ですね! 青木さん自身が育休を取得したからこそ気づいたことや、助かったものなどは?

青木さん:娘と2人で出かけたときに、男性用トイレにおむつ替えできるスペースがなくて困りました。便座の蓋を閉じてその上で替えたり、ベビーカーの上で替えたりしてました。

いいサービスだなと思うのは、ベビーフードや離乳食の通販専門サービス「カインデスト(the kindest)」です。以前は離乳食の定期便を利用していて、今はキッズフードを利用しているのですが、栄養バランスがよく考えられていて、大人が食べてもおいしいんです。一食でもこのメニューにしていると安心感があります。

あとは自社製品にはなりますが、液体ミルクの「アイクレオ 赤ちゃんミルク」や、「1歳からの幼児食」シリーズにはかなり助けられました。

──液体ミルク、本当に画期的な製品ですよね。場所も性別も選ばない。夜中も消毒なしであげられる。

青木さん:そうですね。娘と2人で出かけていても、液体ミルクならすぐにあげられました。男性の育児参加や、子育て負担の軽減のために、頼りになるアイテムだと思っています。

──ほかにパパとママで活用しているサービスは?

青木さん:「Time Tree」というカレンダー共有アプリが、夫婦お互いのスケジュールを知るのに役立っています。たとえば保育園の送迎は「私が送り・妻が迎え」という役割分担なのですが、会議などで担当が逆転するときにTime Treeへ書き込んで共有しています。
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青木さんが見せてくれた「Time Tree」のスクリーンショット。夫婦それぞれが予定を書き込むと、相手のスマホに通知が届くので見逃すことがないそう。
青木さん:あとは「Amazon Echo」を使用しているのですが、当初思っていたよりも便利で! 「アンパンマンの音楽をかけて」と話しかけて、娘の機嫌をとったりできます。

3人で出かけるときは、首都圏を中心とした自転車シェアサービス「ダイチャリ」で電動アシスト自転車をレンタルすることがあるのですが、初めて乗ったとき「電動自転車ってこんなに楽なのか……!」と驚きました。うちの自転車は電動ではないので、「2人目が生まれたら絶対電動を買おう」と妻と話しています(笑)。

育休取得から2年経っても「取ってよかった」

──青木さんは夫婦で本当に家事育児の連携がうまくいっている印象ですが、それはやっぱり、1ヶ月の育休取得の影響が大きい?

青木さん:そうですね。育休期間は1ヶ月でしたけど、2年経った今でも妻と2人で「取ってよかったね」と話すくらい、私たちにとって大きな1ヶ月でした。

──最後に、青木さんと同様に共働きで家事育児をがんばるパパや、育休取得に悩んでいるパパにメッセージをお願いします。

青木さん:娘の予防接種があった日、妻がとても疲れていたのが印象的だったのですが、育休中にその理由を身をもって知りました。娘を予防接種に連れて行ったとき、「こんなに書類書かなきゃいけないんだ」「ここベビーカーじゃ通れないんだ」とか、それまではみえなかった育児の大変さが分かって……。さらに予防接種で泣く娘の世話もしなければならないので、これは疲れるな、と。育休中は1日が本当にあっという間でした。

私の場合、育休は必須だったから取得した部分も大きいし、取得する前は正直不安でした。でも今は取得して本当によかったと思います。
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仕事を1ヶ月休むのは長いと思うかもしれませんが、家庭はこの先もずっと続くものなので……。1週間くらいだと家事・育児に慣れ始めたころに終わってしまうので、長めに育休が取れる環境であれば、ぜひしっかり取ってもらいたいなと思います。

──1ヶ月育休を取得するのが難しくても、青木さんのように子どもの予防接種などをパパが一から担当することで、見えない家事・育児に気づくきっかけにもなりますよね。男性の育休取得については、青木さんご夫婦の素敵な関係性を知って、改めてもっと普及してほしいと感じました。青木さん、この度はありがとうございました!

まとめ

今回青木さんからお話を伺って印象的だったのが、家事・育児を“自分ごと化”している点でした。特に娘さんの離乳食に関するお話を伺っていたとき、「このサービスは本当によかったです」と、“ママから聞いた話”ではなく、パパ自身が利用しているからこその感想を聞けて、「本当にパパとママが平等に、一緒に子育てをしているのだな」と改めて感じました。

共働きだと、夫婦間でしっかり家事・育児を分担している家庭も多いと思います。でも、ときには「これはパパ」「これはママ」という枠をなくすことが、夫婦の連携プレーをよりスムーズにするきっかけになるのかもしれません。

(取材・文:木村真由美、撮影:佐藤登志雄、イラスト:まちこ @achiachiachico

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