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2021年07月29日 18:00 更新

離乳食で全卵を使うときに覚えておきたいこと!全卵を使ったおすすめレシピや注意点も【管理栄養士監修】

アレルギーのリスクがある卵は、離乳食作りの中でもちょっと難しさを感じがちな食材の一つでしょう。卵黄(卵の黄身)のみから始めたら、いつから卵白(白身)を含めた全卵を食べられるようになるのでしょうか。今回は卵の全般的な特徴をしっかり掴んで、離乳食づくりにも生かしやすいように情報をまとめています。

離乳食で全卵はいつから大丈夫?

卵はアレルギーの可能性もあるので、離乳食ではどう進めていけばいいか悩んでしまいますね。赤ちゃんの体調を気にかけながら与えることはもちろんですが、卵の進め方には目安がありますので、ポイントをしっかり知っておきましょう。

離乳初期(生後5〜6ヶ月)は卵黄のみ

卵黄のみ

赤ちゃんに多い卵アレルギーですが、その多くは卵白によるものです。

最初から卵白をあげるのではなく、卵黄のみから始めていくといいでしょう。離乳食はだいたい5〜6ヶ月ごろから始めますが、卵黄はほかのものをいろいろ食べられたあと、6ヶ月ごろからが良いでしょう。

卵黄の与え方は、固ゆでした卵の卵黄だけを裏ごしをしてあげましょう。最初はアレルギーなどが心配なので、医療機関の開いている時間にごく少量から食べさせていきます。

卵白を含めた全卵は離乳中期(生後7〜8ヶ月)から

固茹で卵

卵黄を問題なく食べることができ、赤ちゃんが慣れた段階で少量ずつ卵白を混ぜていくようにしましょう。卵白も固ゆで卵が一番アレルゲンの抗原量が少ないので、黄身といっしょに固ゆで卵の白身からあげるのが安心です。

固ゆで卵を準備し続けるのも大変なので、ゆで卵より抗原量は多くなりますが、しっかり焼いた炒り卵なども少しずつ始められるといいでしょう。

卵黄1個分が食べられたら「全卵3分の1」を1回の量の目安に

離乳中期(7〜8ヶ月)ごろでは、卵黄であれば固ゆでのもので1個分くらいが食べられたら、全卵を少しずつはじめ、全卵1/3個分を1回の目安量として食べていきましょう。いずれもしっかり加熱することが必須になります。

その後、離乳後期(9〜11ヶ月)ごろになったら全卵1/2個、離乳完了期(1歳〜1歳半)ごろで1/2~2/3個程度は食べられるようになるので、ステップアップの目安として覚えておいてもよいかもしれませんね。

離乳期の卵の進め方について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎離乳食の卵の進め方!量は?卵白はいつから?

離乳食で全卵を使う際のポイント

全卵を与えるタイミングは、離乳食の中期ごろであることはおわかりいただけましたね。
では次に、卵を購入するときや赤ちゃんへ卵料理を与える際のポイントを確認していきましょう。

新鮮な卵を選びましょう

新鮮な卵

赤ちゃんにあげる卵は、なるべく新鮮だと安心です。

卵が新鮮なのかは、割ってみるとわかります。鮮度の良い卵は卵黄がこんもり盛り上がり、指でつまむことができます。反対に、卵黄が平べったく卵白が大きく広がるものは鮮度の落ちた卵になります。卵は購入する時に殻にひび割れがないものを選びましょう。

なお、卵はパックのまま、卵のとがったほうを下にして冷蔵室の奥へいれるようにします。こうすることで、扉の開け閉めによる冷蔵庫内の温度差の影響を受けにくくなります。

中まで加熱処理をしましょう

離乳食では、卵はしっかりと中まで火が通るように加熱しましょう。

卵黄と卵白は固まる温度が違います。卵白が固まる温度は80℃、卵黄が固まる温度は75℃なので、卵黄が固まったと思っても、卵白は加熱が不十分のこともあります。それを利用しているのが半熟卵です。

大人が食べるには美味しいですが、赤ちゃんは卵白のアレルギーの可能性もあるため、半熟卵のようなものは避け、しっかり加熱して食べるようにしましょう。

ゆで卵の保存は裏ごしして冷凍で

ゆで卵大量

茹で卵にした場合は日持ちがしませんので、冷凍がいいでしょう。

卵黄のみなら冷凍可能なので、卵黄を冷凍しておくといいですね。卵白は冷凍すると食感が変わってしまうので、裏ごしして細かくすれば冷凍できます。

冷凍したものは1週間を目安に食べきるようにしましょう。

アレルギーには細心の注意を

鶏卵、牛乳、小麦は3大アレルゲンと呼ばれ、乳児期にアレルギーの多い食材です。

とはいえ、それらの食材を避けてしまうと、大切なタンパク質がとれなくなってしまいますので、必要以上に怖がりすぎず、食べたあとに反応があれば、小児科などで診てもらうということを考えつつ、少しずつ進めていきましょう。

卵アレルギーってどんなもの?

離乳食で初めて卵を与える時は、やっぱりアレルギーのことが心配でお母さんたちはとても緊張しますよね。できればアレルギーを起こしたくないからと、ずっと与えないままにしてしまおうかと考えてしまうこともあるでしょう。しかし一方で、卵はタンパク質やビタミンミネラルなどを含む食材なので、適切な時期に食べるようにしましょう。

乳児で最も多いのが卵アレルギー

鶏卵は3大アレルゲンともいわれ、食物アレルギーを引き起こしやすい食品に該当します。0歳でアレルギー発症をした人のうち、約半数は鶏卵です。

しかし、遅らせたからといってアレルギーになりにくくなるということはありませんので、肌ケアなどをしながら食べさせていけるといいでしょう。心配であれば小児科に相談してみるのもいいですね。

卵白がアレルギーを起こしやすい

卵白に卵白アルブミン・オボムコイドというアレルゲン物質が含まれているため、摂取することによって食物アレルギーを引き起こす可能性があります。長時間の加熱によってアレルゲンの抗原が弱まるため、20分ほど茹でた固ゆで卵から始めると安心です。固ゆで卵の卵白にある程度慣れたら、しっかり加熱した別の調理方法を試してみるのもいいですね。

また、1歳を過ぎるまで卵白は中まで完全に火が通っているか確認がしやすい「茹でる」「焼く」調理が基本となります。

卵アレルギーの主な症状

小児科で診てもらう赤ちゃん

卵アレルギーの症状は卵黄と卵白で異なります

卵黄は主に消化管症状(嘔吐など)であらわれ、卵白は主に皮膚症状(湿疹やじんましんなど)としてあらわれます。皮膚症状は、口のまわりにぽつぽつ出るものから全身まっ赤にはれあがるものまで、食べ物の種類・量や赤ちゃんのアレルギーの程度によってさまざまです。卵はなるべく医療機関がお休みでない時にあげるほうがいいですね。

また、今まで大丈夫であっても、体調の悪いときに食べると症状が出ることもありますので、赤ちゃんの変化を日頃からよく観察しておくことも大事なポイントになります。

離乳食の全卵を使ったおすすめレシピ

全卵を使うレシピは前述のとおりアレルギーが心配になりますよね。赤ちゃんの安全を一番に優先して、1歳以降に使えるレシピを載せています。

基本の卵焼き<離乳後期〜>

卵焼き

■材料(作りやすい分量)
・卵 1個
・だし汁 大さじ1
・しょうゆ 数滴
・油 小さじ1/2

■作り方
① 卵を溶きほぐし、だし汁を加え、しょうゆ数滴をいれて混ぜる
② 卵焼き器をよく熱して油をひき、卵液の1/3の量を流し入れて弱火で薄焼き卵を焼いて、くるくると丸める
③ 残りの卵液を流し入れてもう一度薄焼き卵にし、くるくると巻いてふんわりと焼き上げる。これを2回繰り返す。焼きあがったら食べやすい大きさに切り分ける

全卵そぼろ<離乳後期〜>

炒り卵

■材料(作りやすい分量)
・卵 1個
・油 小さじ1/2
■作り方
① 卵はよく溶きほぐしておく
② フライパンをよく熱して油をひき、卵液をいっきに流し入れかき混ぜる
③ 火が通る面積が多くなるようにそぼろ状にして十分に加熱する

全卵を使ったかぼちゃプリン<離乳完了期〜>

かぼちゃプリン

■材料(耐熱容器3~4個分)
・皮つき冷凍かぼちゃ(カットタイプ)  120g
・卵 1個
・牛乳 120g
・砂糖 小さじ1/2

■作り方
① かぼちゃはラップをして500Wの電子レンジで加熱をする。竹串がスッと通るくらいになったら熱いうちに黄色い部分だけをすくいとりスプーンで手早く潰す
② 卵を溶きほぐし、①に加える
③ 牛乳を電子レンジ(500W)で人肌くらいに温め②に加える
④ ③の生地を別のボウルに漉して滑らかににし、型に注いでアルミホイルで蓋をする
⑤ フライパンに布巾を敷き、④をのせてフライパンの底から2cm程度の高さまで湯を注ぎ、蓋をして弱火で15分加熱し、その後火を消してそのまま10分置く

まとめ

卵を割る

卵そのものは赤ちゃんが安全に食べられるようになるとレパートリーを広げやすくとても優秀な食材です。赤ちゃんの元気な体作りに栄養豊富な卵が活躍できるよう、今回ご紹介したポイントをしっかり押さえて離乳食づくりを進めてみてくださいね。

(文:関水芳江 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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