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【医師監修】子供の熱が下がらない! 原因となる病気と対処法

【医師監修】子供の熱が下がらない! 原因となる病気と対処法

子供が発熱する原因にはどのような病気があるのでしょうか。またそれに対する対処法や、熱が下がらない場合のケアはどうしたらよいのでしょうか。今回は子供を病院へ連れて行くタイミングほか、便利な「子供医療電話相談」もお伝えします。


この記事の監修ドクター
なごみクリニック院長 武井智昭先生
慶応義塾大学医学部卒業後、平塚共済病院小児科医長を経てなごみクリニック院長。日本小児科学会専門医、指導医。臨床研修医指導医。インフェクションコントロールドクター(日本小児感染症学会)。現在、0歳から100歳までの「1世紀」を診療する医師として、家庭医として地域医療に従事しながら、メディア等での執筆・監修を多方面で行っている。

子供の熱が下がらないのはなぜ?

子供が熱を出していると、とても心配になってしまいますよね。しかし熱そのものは「防御反応」なので、決して悪いものではありません。ただし、熱が数日下がらないときには注意が必要です。

発熱は「体の防御反応」

子供や赤ちゃんに限らず、発熱は人体が持っている「防御反応」です。外部から侵入した病原体(ウイルスや細菌)の増殖を抑えるための体の働きです。つまり、軽い発熱で、水分がとれている、元気であるなど、生活に支障がなく特に苦しんでいないようならば、むやみに解熱剤を与える必要はありません。

高熱でつらそうな様子であれば、解熱剤で一時的に熱を下げることもよいでしょう。ただし、生後6ヶ月未満の乳児の場合、体温を下げすぎてしまう可能性があるため、解熱剤は使用しないようにしましょう。乳幼児の解熱剤の使用については、薬の種類や量を医師に相談するなど適切に対処することをおすすめします。

【注意】
熱中症による発熱は、ウイルスや細菌の増殖を抑えるための防御反応ではなく、脳の視床下部などの体温調整機能が働かなくなることなどによって体温が下げられなくなっている状態で起こります。放置すると危険ですので、涼しい場所へ移動し速やかに体を冷やしたり、風をあて、嘔吐などをしない場合には水分や経口補水液を与えるといった対処が必要になります。同時に病院を受診する準備をし、早めに医師に診てもらうようにしましょう。

発熱の原因となる病気&対処法

ここでは、発熱の原因となる病気の一部を紹介します。これらの病気を見分けるコツは、発熱そのものよりも、それと同時に出てくる他の症状を見逃さないことです。ただし、自分自身で発熱の原因を特定することは難しいもの。正しい原因を調べるために、自己判断はせず、病院を受診して医師に診てもらいましょう。なお、あらかじめ予防接種しておけば防げる病気も多いので、早めに受けさせるようにしてください。

水疱瘡(みずぼうそう)

水疱瘡は赤みを伴う発疹(ほっしん)から、皮膚の盛り上がりが見られ、水疱(水ぶくれ)の皮膚症状が発生する病気です。はじめは体の中心部にポツポツと発疹が出て、最終的に全身へと広がります。ただし、約1週間ほど経ってすべての発疹がかさぶたに変わったら、登園(登校)できます。乳児では発熱することは少ないですが、年齢が上がるにつれて発熱をする確率が上がり、38℃前後の熱が2~3日間続くケースが多いです。

【対処法・注意点】
水疱はかゆみを伴いますが、掻くと跡が残りやすくなったり、新たな皮膚トラブルへつながる可能性があります。そのため、子供の爪は常に短めにして、熱が下がった場合はシャワーで体を洗い、清潔にしてあげましょう。水疱瘡の予防として、1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までを対象として、水痘ワクチンの定期接種が受けられます。3ヶ月以上の間隔をあけて2回接種を行います。

インフルエンザ

38℃以上の発熱のほか、筋肉痛、関節痛、頭痛、鼻水、喉の痛みなども伴います。乳幼児では、中耳炎などを併発するケースも。くしゃみや咳つばなどで飛沫感染しますから、流行期には特に注意が必要です。

【対処法・注意点】
インフルエンザのワクチンを接種することで、感染した際の重症化を防ぐことが期待でき、またある程度発病率を下げることができますが、予防接種をしていてもインフルエンザにかかる事はあります。乳幼児にとっては、「外出後の手洗い」を徹底させてください。なお、乳幼児の登園再開の目安としては、①発症した後5日経過していること、②熱が下がった後、3日経過していること、①②の両方となります。

溶連菌感染症

溶連菌という細菌の感染によって、40℃近い高熱が出るケースもあります。細菌は喉に感染しますので、喉の痛みや腫れを伴うことが多いです。

【対処法・注意点】
症状が高熱からスタートしますが、抗菌薬の服用によって症状を和らげることが期待できます。抗菌薬を飲んで24時間経過して登園できるようになります。

麻疹(はしか)

38℃前後の発熱が初期症状で、2~4日間続きます。乳幼児では下痢、腹痛を伴うことも。一旦熱は下がるものの、再び高熱が出ると同時に発疹がみられます。また、咳や鼻水などの症状が強く、肺炎・脳症などのリスクがあります。

【対処法・注意点】
麻疹には予防接種を受けさせることが、有効な対策となります。1歳児、小学校入学前1年間の幼児は、麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)の定期接種の対象となるので、その機会に受けましょう。登園の目安は解熱後3日を経過してからとなります。

咽頭結膜熱

別名、プール熱とも呼ばれるアデノウイルスによる感染症です。感染力が大変高いので、集団感染も珍しくありません。39℃前後の発熱ほか、喉の腫れ、結膜炎などが数日続きます。

【対処法・注意点】
病院に連れて行き、医師のアドバイスに従って安静にさせましょう。また、脱水症状を防ぐために、水分補給はしっかり行ってください。登園の目安は発熱、咽頭炎、結膜炎などの症状がなくなって2日間経過してからとなります。

おたふくかぜ

正式には、「流行性耳下腺炎」と呼ばれるムンプスウイルスによる感染症です。耳下腺の腫れに伴って、顔の片側もしくは両側が腫れて膨れ上がったようになります。その際、数日間発熱を伴います。

【対処法・注意点】
おたふくかぜは合併症が怖い病気です。髄膜炎ほか、難聴の原因になることがあるため、合併症の予防におたふくかぜワクチンが任意の予防接種として使用されています。登園の目安は、腫れが出た時から5日たった後で、体調がよくなってからとなります。

風疹

発熱や発しん、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。子供では比較的軽く、まれに脳炎などの合併症が、2,000~5,000人に1人程度の割合で発生することも。

【対処法・注意点】
風疹は、妊娠20週頃までの妊婦さんがかかることで、胎児の難聴や心疾患などのリスクを高めると考えられています。もしもお子さんが風疹にかかっているときに、ママが妊娠中である場合は「一時的にお子さんを実家に預ける」などしたほうが安全かもしれません。また、風疹の予防としては、麻疹ワクチンと混合した麻疹風疹混合ワクチンが定期接種となっています。登園の目安としては、発疹が消えていることとなります。

感染性胃腸炎

ロタウイルス、ノロウイルスなどのウイルス感染により、主に嘔吐、下痢を繰り返す感染症です。37~38℃の発熱が見られることも。毎年秋から冬にかけて流行の傾向があります。

【対処法・注意点】下痢や嘔吐に伴う脱水症状が出ることがあるため、早めに医療機関を受診しましょう。ロタウイルスによる感染症は、予防接種ワクチンがあり、任意接種となっています。感染した場合は、下痢・嘔吐の症状がなくなり体調が良くなれば登園できます。

突発性発疹

38℃以上の発熱が突然起こり、2~4日間続き、解熱と同時に発疹が出る病気です。生後6ヶ月~1歳までの赤ちゃんに多い病気で、2歳までにほとんどの幼児が感染します。また、このウイルスの感染の場合、熱性けいれんがみられることがあります。

【対処法・注意点】
熱が続くほか、様子がおかしければ、病院へ連れて行ってください。特別な治療法はなく、対症療法が行われます。熱が下がり、機嫌や体調が良ければ登園できます。

ヘルパンギーナ

乳幼児に多い病気で、突然38~40℃の発熱があり、1~3日間続きます。喉の痛みで食事の摂取や、水分摂取もできなくなることがあるため、飲み込みやすい食べ物を与えてください。

【対処法・注意点】
ヘルパンギーナは夏風邪の一種で、対症療法的なケアが中心となります。おうちで安静にさせれば良いですが、3日以上高熱が続いたり、食欲や元気が回復しないときには、もう一度病院へ連れて行ってあげましょう。

ご家庭でできる子供の熱への備え

子供が熱を出したときに、事前に準備しておくと良いものを以下にご紹介します。

・乳幼児専用の体温計
乳幼児のお子さんがいらっしゃる場合には、専用の体温計を用意したほうが良いでしょう。

・脱水症予防の飲み物
発熱に伴って汗をかくので、水分はこまめに補給してあげましょう。経口補水液以外にも麦茶やイオン水などもいいでしょう。

・加湿器
ウイルスに対する効果が期待できます。風邪などで鼻水が出ている場合には、息苦しさの解消にも役立ちます。

・保冷剤
脇の下や首の周りなどを冷やすといいでしょう。また、ジェル状の冷却シートをの場合は、寝ている間にはがれて口や鼻をふさいでしまう恐れがありますので、十分に注意して使用しましょう。

・解熱剤
大人用の解熱鎮痛剤(特にアスピリン系統など)はお子さんに悪影響を与える可能性があるため、必ず子供用の解熱剤か、小児科医師から処方された解熱剤を飲ませてください。解熱剤の使用は、ベッドから動かない、水分がとれないなど生活に支障がある際に検討するのがよいでしょう。

子供の熱で「病院へ行くべき目安」

最後に、どんな場合に病院へ行くべきかをチェックします。自分で判断が難しい時は、最後にご紹介する「子供医療電話相談」を利用しましょう。

こんな時は病院へ【チェックリスト】

以下のいずれかに当てはまる発熱であれば、至急病院へ連れて行ったほうが良いでしょう。

・生後3ヶ月未満である
・38℃以上の急な発熱
・2~3日経っても熱が下がらない
・元気がない、苦しそう、ぐったりしている
・嘔吐や下痢が続く
・呼吸がおかしい、顔色が悪い
・意識がもうろうとしている、反応がおかしい
・けいれんが5分以上とまらない

「子供医療電話相談」「こどもの救急」を利用しましょう

小さな子供がいる家庭では、子供の急な発熱・嘔吐・ケガの場合、どのように対処したらよいか判断に困る場面もあるはずです。そんな時は「#8000」にダイヤルして「子供医療電話相談」を利用しましょう。

「子供医療電話相談」は、厚生労働省の「子供医療電話相談(#8000)」という事業。子供の状態やケア、病院へ連れて行ったほうがよいかどうかなどを、小児科医師や看護師に電話で相談することができます。日本全国、47都道府県のどこからかける場合も「#8000」のダイヤルでOKで、深夜から翌朝まで対応しているケースもあります(各都道府県や、曜日によって、実施時間帯が異なります)。2017年3月時点では、携帯電話からもかけられますので、お子さんの発熱などで心配な点があれば利用しましょう。

「子供医療電話相談事業(#8000)について」厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html

また、「こどもの救急」というHPも症状別に緊急度の高い徴候があるかチェックでき、救急受診をするべきかどうかがわかります。

「こどもの救急」公益社団法人 日本小児科学会
http://kodomo-qq.jp/index.php

まとめ

子供の熱が下がらないと、さまざまな病気の可能性を考えるなど不安になってしまいます。子供の様子が苦しそうだったり、不安や異常を感じたときには病院へ連れて行きましょう。「子供医療電話相談」「こどもの救急」なども利用しつつ、子供の健康を守ってあげてくださいね。

参考文献
厚生労働省「インフルエンザQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/yobo_kansensho_20180726.pdf
国立感染症研究所「感染症情報」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases.html
東京医科大学茨城医療センター 小児科「熱がでた時」
http://ksm.tokyo-med.ac.jp/Page/Shinryou/Yokuaru/shounika
国民生活センター 「熱さまし用ジェル状冷却シートの使用に注意-生後4ヶ月の男児が重篤な窒息事故-」
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20040729.html

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.20)

※記事の修正を行いました(2019.06.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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