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2021年01月13日 12:56 更新

【助産師解説】イラストでわかる!自宅でできるベビーマッサージのやり方

正しいベビーマッサージの方法を、わかりやすいイラストとともにご紹介!赤ちゃんのさまざまな発達を促すといわれるベビーマッサージ。脚・お腹・胸・腕・背中・お尻の部位別に詳しく解説しているので、この機会にぜひ挑戦してみてください。

ベビーマッサージってどんなもの?

赤ちゃんにベビーマッサージをするママ
Lazy dummy

赤ちゃんの体に直接触れながらやさしくマッサージしてあげるベビーマッサージ。さまざまな効果やメリットが研究により示唆されていることから、多くの医療機関や自治体、子育て支援団体などで推奨されており、教室も開かれています。では、ベビーマッサージには、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか?行う時期など、基本的な情報についてお伝えします。

優しくスキンシップ

ベビーマッサージの一番のメリットは、親と子のスキンシップタイムを持てるという点でしょう。スキンシップは赤ちゃんの情緒を安定させ、さまざまな発達を促すサポートにもなることが数々の研究により明らかになっています。これは、親が赤ちゃんに直接やさしく触れることで、言葉だけでなく皮膚の感触や心でもコミュニケーションがとれるためです。やさしい触れ合いは双方に安心感とやすらぎを与え、愛されていることを感じ取る術にもなります。

具体的に、ベビーマッサージによるスキンシップには、主に以下のような効果が期待できるとの報告があります。

・赤ちゃんとの愛着形成に役立つ。
・赤ちゃんの健全な成長や発達をサポートする。
・循環を促す。
・消化機能を助ける。
・免疫システムの強化をサポートする。
・筋肉のリラクゼーションと関節の柔軟性を保つ。

必ず行わなければいけないことでは決してありませんが、このように正しいベビーマッサージには多くのメリットが期待できるようなので、赤ちゃんの機嫌が良いときや時間に余裕があるときに気軽にとり入れてみるのもいいかもしれません。

赤ちゃんを体中観察しよう

また、定期的にベビーマッサージを行えば、赤ちゃんの体をくまなく観察することができるので、不調や気になることがあったときにすぐに気づきやすいというメリットもあります。目視での観察はもちろん、手の感覚でわかること(普段の体温や体の感触、形など)もあるので、さまざまな面でいつもと違うかも?ということに敏感になりやすいです。ベビーマッサージをする際に、意識的に観察しておくと、より良いでしょう。

ママもリラックス

ベビーマッサージは赤ちゃんだけでなく、行う大人にも幸福感とやすらぎを与えてくれます。赤ちゃんの温かい肌と直接触れ合う行為なので、そのスキンシップ効果を大人の方も得られるのは当然のことと言えるでしょう。お互いに見つめ、笑いあいながら行うベビーマッサージは、親にとってもリラックスできるやすらぎの時間。やさしく語りかけながら行えば、より楽しみながらできるでしょう。

いつからできる?

では、ベビーマッサージはいつから行えるのでしょうか?
抱きしめる、なでる、触れるのは、生まれたばかりの赤ちゃんにも行うことができます。生まれた直後からスキンシップはたくさんとってください。

本格的なマッサージは、赤ちゃんが触れられることに慣れた生後6~8週頃からがすすめられます。筋肉も徐々に発達してきているので、なでる以外に、もむようなマッサージを行うこともできるようになってきます。ただし、自己流で行うのは危険なので、必ず専門家が教える正しい方法で行うよう心がけてください。

ベビーマッサージの方法

それでは、具体的なベビーマッサージの方法について、脚・お腹・胸・腕・背中・お尻の部位別にご紹介していきます。コツさえつかめば誰でもできるマッサージなので、ぜひ少しずつチャレンジしてみてください。

準備するもの

マッサージを始める前に、以下のものを準備しましょう。

・バスタオル

赤ちゃんを寝かしたり、たれたオイルを拭きとる際に使います。

・植物性オイル

手と肌がこすれることによる摩擦を避けるために、マッサージをする際はオイルを使います。オイルは、刺激の少ない植物性を使用しましょう。主な植物性オイルには、オリーブオイル、ホホバオイル、スイートアーモンドオイル、カレンドゥラオイルなどがあります。ベビーマッサージ専用に市販されているものもあるので、わからないときはこちらが便利でしょう。
刺激が少ないとはいえ、場合によってはかぶれたりトラブルが起こる可能性もあります。必ずパッチテストを行ったうえで使用しましょう。

・ママが座るためのクッション

腰への負担を減らし、疲れを軽減するためにも、やわらかいクッションなどを用意しましょう。

この他、必要に応じて防水シーツやビニールを準備してください。
終わったあとのオイルの対処法ですが、肌になじんだオイルは拭きとる必要はありません。べたつきが気になる場合は、タオルやティッシュなどで軽くおさえながら拭いてあげましょう。

やり方

マッサージをする部位の順番は特に決まっていませんが、最初はオムツ交換で触れられることに慣れている脚から始めると嫌がりにくいです。また、無言で急に始めるのではなく、「マッサージしようね」「始めるよ」などと声をかけ、赤ちゃんの機嫌が良いことを確認したうえで始めていきましょう。オイルは適量を手にとり、ママの手のひらで少し温めてから始めると、ひんやりしなくて赤ちゃんがびっくりしにくいです。

<脚部のマッサージ>

脚部のマベビーマッサージ方法

(1)赤ちゃんの足を、脚の付け根から足首まで、左右の手で交互になでおろします。<左右>
(2)左手で足首を持ち、右手で太ももをもむようにクルクルとマッサージします。<左右>
(3)ふくらはぎの裏を、左右の手で交互になでおろします。<左右>
脚部のマベビーマッサージ方法の説明2
(4)(1)同様に、脚の付け根から足首までマッサージします。<左右>
(5)足首を持ち、お腹に近づけてあぐらのような形を作り、太ももの裏をマッサージします。<左右>
(6)足の裏を押して脚をできるだけ伸ばし、ふくらはぎをまっすぐなでおろします。<左右>
脚部のマベビーマッサージ方法の説明3
(7)両手で両方の太ももを持って脚を上げ、お腹につけるようにして左右にやさしくゆらします。
(8)再度1と同様に脚の付け根から足首までマッサージします。<左右>
(9)最後に、両手で腰から両足の先までなでおろします。

<腹部のマッサージ>

腹部のベビーマッサージ画像
(1)赤ちゃんの足側に親指が来るようにし、力を抜いてお腹の真ん中に手を置きます。この状態で、赤ちゃんの体を左右にやさしくゆらします。
(2)次に、赤ちゃんの体に沿ってますぐに手を置き、手の重みだけでおへそ周りを時計回りにクルクルとマッサージします。

<胸部~腕のマッサージ>

腹部~腕のベビーマッサージ説明
(1)両手で、胸から肩にかけて外回りに回しながら、ハートを描くようにマッサージします。
(2)胸ー肩ー腕に沿って、両手でなでおろします。
(3)(2)と同様に胸ー肩ー腕に沿ってマッサージしながら、赤ちゃんの両腕を真横に広げます(できるようであれば、マッサージしながらバンザイもさせてみましょう)。最後に、両手で肩から足にかけてなでおろします。

<背中のマッサージ>

背中のベビーマッサージ説明
(1)赤ちゃんをうつぶせに寝かします。このとき、顔は横に向けるようにしましょう。オイルをたっぷりと手のひらにとり、肩から腰にかけて両手でなでおろします。
(2)手をカップのように丸め、横にして背中に置いて、手の重みだけでトントントンと早いテンポで上から下に軽く叩いていきます。
(3)肩の前側から後ろ側に広げながら、両手で腕をなでおろします。

<お尻・太もものマッサージ、おわりのマッサージ>

お尻・太もものベビーマッサージ説明画像
(1)仙骨(腰とお尻の間にある三角の骨)部分を中心に、片手でやさしく円を描くようにマッサージします。
(2)片足のかかとをお尻につけ、太ももの全体をマッサージし、最後に脚を伸ばしてなでおろします。<左右>
おわりに:赤ちゃんをうつぶせにしたまま両腕を広げ、肩ー腕ー指先にかけて3~4回なでます。次に、肩ー背中ーお尻ー足先にかけて、3~4回ゆっくりなでおろして終了です。

ベビーマッサージをするときの注意点

ベビーマッサージは正しい方法で行わないと赤ちゃんの健康を害する恐れもあります。以下の注意点を守り、安全に行うよう努めましょう。

マッサージのタイミング

マッサージは授乳後や食後すぐは控え、赤ちゃんの機嫌が良いときに行いましょう。時間は1日1回、15~20分が目安です。ただし、赤ちゃんの機嫌などもふまえ、部位別に1日何回かに分けて、1回の時間を短くしてもかまいません。回数や長さに決まりはないので、赤ちゃんが気持ちよくできるよう調整してあげましょう。

また、嫌がったら無理をせずやめることも大切です。実践することよりも、赤ちゃんとママがリラックスして楽しく行うことに意義があるので、決して強要はしないようにしてください。

こんな時はNG!

以下のような状態のときは、ベビーマッサージを中止しましょう。

・発熱時。
・予防接種を受けてから24時間以内。
・赤ちゃんの機嫌が悪い・体調が悪いとき。
・皮膚の状態が悪いとき・あざや腫れがあるとき。

この他、赤ちゃんの様子がいつもと違うように感じるなど、気になる点がある場合もやめておきましょう。ベビーマッサージは、赤ちゃんと親の双方が気持ちよく行えることがもっとも大切です。無理をしてまで行わなければいけないことではないので、赤ちゃんの様子をしっかり観察し、負担のないよう行っていきましょう。

まとめ

ベビーマッサージは必ず行わなくてはいけないものではなく、たとえ始めたとしても毎日、定期的に行わなければいけないわけでもありません。コミュニケーションやスキンシップをとる方法のひとつとして、赤ちゃんの機嫌が良いときにやってみる、という気持ちで気軽にとり入れてみるといいでしょう。親と子のスキンシップ手段は、なにもマッサージに限ったことではありません。たくさんスキンシップをとることはとても良いことなので、マッサージにとらわれず、たくさん触れてあげながら赤ちゃんの様子を常によく観察してあげましょう。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、イラスト:杉井亜希、監修・解説:坂田陽子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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