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2024年02月19日 09:01 更新

共働き夫婦の1日スケジュール MSD株式会社 藤井亜美さんの場合【夜編】

共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。朝起きてから寝るまで分刻みのス ケジュールで息つく暇もないのでは? そこで、夫婦の家事分担や子育ての工夫など、忙し い毎日を乗り切るコツを実践しているママに、お話を聞きました。

共働き夫婦の1日スケジュールとは?

家事・育児・仕事と、目まぐるしい日々を送る共働き夫婦。毎日繰り広げられる分刻みのスケジュールのなか、「こんなに忙しいのは自分たちだけ?」「みんなは毎日をどうのりきっているの?」と疑問を持つママやパパに向けて、共働き夫婦の1日のタイムスケジュールをうかがうこの企画。

第22回となる今回は、製薬会社のMSD株式会社でアソシエイトディレクターとして働くママのタイムスケジュールを前編・後編にわたりインタビュー。後編では夜のタイムスケジュールをうかがいました。

取材にご協力いただいた方

MSD株式会社 生産本部 テクニカルオペレーション部 アソシエイトディレクター 藤井亜美さん(37歳)

医療用医薬品とワクチンを届けるMSDの生産本部に所属。普段は薬を製造する埼玉県熊谷市にある妻沼(めぬま)工場に勤務。新しい医薬品やワクチンを届けるにあたり、製造時期、手段などを調整し、全体像を管理している。プライベートでは9歳の女の子のママ。

夜のタイムスケジュール

裁量労働制をうまく活用して仕事と育児を両立!

――学童はお迎えに行くのですね。

藤井さん 娘が利用している学童は、対面の児童受け渡しが必須です。私が在宅勤務をしているときは学童へ行かず通常下校にして、自分で家に帰ってきてもらいます。バイオリンを週1回と学習塾に週2回通っているので、習いごとがある日は、私が早めに職場から帰宅して、自宅で仕事をすることも。
会社の理解もあって「今日は子どもの習いごとの日なので早く帰ります」と言って抜けても問題ありません。上司も同僚も、みんな同じようにフレキシブルに働いているので、子育てに限らず、いろいろな状況を認め合って、ちゃんと制度が機能していることが、とてもありがたいです。

――育児のみならず介護や自身の用事などと仕事を両立できる環境ですね。

藤井さん メリハリもつけやすいです。裁量労働制で、働く時間や場所も自由なので、仕事とプライベートをわけるというよりも、うまく融合させながらバランスをとれていますね。帰宅後は、私が仕事をしている横で娘は宿題をして、一緒に集中する時間に。18時には仕事と宿題は終わりにして、一緒に夕食の準備をします。

――夕飯は娘さんと準備されているのですね。

藤井さん 平日はミールキットを週3回ほど利用していて、今日は娘とゆっくり料理ができそう!という日は、レシピを見ながら分担して作ります。キットを使っていますが、できることならさらに時短したい!という気持ちがあって、レシピ通りに作ると逆に時間がかかりそうだなと思うものがあれば、作る手順を変えたり、
日によって調整具合を決めます。3品あるけれど、今日全部はできないから、副菜はあきらめてみそ汁を豪華にしよう!とか。

――工夫されていますね!

藤井さん そうすると、一品は減るけど、野菜はとれるので罪悪感少なめの効率化ということにしています(笑)。でも、失敗することもあって。昨日はみそ汁の具がなかったのでミールキットの副菜から、海藻セットを使いました。そうしたら、寒天が入っていたみたいで、とろみのあるみそ汁ができました(笑)。そういうこともあります!

自分自身のやりたいことや勉強も大切にする

――夜のタイムスケジュールが予定と変わるようなことはありませんか。

藤井さん 娘も早寝早起き派とはいえ、エネルギーが余っているのか寝るのが遅くなってきたように感じるときもあります。今は21時ごろに寝ていますが、自分の夜時間を確保するためには、娘の就寝時間を守るのが肝ですね。早く寝てればもらえるほど、元気な時間に自分のことや、ほかのことができるので。

――自分だけの夜時間は、読書や勉強を?

藤井さん 社内のブッククラブに参加しているので本を読むことが多いですね。それは、みんなで同じ本を読んで、学び合いをするサークルのようなものです。毎週木曜日にみんなで集まって読むための課題があるので、楽しく学べています。社員同士の自主的な学びの場があると励みになって、目的を持って自分の時間を作ろうと思えるのがいいですね。
子どもが小さく、夫が海外赴任していたときは、今よりさらに活動に集中していました。仕事という立場と、母としての立場とは別で、自分自身の活動があるとリフレッシュできますよね。

――気持ちの健康も大切ですよね。

藤井さん 子どもに寄り添いすぎず、切り替えるものがあることがとても助かっていました。勉強や読書、リーダーシップについて学ぶような機会があると、メリハリがついてよかったです。今も、私が勉強している時間に子どもは子どもで自分の時間をすごせるような時間作りができるように意識しています。娘も本が好きなので、横で一緒に読書をしたり、バイオリンを夢中で練習したり。

――とはいえまだ小学生で、「お母さんに構ってほしい」というときもありませんか。

藤井さん そういうときもあります。会議中なのに、構ってほしいから、カンペのようにして手書きのメッセージを出してくるときがあって(笑)。他愛のないことですが、「いいよ」って言ってもらえることを期待して「クッキーを食べていい?」とか。
最近、会議中はなかなか構ってもらえないことに気づいたようで、イエスノーのクエスチョン形式で「クッキーを食べていい? いい・だめに丸をつけてください」という紙をスッと出してくることも(笑)。一応「だめ」に丸をしています。

週2〜3回は夜に米国チームと会議をすることも

――娘さんも工夫していますね(笑)。夜は米国チームとの会議もあるのですね。

藤井さん 時差があるのでお互いに負担にならないよう、奇数月は日本が夜の時間、偶数月はアメリカが夜の時間と交互に設定されています。ヨーロッパ、アメリカ、日本の3社で会議をすることもありますが、仕事と家庭の両立は、われわれ日本の社員も含めて、グローバル全体で大切にするべきという考えが強いです!

――素晴らしいですね! 家族とのだんらんタイムのあと、夜の会議前に気持ちを切り替えるのは大変ではないですか。

藤井さん メールや資料を見始めると、自然と気持ちは切り替わりますね。逆に、英語で脳をフル回転させているので、会議の内容によっては、終わった後すぐにリラックスして寝ることに苦労することはあります。
トラブル解決のディスカッションをする必要があると事前にわかっているときは、会議後にお風呂でリラックスできるようにしています。使い捨てのホットアイマスクを使ったり、最近娘がプレゼントでもらったプラネタリウムで天井に星空を映し出すのも、緊張緩和にいいですね。

――お風呂上がりの娘さんの髪を乾かすのは、旦那さんの役目なのですね。

藤井さん 最近はとくにそうですね。娘が髪を伸ばしたいと言うのですが、ちゃんと洗ったり乾かしたりはまだ難しいので、夫が乾かしてくれています。
それによって、私は長風呂できるし、娘はお父さんと会話して2人の時間をすごせていて、お父さんのことも大好きですね。夫は娘と離れて生活していた時期があったので、今一緒にすごせる時間を大事にしてくれていると思います。

家事ができないときは夫婦でお互いに助け合う

――共働きで家事や育児を両立するために、夫婦間でルールにしていることは?

藤井さん あえてルールを作らないということですね。役割や責任を決めてしまうと、やっていないことが気になっちゃう。やるはずだったのにやっていないと、許容できないことも出てきそうですよね。
だから、普段相手がやってくれていることでも、できていないときは私がやるし、その逆ももちろんあるというほうが、私たち夫婦にはあっていますね。

――きっちり分担を決めすぎても、ストレスになりそうですよね。

藤井さん できない日があっても「そういう日もあるか」と思っています。ただ、声はかけるようにしていますね。夫は出張が多い時期もあるので、そういうときは私が全部やるし、私も締め切りがあってとても忙しいときは、今日は助けてくださいとヘルプを出すこともあります。バランスはうまくとれていると思います!

――助け合いですね! 家事に役立っているアイテムはありますか?

藤井さん お掃除ロボットのルンバです。年末に会社のインスパイアプログラムで取得したポイントを使って、グレードアップモデルを入手したのですが、掃除の範囲をプログラミングできて、とても便利です。曜日や時間ごとに掃除のエリアを予約できたり、犬がいるエリアは避けてゾーニングできたりします。

――インスパイアプログラムとはどのような制度なのでしょうか。

藤井さん 同僚やプロジェクトメンバーなどに対して、サポートを受けたとき・成果を達成した際などに、感謝・労いとして社内システム上で称賛(インスパイア)をお互いに贈り合える制度です。
金銭価値のあるポイントを贈ることもでき、ポイントがたまるといろいろなものに交換できます。物として形になると、正しいことを正しくやっているという実感もわくし、仕事へのモチベーションも上がるのでいいですよね。

(取材・文:宮本貴世、撮影: 佐藤 登志雄、イラスト:ぺぷり/マイナビ子育て編集部)

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