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2023年11月20日 08:31 更新

共働き夫婦の1日スケジュール マテル・インターナショナル 小林美穂さんの場合【夜編】

共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。朝起きてから寝るまで分刻みのスケジュールで息つく暇もないのでは? そこで、夫婦の家事分担や子育ての工夫など、忙しい毎日を乗り切るコツを実践しているママに、お話を聞きました。

共働き夫婦の1日スケジュールとは?

家事・育児・仕事と、目まぐるしい日々を送る共働き夫婦。毎日繰り広げられる分刻みのスケジュールのなか、「こんなに忙しいのは自分たちだけ?」「みんなは毎日をどうのりきっているの?」と疑問を持つママやパパに向けて、共働き夫婦の1日のタイムスケジュールをうかがうこの企画。

第20回となる今回は、マテル・インターナショナルでおもちゃのマーケティングマネージャーとして働くママのタイムスケジュールを前編・後編にわたりインタビュー。後編では夜のタイムスケジュールと家事や育児への思いをうかがいました。

取材にご協力いただいた方

マテル・インターナショナル マーケティング部 アソシエイトマーケティングマネージャー 小林美穂さん(42歳)

ドールズ部門を担当し、バービーと、ディズニー・プリンセスチームのマネージャーを勤める。6歳と3歳の男の子を育てる母。ブランド責任者として海外とのやり取りも多く、1日のほとんどが会議で埋まることも。日本での担当ブランドの商品選定や、パッケージ開発、キャンペーンやSNSなど、すべてのマーケティング活動に携わって、業務に取り組んでいる。

【朝編はこちら】

夜のタイムスケジュール

夕飯は作っておいたおかずを温めるだけ!

――保育園のお迎えは何時ごろですか。

小林さん 18時〜18時半くらいです。引っ越したのですが保育園を変えなかったので、少し遠くなってしまって。園の最寄り駅と自宅の最寄り駅が異なるのですが、夫が子どもたちを送ってから園の最寄り駅に自転車を停めて出社しているので、私はその駅で降りて、お迎えに行きます。今は家から園まで、自転車で片道15分くらいありますね。

――ちょっと距離がありますね。

小林さん 自転車で移動中に子どもが寝てしまうこともありますよ。寝ないようにお兄ちゃんと弟と交互にずっと話しかけたり、信号待ちの間にくすぐったりしながら帰っています。寝落ちすると、その瞬間に自転車が揺れるので、すぐわかりますね(笑)。

――お子さん2人に保育園の大荷物だと自転車での送迎は大変では?

小林さん 手ぶら登園を導入している園なので、オムツや着替え、お布団などの準備は最低限でいいんです。荷物が少なくて助かっています。

――それはありがたいですね。お家に着くのは19時ごろでしょうか。

小林さん はい。帰ったらすぐにお風呂の掃除をして、お湯を溜めながらごはんの準備をしますが、1から作ることはなくて、空いた時間に作ったおかずをチンするだけなので、すぐ食べられます。

――献立はどう決めていますか。

小林さん 子どもに食べたいものを聞くこともありますが、だいたいカレーやシチューなど同じ回答ばかりで……。平日はそんなにきっちりおしゃれなものや、名前があるようなものは作れないので、できるだけ買った食材からどんどん使って煮物や炒め物にしています。

――準備している間、お子さんたちに「お腹すいた!」と言われませんか。

小林さん 言われます! 勝手に冷蔵庫からバナナを持ち出して「いつの間に!」なんてこともあります(笑)。19時すぎには食べ始めますが、子どもたちは食べるのがすごく早いので、私がおかずを全部出し終わる前にもう食べ終わっていることもありますよ。そういうときは、私1人で最後に食べているので寂しいですね(笑)。

食事は楽しい時間にできるように心がける

――お子さんはごはんをよく食べてくれるほうですか?

小林さん こだわりは強いと思います。でも保育園の給食は全部きれいに食べているみたいで、家でも、なるべく野菜を食べさせるようにしていますが、きれいによけられます(笑)。カレーにしちゃえばわりと食べてくれますね。

――とてもよくわかります。保育園では食べますよね!

小林さん 食べる時間自体は、案外短いんですよ。食事のときは、テレビを消して食べることに集中させていて「今は食べる時間だよ」と伝えています。嫌いなものだと、まったく手もつけないようなときもあるのですが。

――食べてくれないときは終わりにするタイミングが難しいですよね。どうしていますか。

小林さん 本当は基本「出されたものは全部食べる」という教育にしたいものの、子どもたちもとても頑固なので難しいときもあります。でも、自分も子どものときに食べられないものがありましたよね。
食事の時間を嫌な時間にはしたくない。怒られたとか、無理やり食べさせられたと思うよりは、今日のできごとを楽しく話したいい時間だったなと思ってもらいたいですね。何回か言って駄目だったら、もう諦めるようにしています。

寝る前のルールを子どもたちとパパと共有する

――平日は基本的には小林さんが1人でお子さんの食事やお風呂まで済ませているのですか。

小林さん そうですね。お風呂を上がるころに夫が帰ってくるので、その後の水分補給や着替えなどは夫に任せています。ときどき早ければ一緒に食事をすることもあります。帰宅してからスムーズに流れを作りたいので、朝と同じで、毎日の流れとルールは変えないようにしています。ご飯を食べてからでないと絶対にテレビを見てはいけないとか、何時にはお風呂に入るとか。

――切り替えが難しいときはどうしていますか?

小林さん ワンクッションおきます。「お風呂に行くよ」と言っても、テレビを見ていたら、子どもたちはサッと切り替えるのも難しい。すんなりきてくれないときは「洋服の準備ができたらきてね」と1回余裕を持たせてあげると、素直に受け入れてくれます。

――メリハリをつけるのはポイントですね。寝かしつけはどうですか?

小林さん 寝る前は決まった時間までに寝室に行ったら、就寝前の本とドリームスイッチを見られるルールにしています。時間によってOKなものが増えたり減ったり。この時間までなら本は2冊読めるとか、この時間をすぎていたらもう本はだめだからドリームスイッチだけとか。遊びすぎちゃった日はドリームスイッチもなしとか。

――お子さんとのルールはどのように決めているのでしょうか。

小林さん 毎日の中で自然と決まってきました。パパとママでルールが違うと、子どもも混乱すると思いますが、私がやりとりしているところを夫も見ているので、共有はできています。ときどきパパが違うことをOKしてしまうと、子どもが指摘するくらい、子どもたちはルールを理解してくれていると思います。

――えらいですね!

小林さん 「ママはこうするって言った」と、逆にパパが怒られちゃう(笑)。少しでも緩いのがOKになると、それがなににでも通用してしまうので、決めたことはなるべく通しています。寝かしつけは、本人たちもそのルールがわかってくるようになったら、ラクになりました。

夫婦の家事分担はお互いの得意なことを活かす

――ご夫婦で家事の分担は決めていますか。

小林さん あまり決めていないです。自分ならこのタイミングでやるとか、お皿の置き方はこうしたいとか、どっちが上か下かなど、それぞれの育った家庭で違いますよね。それでイライラしちゃうのはつらいし、できなかったときに気になりそうなので。決まっているのは、保育園の送りはパパで、お迎えは私ということくらいです。家事分担に関しては、あまり決めすぎないくらいがいいですね。

――共働きで家事や育児を両立するために夫婦間でルールにしていることはありますか。

小林さん 「これ言ったよね」は言わない。夫婦になる前から唯一のルールですね。共働きは関係なく「前に言ったよね」ということがあっても、忙しかったらお互いさまだと思うので。あと「これやったよ」も言わないですね。一緒に生活しているから、お互いにやって当たり前で、やらなかったら誰かがやらなきゃいけないだけなので。「言ったよ」と「やったよ」は言いません。

――それは大事ですね。

小林さん 家事にも、それぞれに得意不得意がありますよね。料理なら私が得意だけど、洗面所やお風呂など細かいところの掃除は夫のほうが得意です。お互いに気づくところや、やる頻度が高いポイントも違うので、得意分野をうまく分担できていると思います。

――サポートし合えるのはいいですね! 子育て中におすすめのアイテムはありますか?

小林さん 模造紙はいいですよ。日常とか保育園でやっている遊びも、規模が違うと、それだけで子どもが興奮して喜びますよね。とことん描いていいお絵かき用や制作用にしています。お絵描きをして楽しんだら、その上に車を走らせたり、ブロックを作って街にしたり。子どもの遊びに役立ちます!

――大きいので自由度が高くていいですね。子育てのどんなところが楽しいですか。

小林さん もちろん、子どものために生活に必要なことはしますが、あんまり育児やお世話というふうには思っていなくて。遊びに限らず、一緒にお皿を洗ったり、掃除をしたり、すべてが面白いです。育児と考えず、子どもと全部一緒に体験するのが楽しいですね。

すべて完璧は目指さない。無理しないことが一番!

――最後に、今子育て中の方にメッセージをお願いします。

小林さん 私が今一番ラクにすごせるようになったのは「頑張らない」と決めたことがきっかけだと思っています。完璧に両方をこなすなんて絶対に無理なので、頑張りすぎないことが一番大事。手を抜くところもあるし、かなりズボラなんですよ。お皿も食事の後にすぐ洗うことはなくて、疲れていたら翌朝洗うこともあるし、掃除も毎日こまめにはしません。

――すべてをきっちりしすぎていたら、毎日が回らないですよね。

小林さん そうですよね。掃除は週末にお掃除ロボットに任せるだけでもいい。それをよしとしています。別にそれで死ぬことはないですから。「頑張らなくても、そんなに完璧にしなくても死なないから、できるときにやればいいよ」みたいな気持ちで構えているくらいが一番いいと思います。共働きして頑張っている人や、これからママになりたいとか、結婚したいと考えている人に伝えたいです。

――小林さんのように働く女性にそう言っていただけるのはとても心強いと思います。

小林さん 一つの手段として、お金で解決する方法もありますけど、それもなかなか難しいですよね。毎日のことだし、できる人も限られそうだし、「外注すればいいよ」と言われても、根本的な解決になるのかと言ったらそれも難しそう。

――育児は毎日続きますからね。

小林さん 無理をしないことですね。あと、家事はできるだけ子どもにもやらせてあげるといいです。うちの下の子もお皿を洗ったり、料理でも包丁で切ったり、火で炒めたりしています。本人が「やりたい!」って言ったときにしかやってくれないですけど(笑)。今はそういう時間をすごせることが、とても大切だと思っています。

(取材・文:宮本貴世、 撮影:佐藤登志雄、イラスト:ぺぷり/マイナビ子育て編集部)

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