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2023年08月04日 23:30 更新

……嫌な予感。飲み会に行った夫から、日付が変わっても連絡がなくて【運命の人とレスになりました。美咲編vol.6】

最高の相性だと思って結婚した男女が、妊娠・出産を経て親になり、少しずつすれ違ってセックスレスに……これって、よくあること? せつない夫婦の胸のうちを描きます。

さすがに言い過ぎたかもしれない

美咲が積もり積もった不満を爆発させて以来、大輔との関係はさらにギクシャク。そんなある日、大輔が会社の飲み会に行き……。

……嫌な予感。飲み会に行った夫から、日付が変わっても連絡がなくて【運命の人とレスになりました。美咲編vol.6】

どうしよう……。
ふと時計を見ると、24時。
もうそろそろ大輔が飲み会から帰ってくる頃だろう。
今日は、営業課の飲み会に参加している。
正直、ちょっと怖い。
大輔はアルコールが入ると性欲が高まる。もしかしたら誘ってくるかもしれない……。

急な飲み会の連絡があったのは、今日の18時前だった。
「営業課のメンバーで飲み会なんだけど、大丈夫? あ、斎藤さんもいるよ」
と電話があった。
延長保育料のかかる18時前にギリギリセーフで着いた途端の連絡だったので、
(残業がないなら、たまには蓮のお迎えに行ってくれればいいのに!)
とモヤモヤした気持ちが広がった。

こっちは、最後の飲み会がいつなのかすら覚えてないのに……。
何度か出産祝いや自宅で、蓮がお昼寝している間に友人を呼んでお茶……というシチュエーションはあったけど、お酒なんてノンアルでさえ飲んでない。
優香の名前を出したのは「みんなに誘われて仕方なく」というアピールのつもり?
そういう目的が透けて見えたのでわざと応じなかった。

「俺がいなくて今日はゆっくりできるね」
って……嫌味?

こんなふうに大輔との関係がギクシャクしだしたのは、先月、動物園に行った日曜日からだと思う。
心に余裕がないなか、エッチの誘いに応じたのが間違いだった。
積もり積もった不満や疲れが爆発してしまったのだ……。

「こんなんじゃ2人目なんて無理! ていうか……したいと思わないよっ‼」

……さすがに反省してる。
あんなふうに理不尽にキレるなんて、ほんと、子どもだよね……。
もちろん、あの日から、一度も誘われていない。
それまでは4回に3回は断っていたものの、週に1回はお誘いがあったのに。
気づけばもう、1ヵ月以上していない。
全然やりたいとは思わないけれど、これはこれで不安になる。
こんな状況で、2人目妊活なんて……できるかな?

夫のいいところはたくさんあるのに

前に優香が旦那さんとのセックスレスに悩んでた。

もしかして、私たちって、セックスレス?
そもそも、どこからセックスレスって言うんだろう?

なんとなくだけど、もしも今夜、大輔としたとしても、「ただセックスをした」という事実だけで、レスが解消されたとは言えない気がする。
みんなはどうしてるんだろう?
あの時、優香は笑っていたけど……ずっと一人で悩んでいたのかもしれないな。

「それにしても、静かだな……」
ベッドでスヤスヤと眠る蓮の寝顔は、天使のように可愛い。
今日の蓮は、保育園でリズム遊びを楽しんだと聞いた。
担任のマリコ先生は、蓮の様子をお迎えのたびに詳しく教えてくれる。
「蓮くん、今日のお楽しみ会はとくにノリノリでしたよ~!」
「うわぁ~よかったねぇ~! 蓮、今夜はぐっすり眠れるね」
「ふふ。蓮くん、いつもニコニコなんですよ~! お父さんとお母さんの愛情をたっぷりもらってるんだろうなって蓮くんを見ててわかりますよ」
「そんな。先生方が見守ってくださるからです。いつもありがとうございます」

“お父さんとお母さんの愛情”か……。
もちろん私は蓮のことが一番大事。でも、だからなの? 蓮の存在が私の中で大きくなればなるほど、大輔とのちょっとしたズレが許せなくなる。

ただ……私の方が子育ての負担が大きいのは確かだけど、マリコ先生が言うように、大輔がいてこそ頑張れている部分もあるんだよね。
たとえば、大輔はなんだかんだ冗談を言って和ませてくれる。昔からよく「真面目過ぎる」「肩の力を抜いて」と言われてきた私を、大輔の柔らかさがリラックスさせてくれることは事実なんだ。

日付が変わったのに、まだ?

そういえば、初めて居酒屋で出会った頃から、持ち前の人当たりの良さとトークスキルで笑わせてくれたっけ。
大輔は、わざと人を不快にさせるようなことは絶対に言わなかった。
ラブラブだった新婚時代はもちろん、妊娠中のナーバスな時期も、産後の情緒不安定な時期も、イライラする私を和ませようとしてくれた。

  「美咲さん。うわあ~俺、綺麗な人の前って緊張するんですよね」

  「良かったら、飲み直しません? 2人で」

  「いつもお疲れ様。ほら、もう寝室に行きな?」

  「美咲が遠くに行っちゃいそうで怖いというか」

  「俺は美咲が好きだから、妊活のためだけにするっていうのは考えてないよ」

なのに。
「俺がいなくて今日はゆっくりできるね」
大輔は、あんな嫌味をいうような人じゃなかった。
私が大輔を変えてしまったんだ。

もう一度スマホを見る。
24時半だ。
さっきは、大輔が帰ってくるのが怖かったけれど、今は大輔が帰って来ないのが怖い……。
「帰る時連絡する」
と言っていたけど、全然気配がない。
二次会だってそろそろお開きになる時間だろうし……。

悩んでもしょうがない、電話してみよう。
トゥルルルル……トゥルルルル……。

おかしいな。いつもは飲みの席でもすぐに出てくれるのに。
諦めて、折り返し電話を待つことにした。
でも、10分待っても20分待っても大輔からの連絡はなかった。
何かあったのかな。
なんか……嫌な予感がする。

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