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2023年05月04日 09:00 更新

「揚げ足をとる」の意味、不正確な理解をしている人が3割、10代では5割超に及ぶ

日本語の慣用句の中には、使われているうちに違う意味が含まれてしまったり、まったく逆の意味に使われるようになってしまった言葉などもあります。今回は「揚げ足をとる」という慣用句について、文化庁国語課が行った「国語に関する世論調査」をもとに見ていきます。実は勘違いしていたという人も多いかもしれません。

「揚げ足をとる」の意味を正しく理解している人はどのくらい?

あなたは「揚げ足をとる」の意味を正しく理解していますか? 文化庁国語課が実施した「令和3年度 国語に関する世論調査」から、人々の回答を見てみましょう。

揚げ足を取るの意味

本来の意味を理解している人が7割

「揚げ足をとる」という言葉の意味は、どちらだと思いますか?

・(ア)言い間違いや言葉じりをとらえて責めたりからかったりする
・(イ)失敗ややり損ないを見て責めたりからかったりする
・(ア)と(イ)の両方
・(ア)、(イ)とは、まったく別の意味

辞書などに掲載されている本来の意味となるのは「(ア)」ですが、文化庁国語課の調査では、「(ア)」を選択した人は65.9%と約7割の人が正しい意味を理解していました

しかし、「両方」と回答した人も22.2%に上っており、(ア)と(イ)の区別をあまり意識していない人も少なくないようです。広い意味での失敗などを責めるものではなく、あくまで言葉の用法などにおける誤りなどを責めるものとなります。

若い世代では間違った使い方も半数以上

年代別では、16~19歳の若い世代で「(ア)」を選んだ人が46.9%、「両方の意味」を選んだ人が40.0%となっており、その差が少ないという特徴が見られました。(イ)を選んだ人も含めると、間違った用法である「失敗ややり損ないを見て責めたりからかったりする」の意味で「揚げ足をとる」を使う人が半数を超えることになります。正しい意味が失われているわけではないですが、誤った使い方が若い人の中で広まっているのもまた事実といえます。

文化庁国語課「令和3年度 国語に関する世論調査」より
文化庁国語課「令和3年度 国語に関する世論調査」より

まとめ

今回は、慣用句のひとつ「揚げ足をとる」についての調査結果をご紹介しました。正しい意味を知っている人が多かった一方で、本来の意味に加え、もっと広い意味で使っている人もいるようです。慣用句は昔から使われてきた言い回しで日本語の表現力の広さを担っているともいえます。その中でも「揚げ足をとる」という言葉は比較的、わかりやすい慣用句のひとつなので、子どもたちにも本来の意味をしっかりと理解して使ってほしいですね。

(マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

調査概要

■令和3年度 国語に関する世論調査/文化庁国語課
調査地域:全国
調査対象:16歳以上の男女
調査時期:令和4年2月21日から2月21日まで
有効回答数:3,579サンプル

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