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妊娠中、インフルエンザの予防接種はすべき? 胎児への効果とは【ママ女医と娘の○○な日常 vol.16】

妊娠中、インフルエンザの予防接種はすべき? 胎児への効果とは【ママ女医と娘の○○な日常 vol.16】

今年は例年より早くインフルエンザが流行することが予想されています。周囲でも、インフルエンザの患者さんがちらほら出ています。今回は、特に注意して欲しい妊婦さん向けに、インフルエンザワクチンの話を紹介していきます。


記事の著者  
のんびり子育て中のママ女医   HAL先生
内科医。大学病院研修中にうつ病を発症し、数年間療養生活を経て復帰。その後、病気の間支えてくれた医者の夫と結婚し、娘を出産。現在は田舎で夫、3歳の娘と暮らす。自身の出産・育児の日々をもとに、医学的なエビデンスを交えて育児情報・ニュースなどをブログで発信。またTwitterでは、娘との会話や、ほっこりあたたまる育児エピソードも紹介し、注目を集めている。
http://halproject01.blogspot.jp/
https://twitter.com/halproject00

妊婦さんが「感染症」に弱い理由

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妊婦さんのお腹の中には赤ちゃんがいて、お母さんとへその緒で繋がっています。実は、いかに血を分けた赤ちゃんと言えども、お母さんの身体にとって赤ちゃんは「異物」。本来なら、免疫の働きで異物を排除しようとしてしまいます。しかし、ここが人体の素晴らしいところ。妊娠中は、赤ちゃんを異物と判定しないように、身体は免疫の力を調節し(免疫寛容と言います)、上手に共存状態を保っているのです。

ところが、妊婦さんは、この免疫寛容の結果、感染症に対して弱くなっているのです。そのため、非妊娠時なら大したことが無い風邪でも、悪化してしまう時もあります。

インフルエンザもそんな感染症の一つです。インフルエンザはただでさえひどい感染症ですが、妊婦さんでは更に重症化しやすいハイリスク群であることが知られています。具体的な数字でお伝えすると、インフルエンザ流行中に心肺機能が悪化して入院するリスクは、産後の女性と比較して、妊娠14〜20週で1.4倍、27〜31週で2.6倍、37〜42週ではなんと4.7倍という報告もあります。

そのため、インフルエンザのシーズンは、妊婦さんは非妊娠時と比べて特に予防に力を入れる必要があります。手洗いやうがい、人混みを避けるなどという基本的な予防法に加え、インフルエンザワクチンも“一つの選択肢”として考えて欲しいと私は思います。

妊娠中にインフルエンザワクチンは接種できるの?

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現在日本で行われているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンで、妊娠中いつでも接種可能です。海外のこれまでの研究で、妊婦さんにも赤ちゃん(胎児)にも異常は認められていませんし、日本の国立成育医療研究センターの研究でも、妊娠中のインフルエンザワクチン接種によって、流早産や奇形のリスクは上がらないという報告が出ています。

インフルエンザワクチンには、防腐剤としてエチル水銀(チメロサール)というものが含まれているものと含まれていないものがあります。量は非常に微量であり、現在は胎児への影響はないとされています(過去に自閉症と関連があるのではないかと騒がれたことがありますが、現在は否定されていますのでご安心ください)。念のためという意味合いで、妊婦さんにはチメロサールが含まれていないワクチンを優先して接種しています。

インフルエンザワクチン接種後、効果が現れるのに2〜3週間かかります。そのため、周囲の流行状況を見る必要もありますが、流行が早いことが予測される今シーズンは早めの接種をオススメしています。

インフルエンザワクチンの効果は、生まれてくる赤ちゃんにも受け継がれる!

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また、お母さんが持っている免疫は、胎盤を通して赤ちゃんに受け継がれます。そして、生後半年くらいまで、お母さんからもらった抗体(移行免疫)の力で、赤ちゃんはさまざまな感染症から守られることになります。

インフルエンザも同様です。例えば、妊娠中にインフルエンザワクチンを接種したお母さんから生まれた赤ちゃんは、生後6ヶ月までのインフルエンザを発症するリスク70%減少し、入院するリスクが81%減少する、という報告があります。

(詳細は私のブログ内記事「妊娠中のインフルエンザワクチン接種は生後6か月までの赤ちゃんにも効果があります」で説明しています。
http://halproject.blogspot.jp/2016/11/blog-post_10.html

生まれてくる赤ちゃんのためにも

生後6ヶ月まで、赤ちゃんはインフルエンザワクチンを接種することができません。また、いくらお母さんの免疫が赤ちゃんに移行すると言っても、ない免疫は当然受け継ぐことができません。

インフルエンザワクチンをうつことは、妊娠しているあなたやお腹の中の胎児だけでなく、生まれて来た後の赤ちゃんも守る可能性があります。インフルエンザ流行中の時期に妊娠している方、出産予定のある方は、ぜひインフルエンザワクチンを接種しましょう。わからないことや心配なことがあれば、ぜひ主治医の産婦人科の先生へご相談ください。

妊娠中、私のインフルエンザワクチン接種体験談

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私も妊娠中、インフルエンザワクチンを接種しました。流行期間中に病院で働いており、インフルエンザの患者さんと接する機会もあったため、私の中で接種しないという選択肢はありませんでした。

自分の職場で接種した際、特に防腐剤のことについては心配していなかったため何も言わなかったのですが、問診の先生が「妊娠中なので」と防腐剤の入っていない製剤をチョイスしてくれました。(お気遣いありがとうございました、○○先生)特に副反応もでませんでした。

私は風邪に弱いので、流行中は外出時は常にマスクをし、手洗いもいつも異常に丁寧に行いました。お陰で、なんとかインフルエンザのシーズンを乗り切り、無事に娘を出産することができました。

実際、出産後どうだった?

私が出産をしたのは三月の末でしたので、インフルエンザの流行のピークは過ぎた後でした。しかしもちろん春過ぎてからもインフルエンザは出ます。インフルエンザワクチンの効果もあったのか、幸い娘も生後半年くらいまで大きな感染症を起こさずに過ごすことができました。

妊婦の方へ

妊娠中の方、どうかインフルエンザにかかることなく、またもしかかってしまっても重症化することなく、無事のお産となりますことを心からお祈りしています。そして、どうか今年のインフルエンザの流行がひどいものになりませんように……。

参考サイトなど

「妊娠と薬情報センター:インフルエンザ情報(医療関係者向け) | 国立成育医療研究センター」
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/news_med/h1n1.html

「Neuzil KM, Reed GW, Mitchel EF, Simonsen L, Griffin MR. Impact of influenza on acute cardiopulmonary hospitalizations in pregnant women. Am J Epidemiol 1998;148:1094–102.」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9850132

「山口 晃史ほか『妊娠中のインフルエンザワクチン接種の安全性』感染症学雑誌、Vol. 84 (2010) No. 4 p. 449-453」
http://ci.nii.ac.jp/naid/10026893869

「産婦人科 診療ガイドライン ―産科編 2014」
http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2014.pdf

(HAL)

※記事内の画像はすべてイメージです

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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