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2022年12月19日 12:52 更新

栗色(くりいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【栗色(くりいろ)】とは、赤みの強い茶色のことです。日本の伝統色である【栗色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【栗色】とは?

栗

栗色とは、栗の実の表皮のような赤みの強い茶色のことを言います。

色の名前 栗  色
読み方 くりいろ kuri-iro
英語 chestnut color
WEBカラーコード #8e4a00
CMYK  C=0/M=60/Y=94/K=54 
RGB R=142/G=74/B=0
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【栗色】の意味と由来は?

【栗色】は、栗の実の表皮を思わせるような、赤みが強い茶色の色名です。栗の樹皮やイガは栗染めの染料になりますが、【栗色】はその染色による色ではなく、単に栗の実に似た色を指しています。

茶色の馬の毛色を示す名前に「栗毛(くりげ)」があります。栗毛は厳密には、地肌の色は赤黒く、たてがみと尾が赤茶色の馬のことを言います。栗毛には、ほかにも橡栗毛(とちくりげ)、黒栗毛(くろくりげ)、白栗毛(しろくりげ)など種類があります。天平時代の文献である『法隆寺伽藍縁起幷流記資財帳(ほうりゅうじがらんえんぎならびにりゅうきしざいちょう』に「合馬参匹<二匹鹿毛、牡、歳各十二、一匹栗毛、牡、歳十一>」という記述があり、馬の毛並みの名称として「栗毛」という言葉が古い時代から使われていたことがわかります。

【栗色】に合う色は?


栗 色
 くり いろ 


芥子色
 からしいろ 

【栗色】に合う色のひとつに【芥子色(からしいろ)】があります。【芥子色】は香辛料のカラシを思わせる鈍い黄色で、【栗色】と組み合わせると、秋を感じさせる配色になります。

そのほかにも薄い黄褐色の【枯草色】や、淡い【柿色】の【洒落柿(しゃれかき)】など、秋を思わせる色との相性がよく、山の幸や豊かな実りの秋を表現するにはぴったりでしょう。

山の緑を思わせる強く濃い緑の【深緑(ふかみどり)】や、青みがかった濃い緑色の【木賊色(とくさいろ)】などともよく合います。

A traditional Japanese color "栗 kuri" is...

A traditional Japanese color "栗 kuri -means Japanese chestnut-" is the color name for a brown with a strong reddish hue, reminiscent of the outer skin of chestnuts. Although the bark and teats of chestnuts are used as dyes for chestnut dyeing, "栗 kuri" color refers to a color similar to that of chestnut nuts, rather than a color caused by dyeing.

The name "栗毛 kurige" is used to describe the hair color of a brown horse, but strictly speaking, it refers to a horse with a reddish-black ground color and a reddish-brown mane and tail. There are other types of "栗毛 kurige", including "橡栗毛 tochi-kurige," "黒栗毛 kuro-kurige," and "白栗毛 shiro kurige". In a document from the Tempyo period (710-794) titled "Horyuji Garan Engi Naranbiru Ryuuki Shizai Chou," there is a description of "two horses with "鹿毛 kage", each 12 years old, and one horse with "栗毛 kurige", each 11 years old". It is clear that the term "栗毛 kurige" has been used since ancient times as a name for the horse's coat.

まとめ

【栗色】は、栗の実からつけられた赤みの強い茶色の色名です。栗がつく色名にはほかにもさまざまあり、平安時代の『源氏物語(げんじものがたり)』には、【落栗色(おちぐりいろ)】や【栗皮茶(くりかわちゃ)】、【栗皮色(くりかわいろ)】、【栗梅色(くりうめいろ)】などの表記があります。しかし、色そのものの違いは微妙で、ほぼ同じ色とも言えるようです。なお、江戸時代には、【栗皮色】や【栗色】を【栗皮茶】と呼んでいて、女性の帯などに使われていました。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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