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2024年08月10日 08:08 更新

ぜーんぶ無料で体験し放題! 夏休みのおでかけにも自由研究ネタにもぴったりの「人間×自然×技術=未来展」( 東京・千代田区)

夏休みも真っ只中、「子どもをどこに連れて行こう?」とお悩みの方も多いはず。とはいえ強い日差しの屋外で、長時間過ごすのはためらいますよね。そんなときは、屋内で涼みつつ、普段はできない体験が楽しめる展覧会に出かけてみるのはいかが? 今回は、入場無料で楽しめる「人間×自然×技術=未来展」の取材レポートをお届けします。

さまざまなクリエイターによる没入体験が目玉の「人間×自然×技術=未来展」

東京都が“持続可能な都市”を高い技術で実現するために推進するプロジェクト「Sustainable High City Tech Tokyo=SusHi Tech Tokyo(スシテック東京)」の一環として、有楽町駅前に開設した施設「SusHi Tech Square(スシテックスクエア)」。
2024年6月19日(水)~9月23日(月祝)の期間、同施設で開催されている展覧会が「人間×自然×技術=未来展」です。

写真提供/人間×自然×技術=未来展

本展では「人間」と「自然」と「技術」を掛け合わせたら「未来はどうなるんだろう?」という、私たち現代人にとって大切な、だけど難しい問題にフォーカス。「人間×植物×AI」「人間×鳥×VR」「人間×昆虫×ドローン」をはじめ、さまざまなクリエイターの発想とテクノロジーで、人間と自然が多様に関わり合う“新しい没入体験”を提供します。

週末には、展示作品に関連したワークショップやトークショーなども多数開催。子どもから大人まで、気軽に参加して楽しめる内容となっています。

人間×自然×技術=未来展 ーWell-being for human & natureー 基本DATA

■会期:2024年9月23日(月祝)まで
■休業日:月曜(ただし8月12日、9月16日、9月23日は開場)
■開場時間:平日11:00~21:00(最終入場20:30)/土休日10:00~19:00(最終入場18:30)
■会場:SusHii Tech Square内 1F Space/東京都千代田区丸の内3-8-3 (東京交通会館向かい)
■予約:作品観覧は不要。ただしワークショップほか、参加に予約が必要なイベントもあります。詳しくは公式HPでご確認ください
■入場料:無料
■アクセス
 ◎JR山手線・京浜東北線「有楽町駅」下車[京橋口]徒歩1分
 ◎東京メトロ有楽町線「有楽町駅」下車[D9出口]すぐ
 ◎東京メトロ有楽町線「銀座 一丁目駅」下車[1出口]徒歩3分
■駐⾞場:なし
■トイレ:あり
■⾷事:8月の週末のみキッチンカーの出店あり
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※以上情報は変更がある場合がありますので、詳しくは公式HP等でご確認ください。

いざ会場へ! VRやドローンなどの最新テクノロジーを使った体験に大興奮

夏休み中の小3息子に何か新しい体験をさせたいと思っていたときに、「人間×自然×技術=未来展」の開催情報をキャッチ。ほかではできないめずらしい体験ができて楽しそうだし、入場料も無料だし、「これは行かなきゃ損でしょ!」ってことで、家族3人で行ってみることにしました。

会場のスシテックスクエアは、最寄りの有楽町駅から徒歩1分。日差しが強く照り付ける時間帯でしたが、サクッと歩ける距離で助かりました。このアクセスの良さなら、小さなお子さま連れでも気軽に来れそう。

会場に足を一歩を踏み入れた途端、まず目に飛び込んでくるのは、視界いっぱいに広がる巨大スクリーン!

映し出されているのは、クリエイター・田中薫さんがAIを使って制作したイマーシブ(没入型)映像『GREENSCAPE(グリーンスケープ)』です。「あなたと一緒に、自然が成長したら?」という問いに応えるべく生み出された本作は、人の動きに合わせて風景が変化する仕掛けになっているんですって。

最大5名までで体験が可能

作品に近づいてみると、映像の中で水しぶきが発生。自分の起こしたアクションで変化が起き、作品世界に入り込む没入体験ができて息子もとっても楽しそう。作品の前で歩いたり、ジャンプしたり、手を伸ばしたりしながら、映像の変化を楽しんでいました。
没入感というと、ゴーグルなどを装着して仮想現実を体験できる「VRコンテンツ」のほうがより深い体験ができそうですが、こちらの「イマーシブ映像」は、家族やお友だちといっしょにワイワイ楽しく体験できるのが魅力かもしれませんね。

続いて息子が駆け寄ったのは、緑あふれる心地よい空間に、何やら楽しそうな遊具がいっぱい並んだブース。

写真提供/人間×自然×技術=未来展

こちらの作品『Moving Green Park』は、“移動する公園”がコンセプトです。緑と一体化した遊具やベンチは、キャスター付きや組み立て式など、すべて移動することができるのが特徴。都市と自然の共生を考える企業プロジェクト「Tokyo 緑予想図」による展示で、「緑あふれる公園がいろんな場所に移動できたら?」という問いをもとに生まれた作品です。

息子のいちばんのお気に入りは、生い茂る緑がインパクト大の足蹴り車。

一見幼児向けの遊具にも思えますが、意外や意外~! 公園内を何度も周回するほど、小3息子もドハマりでした(笑)。

真ん中に木が植えられたベンチは、シーソーとしても遊べるのがポイント。

一般的な板状シーソーのように“ギッコン、バッタン”と音がしないのは寂しいところですが、目の前の木がワサワサと揺れて新鮮な楽しさが味わえます。

公園の中央には、座って楽しめる新感覚のサッカー遊具も。

ボールが紐でつながれているから、屋内ながら思い切り蹴って遊べるのが嬉しいところ。こんな楽しい遊具でいっぱいの屋内公園が身近にあったら、雨の日や猛暑の日も子どもの有り余る体力をしっかり消費できそうでいいな~(笑)。

お次の作品は、子どものころに誰しも描くあの妄想「鳥のように、大空を飛べたら?」をかなえるために、VRクリエイター・VoxelKeiさんが応えた『JAPANELAND SKY』。日本列島の上空を飛び回れるVRコンテンツです。

対象年齢が10歳以上ということだったので、息子に代わって筆者が体験。スタッフにVRゴーグルをつけてもらい、コントローラーを持ったら、いざ飛行体験開始です。

おぉー、眼下には雄大な海や山が広がり、まさに鳥になって大空を飛び回っている感覚。360度の動きに対応したゴーグルは、現実世界にいるときと同じようにVRの世界を360度見渡すことができるから、没入感も圧倒的! これは楽し~い!!

一般的なゲームのように「成功」や「失敗」にとらわれることなく、ただ自由に“空を飛ぶこと”を楽しめるのも嬉しいところ。現実空間では味わえない開放感いっぱいの大空飛行を楽しみました。

続いて、筆者の期待度No.1作品『ミツバチ・デリバリー』のブースにやってきました。

「ミツバチになって花の受粉を助けられたら?」という問いに、エンジニアリング企業のR2が応えた本作。ミツバチを模したドローンを操作して、花の授粉を疑似体験できるという、とってもユニークな作品です。
最近身近になりつつあるドローンですが、体験できるチャンスってなかなかないから嬉しいですよね。

対象年齢は10歳以上なのですが、10歳未満のお子さんでもスタッフの補助のもと体験可能。四方や上部をネットで囲われているところでドローンを飛ばすから誤って人にぶける心配もないし、目を守るゴーグルも着用するから、ドローン初心者の息子にも安心して体験させることができます。

3か所にある黄色い筒の上に置かれた持ち手つきボールをドローンでつかみ、中央にあるカゴの中まで運びます。黄色い筒の上でホバリングしたり、ボールをつかんだりするのは難しそうでしたが、スタッフに助けられながら何とかクリアした息子。人生初のドローン操縦を成し遂げ、達成感いっぱいの様子でした。

ドローン体験を終えて会場内を歩いていると、不思議と座りたくなる雰囲気のカウンターテーブルを発見。じつはこちらも展示作品のひとつで、「デスクが心安らぐ植物と一体化したら?」という問いに、クリエイターのIan Grossbergさんが応えた『GROWING Table』です。

写真提供/人間×自然×技術=未来展

巨大な切り株と、廃材からつくったカウンターテーブルが一体化。さらに、みんなで水をやって育てる対話的なやりとりが可能な“植栽ポッド”が備えられているのが面白いところです。水やりの時間になると、緑のランプを点灯させてお知らせしてくれます。

ちょうど見学中にランプが緑色に変わり、植物に水やり体験をする息子。こんなふうに植物の声が聞こえる未来が来たら、もっと植物が愛おしく感じるのでしょうね。植物が育つ様子は、付属のモニターからタイムプラス動画で鑑賞でき、植物の息吹を感じながら心安らぐひとときが過ごせる素敵なテーブルになっています。

続いてやって来たのは、特別展示『未来のCybridマルシェ』です。

東京都立大学・岡本龍史さんと鳥取大学乾燥地研究センター・石井孝佳さんの研究から生まれた新たなCybrid植物「イネ-コムギ」や「トウモロコシ-コム」「パールミレットコムギ」を展示。

従来のイネや小麦、トウモロコシとは異なるCybrid植物を、種や苗の見た目や匂い、触感で体験できます。
野菜や果物の名前が書かれたキューブを自由に並び変え、自分だけのCybrid植物をつくれる体験コーナーもあり、息子のクリエティブ魂がメラメラ。

「次に行こうよ~」と声をかけても、その声が届かないほど夢中になってオリジナルのCybrid植物の考案を楽しんでいました。

え、海にこんなにゴミがあるの? 驚きが隠せない廃材ワークショップ

我が家が「人間×自然×技術=未来展」に訪れた日は、廃材をランタンに変身させるPimlico Arts JAPAN(ピムリコ アーツ ジャパン)によるワークショップも開催されるとのこと。息子に「やってみる?」と確認したところ「やりたい!」と即答だったので、事前に申し込んで参加することにしました。

ワークショップの会場となる「プレイグラウンド」は、休憩しても、作品の感想を話し合っても、勉強や仕事をしてもOK

参加費も材料費も無料なので、気軽に参加できるのが嬉しい限りです。
ランタンの材料となるのは、海に流出したプラスチックゴミ。実際に東京や千葉、静岡の海から集められたものを使用するのだそうです。
まずはプラスチック選びから始まるのですが、その多種多様な色と形に愕然!

選ぶのが楽しい一方で、これが全部海で浮遊していたゴミだと思うと胸が痛くなります。息子も「これ本当に海にあったゴミなの?」と驚きを隠せない様子でした。
好みのプラスチックを選んだら、豆電球のついた土台の上に積み上げていきます。

「どの色のプラスチックがキレイに光るかな?」「どうやって重ねたら安定するかな?」などと考え、試しながらつくっていくのが楽しそう。
プラスチックに光をたくさん通したいときは、スタッフに頼めばドリルで穴を開けたり広げたりしてくれます。

子どもたちから続々と寄せられるリクエストに手際よく応えて、穴を開けてくれるスタッフさん、頼もしい限りです。
プラスチックを重ねる順番が決まったら、グルーガンを使って一つずつ接着。

そして完成したランタンがこちら!

光の透け具合を重視し、透明プラスチックを多めに使用。割れた卵の殻のようなギザギザがアクセントになった個性的なデザインです。
「暗闇だともっとキレイに光るよ」というスタッフさんの言葉を受け、持ち帰ったランタンを自宅で点灯。

まさにその言葉どおり! 「ゴミだったプラスチックに、こんな素敵な灯りが灯るなんて……」と親子で感動のひとときでした。

まとめ

夏休みのおでかけ先をお探しながら、クリエイターたちの手掛けた、ここにしかない体験が楽しめる「人間×自然×技術=未来展」はいかが? 用意された体験は、すべて無料。気に入った体験は、何度でも楽しむことができます。自然と環境をテーマにした内容で、自由研究ネタにももってこいですよね。

「どうやって作品を観たらいいんだろう?」という方のために、会場には、来場者の作品鑑賞をサポートする“アートコミュニケーター”が常駐。予約不要の「鑑賞ツアー」が毎日開催(平日18:30~19:00、土休日14:00~14:30)されているので、その時間に合わせて出かけるのもおすすめですよ。

会場の奥で同時開催の「TOKYO FORWARD TOKYO2020レガシー展」「デジタルでみる東京自然いきもの展」もあわせて楽しめば、親子でまるっと1日過ごせるのも嬉しいところ。また駅近のスシテックスクエア周辺には、食事する場所がたくさんあります。午前中から訪れ、子どもの集中力が切れる前に外に出てランチ休憩を挟みつつ、午後からまた楽しむのも良さそうです。

(文・撮影:あゆーや/アソンデミエータ)

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