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2024年07月17日 06:22 更新

思春期の子どもに彼氏・彼女ができたみたい! 性教育はどうする?|私の体と心を守る本#3

思春期の子どもに彼氏・彼女ができたみたい。微笑ましく感じる一方、性教育はどうしよう? と不安を感じる方もいるのでは……?

今回は、親として思春期の子どもに教えたい
・からだの権利
・性的同意

などについて、「えんみちゃん」のニックネームで全国の小中高校で性教育活動を行っている産婦人科医の遠見才希子先生のレクチャーを『わたしの心と体を守る本 マンガでわかる! 性と体の大切なこと』(KADOKAWA)よりお届けします。

付き合うってむずかしい……

「からだの権利」と「同意」を知ろう

体をさわるときは同意が必要だよ

だれもが、自分の体に、だれが、どこに、どんなふうにさわることができるのかを決めるからだの権利をもっています。からだの権利を守るために、体にさわるときには、相手が「いいよ」という気持ちであることを確認する、同意が必要です。同意は、キスやセックスなど性的な行為にも深く関わります。相手の気持ちを聞いて同意をとることも、自分の気持ちを伝えることも、どちらも大切ですね。

体にさわられたとき、どんな気持ちかな?
・手をつなぐ        ・頭をなでられる  ・ハイタッチする  
・肩をぽんっとなたたかれる ・体をくすぐられる ・ハグをする

「バウンダリー」を 意識しよう

バウンダリーは人それぞれ
友だちならハグをしてもいいと思う人もいれば、体にさわられることやハグをすることが苦手な人もいるかもしれないね。バウンダリーは人それぞれちがうから、「わたしは平気だから、相手も平気」と決めつけずに、体をさわるときは、相手の気持ちを確認しよう。

だれかに体をさわられたときに感じる自分の気持ちは、とても大切です。たとえば、友だち同士で体をくすぐって遊んでいるとき、「いやだな」と感じたら、途中からでも「いやだ」「やめて」と伝えたり、その場からはなれたり、「くすぐるのは足だけにして」というように自分の気持ちを伝えたりしてもいいのです。

自分の体にさわっていいかどうかの境界線を決められるのは自分自身です。この境界線を、バウンダリーといいます。バウンダリーは人それぞれちがって、相手や場所、そのときどきによっても変わります。

相手や場所によって変わる
友だちと手をつなぐ、好きな人と手をつなぐ……同じ「手をつなぐ」という行為でも、相手によって感じる気持ちはちがうよね。バウンダリーは相手によっても、家の中か外か、など場所によっても変わるよ。体にふれる行為だけでなく、言葉や会話にもバウンダリーがあるよ。

性的同意ってなに?

性的なふれあいのときに大切な同意

キスやセックスなど、性的なふれあいをするときには、性的同意を確認することが必要です。「直接言うのははずかしい」「言わなくても雰囲気でわかるのでは」と思うかもしれません。しかし、「YES」(したい)「NO」(したくない)の意思をはっきりと確認し合うことは、より安全で安心できる性的な行為をするためにも、おたがいを尊重できる健康的なパートナーシップを築くためにも大切なことです。

◾️性的同意がとれている → YES!
◾️性的同意がとれていない → NO!
その行為はストップしよう!

性的同意が成り立つためには……

セックスをしたら妊娠や性感染症が起こりうることを知らない人に「いいよ」と言わせても、それは本当の同意とはいえません。また、相手に嫌われたくない気持ちが強いと、本当はしたくないのに「いいよ」と言ってしまうかもしれませんが、これも本当の同意とはいえません。性的同意が成り立つためには、正しい知識をもっていることや対等な関係であることが前提です。「したい」「したくない」どちらの気持ちもあることを理解して、気持ちを伝えやすい雰囲気をおたがいにつくることも大切です。性的同意がない性的な行為いは、性暴力といいます。

◾️途中で変わる気持ちも大切に
途中で「いやだな」と感じたら、行為は途中でストップ!

◾️ひとつひとつの行為に同意を
手をつなぐ、キスをする、など具体的な行為それぞれで同意を確認しよう。
◾️自分の気持ちは自分で決める
無理やり「いいよ」って言わされても、それは本当の同意じゃないよ。

◾️同意は毎回確認する
恋人同士でも、また、以前に同じことをしていても、毎回同意を確認しよう。

『わたしの心と体を守る本 マンガでわかる! 性と体の大切なこと』(著:遠見才希子、漫画:アベナオミ 、イラスト:碇優子、刊:KADOKAWA)より一部抜粋・再編集

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