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2023年01月25日 17:25 更新

「かえで(楓)」と「もみじ(紅葉)」の違いって? 見分け方、名前の由来、種類をわかりやすく解説

山が色鮮やかになる秋の紅葉シーズン。紅葉の名所に大勢の人が足を運んでいる光景をニュースで見かけますよね。さて、そんな色鮮やかな景色を彩る「かえで」と「もみじ」の違いをご存知ですか?本記事ではかえでともみじの違いと見分け方、由来などをわかりやすく解説しています。

「かえで」と「もみじ」の違いとは?

違い(1)分類

かえでともみじは植物学上での違いはありません。「ムクロジ科カエデ属」に属する同じ種類の植物なのです。また、もみじという品種は存在せず、かえでの中の数種類がもみじと呼ばれています。
植物学上では同じ分類ですが、一般的には、葉っぱが手のひらのような形をしていて、赤や黄色に色づくものがもみじという認識でしょう。このような認識は日本独特のものです。
ちなみに英語では、かえでは「Maple」、もみじは「Japanese Maple」と言います。よって世界的にももみじは、「日本のかえで」と認知されているわけです。

違い(2)葉っぱの形

かえでともみじの最もわかりやすい違いは葉っぱの形と、切れ込みの数です。切れ込みが浅いのはかえで、葉に5つ以上の深い切れ込みがあるのはもみじという説も。
葉っぱを見れば素人でもだいたい見分けがつきそうですよね。ぜひ葉っぱの形に着目して観察してみてください。

違い(3)名前の由来

かえでの名前の由来

「かえで」という名称の由来は、見た目にヒントがあります。かえでの葉の先はギザギザとした形。その形が古来より蛙の手に見立てられてきたと言われています。「かえるのて」が「かえるで」(蛙手)となり、さらに「かえで」と発音されるようになりました。

もみじの名前の由来

「もみじ」という言葉は、古語(※1)の「もみづ」(もみず)という動詞からきたものです。「もみづ」や「もみず」とは、植物が赤や黄色に色づくことを意味していて、本来はかえで以外の植物にも使われていました。しかし、中でもかえでの紅葉が見事だったことから、特に鮮やかに色づいた数種類のかえでが「もみじ」と呼ばれるようになったと言われています。

(※1)古語とは、昔は使われていたが現代では普通に使わない言葉のこと。

「かえで」と「もみじ」の種類

かえでの代表的な品種

サトウカエデ(砂糖楓)

カナダの国旗のモチーフにもなっているサトウカエデは、北アメリカを原産とするムクロジ科(カエデ科)の落葉広葉樹です。樹液から砂糖(メイプルシロップ)を採取するのに使われています。ワンシーズンに採取できるシロップは、幹に開けたひとつの穴から約1リットルほどなのでかなり希少価値が高いですね。

イタヤカエデ(板屋楓)

イタヤカエデは日本の広い範囲に分布するカエデの仲間。生育地が広いため環境による変種が多く、葉の形は地域や樹齢によってさまざま。しかし基本的には、おおむね円い形をしており、5つから7つに浅く裂けて、先端が尖り、葉の縁にギザギザがないのが特徴です。

トウカエデ(唐楓)

トウカエデは中国東南部および台湾が原産とするカエデの仲間。耐寒性に優れ、さらに乾燥や病害虫にも強いため、街路樹として植栽されることが多いです。葉の形状はさまざまで、浅く3つに裂けた葉もあれば、卵形に近いものもあります。葉の表面は光沢があり、裏面は白っぽい青緑色なのが特徴的。

もみじの代表的な品種

イロハモミジ(イロハカエデ)

イロハモミジは、和風庭園や公園、住宅の庭木として人気が高いもみじ。イロハカエデと呼ばれることもあります。紅葉期の赤色も大変きれいですが、葉っぱが整っているため、新緑も十分に映えます。

オオモミジ

オオモミジの葉は、長さが7センチから12センチ程度、幅は7センチから9センチ程度と大きいため、紅葉の彩りのなかで存在感があります。葉をよく見ると、縁がギザギザになっていて、きれいに揃っていることが特徴的。葉はおおむね7枚に割けます。赤くならずに黄色で落葉することもあります。

ヤマモミジ

本来ヤマモミジは15mくらいまで成長する高い木で、一般的には広い和風庭園の庭木として植栽されています。ですが、木が若いうちから上手に剪定しておけば、高さが出ないため、狭い庭でも可能。さらには盆栽や苔玉として楽しむこともできます。

紅葉は「もみじ」「こうよう」どう読めばいい? 読み方の使いわけ

文章中に「紅葉」という文字が出てきたとき、「こうよう」と読むのか、「もみじ」と読むのか、咄嗟にわからないこともありますよね。
紅葉と書いて「もみじ」と読む場合は、もみじの木や葉そのものを指します。これに対し、紅葉を「こうよう」と読む場合は、もみじに限定せず、緑の木々が赤や黄色に色づいている様子を指します。
このポイントを押さえておけば、前後の文脈から「こうよう」なのか「もみじ」なのかを見分け、読み分けることができるでしょう。

例文)山全体が赤く紅葉してきた。⇒これは「こうよう」と読む
例文)紅葉の葉っぱはきれいだな。⇒これは「もみじ」と読む

まとめ

・かえでともみじは植物の分類上では同じ種類
・葉に5つ以上の深い切れ込みがあるものがもみじ
・名前の由来:かえでは蛙の手から/もみじは古語の「もみず」という動詞から


かえでともみじの違いについてご紹介しました。植物学的には同じ分類で、種類も豊富にあり、葉っぱの形もたくさんあることがわかりましたね。紅葉シーズンにはそんなことを意識して景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。

(マイナビ子育て編集部)

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