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2022年02月17日 11:15 更新

ワレモコウ(吾亦紅)の花言葉|咲き方にちなんだ意味や驚きの名前の由来

ワレモコウ(吾亦紅)は花の中でもその咲き方が珍しく、咲き方にちなんだ花言葉も有名。また、少々ユニークな「ワレモコウ」という名前にも、思わず驚いてしまう由来のエピソードが残っています。ここでは、ワレモコウの概要や特徴、花言葉、名前の由来などを詳しく解説します。

秋の野花「ワレモコウ(吾亦紅)」の花言葉

ワレモコウ

ワレモコウは、夏~秋にかけて山野で自生する野花。長い茎の先に小さな花が集まって穂をつくり、ゆらゆら揺れる姿が印象的な花です。

そんなワレモコウの花言葉は「変化」「移ろい」「もの思い」。

ワレモコウの花は、穂の上から下へと先進む珍しい咲き方をします。花言葉の「変化」「移ろい」は、この上から下に移り(進み)ながら咲く、ワレモコウ独特の咲き方にちなんだものと考えられています。

もうひとつの花言葉、「もの思い」は、野で揺れるワレモコウの姿が考えごとをしているように見えることにちなんだものです。

ワレモコウ(吾亦紅)の特徴

ワレモコウ花アップ

ワレモコウは、長い茎の先に小さな花が密集した、なんとも珍しい形の植物。小さく集まった花に花びらはなく、葉っぱが変化した「萼(がく)と呼ばれるものと、小形の葉である苞(ほう)で、花が形成されています。

その小さな花が集まって、細長い茎の先に1~2㎝ほどの穂をつくります。属性はバラ科ですが、一般的なバラとはまったく異なる姿形が特徴的。

日本では北海道から九州まで、各地の山野で見ることができます。

ワレモコウ(吾亦紅)の基礎知識

ワレモコウ

・ワレモコウの分類…バラ科ワレモコウ属
・原産地…日本、朝鮮半島、中国、シベリア
・別名…チユ(地楡)、ダンゴバナ(団子花)
・開花期…7月~10月
・出回り期…8月~10月

ワレモコウ(吾亦紅)の花名の由来

ワレモコウは、その名前が源氏物語にも登場するほどの古くからの名称。

名前の由来は諸説ありますが、中には、昔人びとが花の色が何色かを議論している際、花が自ら「吾も亦紅なり(自分も美しい紅色の花の仲間である)」と言ったことから「吾亦紅-ワレモコウー」という名前になった、という話も。自ら美しさを訴え名前を獲得したという「日本むかしばなし」さながらのユニークな説です。

また、茎や葉に香りがあることから「吾木香-ワレモコウー」と名付けられたという説もあります。

ワレモコウ(吾亦紅)の誕生花

誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシア・ローマの神話に由来するとされています。
ワレモコウが誕生花となる生年月日は以下のとおりです。

8月25日、10月28日、11月19日

ワレモコウ(吾亦紅)でフラワーアレンジメント

ワレモコウアレンジ

花が小さく色も派手でないワレモコウは主張しすぎないため、フラワーアレンジメントのアクセントとしてもよく使用されます。長い茎は立体感を出すのにも最適。何種類かの花を花束にして包むときも、ワレモコウを添えるとより華やかになるでしょう。

また、乾燥させても色が褪せないため、ドライフラワーにもよく使われます。
生花の花束にマンネリさを感じたときは、ドライフラワーをプレゼントするのもよいかもしれません。

ワレモコウ(吾亦紅)は生薬としても役立つ

ワレモコウ生薬

ワレモコウの根を乾燥させたものを地楡(チユ)といい、生薬として使われています。使われるのは、止血ややけどの治療、湿疹の治療など。
漢方にも用いられ、痔の出血に効果的とされる「清肺湯(せいはいとう)」などに配合されています。

多くの歌人に愛された花

ワレモコウ歌人

野に咲き揺れる姿が印象的なワレモコウは多くの歌人たちの心を掴み、昔から歌に詠まれてきました。

小林一茶の有名な俳句にも

吾亦紅(ワレモコウ)さし出て花のつもり哉(かな)

一般的な花と姿形が異なるワレモコウに「それでも花のつもりかい?」と問うている句。ワレモコウがいかに特徴的な花であるかがわかる句です。

さだまさし 「小さく咲いた 吾もまた紅なり」

「北の国から」のテーマ曲で有名なさだまさしさんの曲にも「吾亦紅」があります。
さだまさしさんの楽曲「吾亦紅」は、鳥取県の分校の子どもたちと、実在するさだまさしさんの友人で子どもたちに野球を教える分校主任をモデルにつくられた歌。

野球を教える分校主任と子どもたちは、何度も本校に勝負を挑んでは負け続け、それでも「いつか本校に勝たせてやりたい」と分校主任は子どもたちに野球を教え続けます。
そして、さだまさしさんのもとに届いた「ついに勝ったぞ」の報告。

“奴からふいに手紙が届いた
ついに本校に勝ったぞと
手紙を読み乍ら 子供たちの瞳と
雄大な山を思い出してた
奴の得意気な顔と 色あざやかに
小さく咲いた 吾もまた紅なり
人あざやかに 色あざやかに
小さく咲いた 吾もまた紅なり“

小さな分校でも、「吾もまた紅なり」。
ワレモコウの名前の由来「自分も美しい花だ」という言葉と、誇りをもって挑み続け勝利を勝ち取った友人と子どもたちを重ねてつくられた歌のようです。

まとめ

「変化」「移ろい」「もの思い」と、その姿だけでなく花言葉もささやかで主張しすぎないワレモコウは、プレゼントの花束にも取り入れやすい花です。

プレゼントすると同時に、ワレモコウのユニークな名前の由来やワレモコウの俳句についても教えてあげると、会話が盛り上がるかもしれませんね。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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