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2021年12月03日 19:31 更新

多忙なパパ&ママが教えてくれた、仕事と家庭の両立に効くタイムマネジメント術6選 #渡邊大地の令和的ワーパパ道 Vol.19

『産後が始まった! 夫による、産後のリアル妻レポート』『夫婦のミゾが埋まらない 産後にすれ違う男女を変えるパートナーシップ学』(ともにKADOKAWA)など、夫婦のパートナーシップをテーマにした著書が話題の渡邊大地さんによる新連載! 令和における新たなワーパパ像を、読者のみなさんとともに考えます。

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兄弟姉妹の下の子というのは何かと上の子の真似をして、兄姉の好きな漫画を読んだり、音楽を聴いたり、はたまた悪ぶった口癖などを早くに覚えるものですが、我が家では長男(小6)の影響で、長女(小3)が一年くらい前から『マインクラフト』(以下、マイクラ)というプログラミング要素を持ったゲームを始め、さらにその影響で次女(年中)も現在絶賛マイクラにハマっています。

マイクラというのは、一言で言うと、何もないフィールドに好きなように材料を積み上げて、家を作ったり、街を作ったり、人間や動物などを配置したりすることができる、という「ゲーム版ブロック遊び」のようなものです。おうちでブロック遊びをしても、ブロックには数に限りがありますが、マイクラでは材料が無限にあるので、いくらでも世界を展開することができます。

これにハマっている次女、タブレットでどんどん自分の世界を拡張しています。こんなに小さいうちからプログラミングの素養ができたら、この子は将来何になるんだろう……という期待。

その次女がもっぱら建築しているのが「けえむしょ(刑務所)」。数々の残酷なトラップを配置したうえで、「パパ、ここから だつごくしてみて」とニヤニヤしながらタブレットを持ってきます。

再度思います、この子は将来何になるんだろう……。
考えている間に火あぶりになりました。

皆さん、こんにちは。渡邊大地です。今回も、「ワーパパ」とは何たるかを一緒に考えていきましょう!

ワーママに聞く!タイムマネジメント術 3選

前回前々回とで、とにかく毎日を無事に回していくための「ルーティン化アイデア」を紹介しました。今回は、仕事時間の工夫で少しでも自分や家族の時間を捻出するための「ワーパパ的タイムマネジメント術」を紹介していきたいと思います。

両立を目指すワーパパですから、まずは両立の大先輩・ワーママ達からアイデアを学ぶのが得策です。ぼくの知人のワーママ達から聞いたタイムマネジメント術を紹介しますね!

(1)子どもの体調変化に気づいたら先手を打つ

前回前々回の「ルーティン」と同じように、何事にも「事前に備えることで大事に至らないようにする」という選択がジワジワと大きな効果につながるということがあります。

ワーママの皆さんは、普段から子どもの熱っぽさや咳・くしゃみなどに敏感で、それほど重症ではなくても「念のために保育園を休ませる」という判断をすることがあります。

これは、いざという時に急に会社を休まないといけなくなることを防ぐためだったり、判断が遅れて休みが長期化してしまったりすることを防ぐためです。 面倒くさがらずに小児科を受診させ、早めに休ませ、早くに回復させる。長い目で見ると、時間の有効活用につながっているわけです。

(2)通勤中のお供は「聴く読書」

子育てしていると、ゆっくり読書の時間を確保するのは難しいですよね。ぼくが会社員だった十年前は、通勤電車の中で窮屈そうに新聞を読んでいるサラリーマンがたくさんいましたし、ビジネス書を読む人も多く見かけました。でも最近は、どこもかしこもスマホと睨めっこしていますよね。スマホでニュースチェックもいいんですが、せっかくまとまった通勤時間があるなら、読書にもってこいの時間じゃないですか。

そこで、「聴く読書」です。「聴く読書」とは、声優・ナレーターなどが本を朗読してくれる音声コンテンツのこと。これ、ぼくのまわりでは女性の方がよく利用しているようで、聴くスピードを変えられたり、前回の続きから再生できたりと、使い勝手も抜群。読書は余暇だけでなくインプットの役割もありますからね。ビジネス書のラインナップも増えているそうで、ママが使っているのを見てパパも取り入れる、というケースも結構あるみたいですよ。

(3)完璧よりも途中経過を大事にする

働いていると、「仕事とは、完璧にやりとげなければならないもの」という思いを持ちがちです。もちろん完璧な仕事ほど価値があるものかもしれません。でも、完璧にするまでに途方もない時間をかけてしまったり、完璧と信じる方向が違ったりすると、一気に価値は低くなってしまいます。

その点ワーママたちは、保育園からの急な呼び出しや急なお休みに対応するなかで、「途中経過」を同僚に報告して誤った方向に進まないよう、また、自分が急な欠勤・早退になった場合でも誰かが引き継げるようにしています。もしものときのために途中経過を社内でシェアすることで、完成までの最短距離を進んでいると言えるでしょう。
逆に言うと、これを見習えば、ワーパパも子どもの急な呼び出し要員として活躍できるということですよね。

ワーパパに聞く!タイムマネジメント術 3選

続いて、ワーパパ達が実践するタイムマネジメントも紹介します!
パパたちのアイデアには、働き方自体を変えるもののほかに、「周りの意識を変える」というものもありましたよ。

(1)「今日やること」を目立つように貼りだす

ぼくの知人の男性で、主にデスクワークをしている人がいます。定時が近くなると上司がフラッと現われては仕事を依頼していく、ということがしょっちゅうあって、せっかく定時退社を目標に頑張っていても結局残業させられてしまうのだそうです。

そこで、朝一で自分のデスクの目立つところに、「今日やること」をA4用紙に書き出して、目立つように貼ることにしました。最初は特に気にされることもなかったそうですが、毎日続けているうちに「あいつは毎日『今日やること』を貼りだすヤツだ」という認知がされていきました。そうすると、夕方上司がフラッと現われても、その紙を目にすると「ああ、今日やること決まってるんだよな、じゃあ明日でいいや」とUターンするようになったそうです。このように、周囲を巻き込んでなりたい自分をキャラ付けしていくのも、ひとつの方法かと思います。

(2)家族の写真をデスクに置く

「家族の写真を会社の机に置くのがタイムマネジメント?」と思われるでしょうが、これが意外と効くらしいんです。ぼくも会社員のときは、家庭と職場は相いれないもののような気がしていて、「職場に家庭を持ち込まない」という勝手な思い込みがありました。ですから、職場に家族写真を飾るなんて考えもしなかったです。

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でも、これを実践している知人いわく、家族の「顔」が知られると、職場の人も「あいつには小さい子どもがいるから、残業させるのは気が引けるな」という気持ちになったり、「子どもの行事は遠慮なく言ってくれよ」という空気になって、バイナラしやすくなるんだそうです(「バイナラ」知ってます? バイバイとサヨナラの合体です。古いです)。
先ほどの「今日やることを貼りだす」こともそうですが、最近のワーパパは「背中で語る(?)」ワザを使いこなしてますね。

(3)残業せずに、朝型ワークにシフト

仕事時間を全体的に朝方にシフトした人は、その効果を実感している人が多いようです。

かく言うぼく自身、朝は4時半起床で6時まで仕事をしています。6時には子どもたちを起こして、朝の時間が始まり、子どもを保育園に送っていったあと9時ころから再び始業しています。12時の昼休みの時点ですでに、早朝の1.5時間と午前中の3時間の計4.5時間仕事していますので、13時から16時半まで働くともう8時間労働です。フレックスタイムが利用できる方は、朝方にシフトすると保育園のお迎えも余裕でできるようになるというメリットがあります。

ぼく自身の経験で言うと、夜よりも早朝の方が仕事の効率も良く感じます。早寝早起きが功を奏したのか、風邪をひく頻度もかなり減ったので、仕事に穴をあけないという意味でも有効だと感じています。

タイムマネジメントするその前に

以上、6個のアイデアを紹介しました。全体を通して感じるのは、仕事時間を自分ひとりで何とかするのは難しい、ということです。お客様あっての仕事、商品・サービスがあっての仕事ですから、そのベースともなる同僚とのコミュニケーションは欠かせないということですよね。家族の時間を確保するためにも、やはり社内の人間関係を大事にしなければいけませんし、「忙しいときはお互い様」の精神を持つ、ということです。急な欠勤・早退も、育休取得の相談も、同僚との普段のコミュニケーションや協力があればこそですよね。

「自由時間」の定義って、夫婦で違う?

以前、ぼくが講師をしていている子育て中の夫婦向け講座で、受講者である女性から「産後のママは自分の時間がないけど、パパには自由な時間があるのでうらやまましいです。どうすればママも自分の時間が取れますか?」という質問が挙がりました。ほかのママからもウンウンとうなずく声。

一方、男性からは「オレたちも自分の時間なんてないよ。むしろママの方が時間たっぷりあってうらやましい」という意見が挙がりました。

お互いに、「自分には自由な時間がなくて、パートナーには自由な時間があると思っている」という図式です。

よくよく意見交換をしてみると、ママ達は、パパの「通勤時間」を自由時間だと思っていました。本も読めるし、音楽も聴けるし、何よりひとりで通勤できるじゃないか、うらやましい! とのこと。

ところが、パパ達からすると「家にいる時間」こそ自由時間じゃないかと。仕事のことを考えずに済むし、かわいい子どもと一緒に過ごせるなんてうらやましい!という意見です。

「通勤時間は、ギュウギュウの満員電車で酸欠になりながら必死に会社に向かってるんだよ!」というパパの声もあると思います。その一方で、「家で赤ちゃんのお世話をしてて、自分の時間なんかあるわけない! 睡眠不足で倒れそうだ!」というママの声もあるでしょう。どっちが正しいとかじゃなく、お互いに自由時間に求めるものが違うということ、そして、どちらも自由時間が欲しいと思っている、ってことですよね。もしこれを読んでいるパパ・ママが「自由な時間が欲しい」と感じているなら、まずは夫婦で「自由時間」について話し合い、夫婦間の認識の差を埋めることから始めてみてもいいかもしれません。

子育て夫婦はみんな忙しいし、みんな疲れています。そして、みんな毎日頑張っています。家族や自分の時間を確保することはもちろん、何かあったときに臨機応変に対応できるような働き方をして、両立生活を過ごしていけるといいですよね。

今回のまとめ

家族のために、社内の人間関係を大切にできるワーパパになろう!

(文:渡邊大地、イラスト:村澤 綾香、編集:マイナビ子育て編集部)

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