【重曹の掃除法】得意な汚れ・苦手な汚れを知って使いこなそう!
お掃除で重曹を使うことはよく知られてきましたが、実際どんな汚れを落とすのが得意か、どんな使い方をすればいいのか、よくわからないから……と手を出せないままではないですか? 実は、汚れに合わせていろいろな使い方ができる優れもの! 今回はそんな重曹を活用した、具体的なお掃除活用法をご紹介します。
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重曹はどんなもの?
こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。
「重曹で掃除する」ことは、ずいぶん前から認知されていますが、実際のところ、どんな汚れにどんな風に使ったらいいの? と手を出せずにいる方も多いのではないでしょうか?
重曹の特徴を知っておくと、得意なこと、不得意なことがわかり、効果的にお掃除に活用できるようになりますよ。
重曹は弱アルカリ性
重曹は炭酸水素ナトリウムのこと。英語では、ベーキングソーダと呼ばれます。
常温で長期保管できる、比較的扱いやすい簡単な白い粉末で、昔は医療品として使用されたり、膨らまし粉としてお菓子作りなどでも使われてきました。小さなお子さんやペットを飼われている方などにも安心して使える、人にも動物にも優しい自然素材のものです。
水溶液は弱アルカリ性なので、その特徴を生かしてお掃除に効果的に活用することができます。
アルカリ性の特徴
アルカリは脂肪やたんぱく質、炭水化物などの有機物を分解したり溶解したりする働きがあります。化学反応を利用して汚れを落としやすくするので、力を長時間費やさずに、短い時間で簡単に落とせるようになります。アルカリ性のものは酸性の汚れに対して使うと、中和して中性に近づき汚れが取れやすくなります。
水に溶けにくい
重曹は粒子の細かい粉末です。湿気を吸って固まりやすい性質を持っていますが、その割に水にはあまり溶けません。水に混ぜても、重曹が多いときは溶けずに沈殿して残ります。
しかし、これがお掃除の時にはパワーを発揮! 粒子の細かいクレンザー(研磨剤)として、汚れを削り落としてくれます。
発泡性
重曹は温めると二酸化炭素が発生し、泡が出てきます。また、重曹には酸と反応して炭酸ガスを発生する性質があるため、それを利用して、泡で汚れを浮かせて取れやすくすることもできます。
重曹が得意な汚れ・苦手な汚れ
では重曹は、どんな汚れが得意で、どんな汚れが苦手なのでしょうか?
得意な汚れ
弱アルカリ性、水に溶けにくい(研磨剤)、発泡性という重曹の3つの特徴を活用して、たくさんのものをキレイにすることができます。
油汚れ
キッチンは、酸性の汚れがたくさん付いてしまう場所。
特に落とすのが大変なのは油汚れ! ガスコンロ周辺、五徳、換気扇、壁、シンクなど油や食べ物が飛び散ることも多い場所です。ここは、家の汚れの中でも手ごわいところなので、重曹を使って酸性の汚れを中和させて取れやすくしましょう。
可能ならば、お湯を使ったり、鍋で温めたりしてこびりついた油汚れを緩めてあげると、より効果的に落とすことができますよ♪
焦げ落とし
クレンザー(研磨剤)として、お鍋や五徳の焦げ付きを磨くのにも! 浸け置きして、焦げを緩ませてから磨くのがおすすめです。
皮脂汚れ
床やドアノブ、スイッチなど、家の中には手あかや皮脂汚れが思っている以上に付いています。水拭きよりもすっきりきれいに汚れが落ち、消臭効果もあります。
酸性の臭いの脱臭
酸性の臭いも中和して脱臭してくれます。生ごみや体臭は酸性なので、ごみ箱やまな板、靴箱や排水溝などで活用できるんです。また、お掃除ではありませんが、肉や魚の臭い取りにも役立ちますよ。
苦手な汚れ
さまざまな場所の汚れが落とせる重曹。弱アルカリ性なので、人や動物、自然には優しいのですが、洗浄力はそこまで強力ではありません。
例えば……
・しつこい汚れ
弱酸性なので、落とすにはパワー不足で難しいときがあります。そんな時は、アルカリ性のより強い洗剤で落としてください。
・アルカリ性の汚れ
水垢、カルキ、アンモニア臭などはアルカリ性のため、中和できないので向いていません。酸性のもので落としてください。
汚れの度合いによって、重曹の使い方や回数を変えてみることも必要ですが、それでも難しいようなら適したもので落としてくださいね。
重曹の使い方
重曹は粉末なので、用途に合わせて自由自在に形を変えて、効果的に汚れにアプローチすることができます。そのいくつかをご紹介します。
粉のまま使う
汚れに直接振りかけて使うことができます。
【 脱臭 】
玄関や冷蔵庫の中など、体臭や生ものの臭いは、酸性なので中和して脱臭できます。蓋のない器に、重曹を入れて置いてみてください! 効果は2カ月ほど持つので、その後はお掃除用に使うことができます。また、洗濯するには骨がおれる、ぬいぐるみのお手入れにも使えます。重曹を振りかけてしばらく置き、粉をはたいたり掃除機で吸ったりして汚れやニオイを取ることができますよ。
【 汚れ落とし 】
汚れに直接かけたり、水を含ませたスポンジに付けて汚れを落とします。頑固な油汚れには、粉のまま振りかけてしばらく置いて浸透させてから落としてみてください。重曹をそのまま使うので、粉を洗い流すか、何度も拭き取ることができるものに向いています。
我が家はガスコンロではなくIHなので、油のべたべた汚れはさほどないのですが、焼き焦げが少しずつ付いてきます。先日念入りに取ったばかりでしたが、よく見ると小さな焦げ付きが!
焦げ付き汚れは、ガリガリに固まってしまうと水拭きでは取れません。放っておくとみっちりと付いてしまい、削り落とすのに相当の時間と労力を費やさなくてはいけなくなるでしょう。そうなる前に! 重曹を使って、お掃除してみました。
重曹を直接振りかけ、水を含ませたスポンジでくるくる磨くとあっという間にピカピカに! 軽めの焦げ付きだったので一瞬で取れました。スポンジをみたら、意外と汚れがこんなについていたなんて! とびっくり。
ペースト
クレンザー効果を上げるため、水を加えてペーストにすると使いやすいのでおすすめです。汚れにしっかり被せて流れ落ちにくいのも利点。しっかり浸透させて酸性汚れを中和し、落としやすくすることができます。お掃除の後に洗い流したり、何度も拭き取ったりできるものに向いています。
こまめに拭いていても、よく見ると隅には油汚れが固まって付いていました。これは、水拭きではなかなか取れません。また、わずかな溝に入り込んでいるため取りにくくなっています。
こんな場所は、ペーストで覆ってパックしてあげましょう。中和するようしばらく置いておきます。
しばらく放置してからスポンジで磨いてあげると、クレンザー効果もあって汚れがかき出されスッキリ! 細かな凸凹に入り込んでいる汚れも磨き落としてくれます。
重曹水
重曹水は乾いてから白い跡が残ってしまうので、スプレーした後はきちんと拭いてください。薄めてある分、洗浄力は弱くなりますが、優しく作用させたい場所には安心です。フローリングや家具などの塗装が剥がれる心配も減り、広い範囲で使うことができます。
頑固な汚れを取るのは難しいですが、軽い汚れやニオイを取るのにはとても使いやすい。常備しておくと、サッと取り出せて手軽に使えるようになり重宝します。
浸け置き
お風呂のお湯に重曹を入れて溶かし、蓋やいす、桶やおもちゃなど一晩漬けこんでみると、湯垢や汚れ、カビなどスッキリします。浴槽とお風呂小物がいっぺんに掃除できて、家事の時短になります。
加熱
加熱すると二酸化炭素が発生する性質を持っているので、鍋に重曹と水を入れて沸かせば、アルカリと泡の力で汚れにアプローチさせることができます。キッチン用品で加熱できるものは一緒に入れると、焦げや油汚れも緩んでさらに落ちやすくなりますよ。
酸と一緒に
重曹は酸と反応して炭酸ガスを発生する性質があります。その発砲作用で、汚れを浮かせてお掃除するのも効果的です。キッチンや洗面所のシンクや浴槽、洗濯機などの排水溝の臭いや汚れを取るのに向いています。クエン酸、酢、レモンなど酸性のものと水を混ぜてください。
石鹸と一緒に
石鹸はアルカリ性なので、一緒に使うと洗浄力が増します。洗濯でも石鹸をお使いの場合は、補助剤として重曹をプラスすると、洗浄力だけでなく除臭効果が期待できます。初めから配合されている重曹石鹸のスプレーも商品化されているので便利。
IHのスイッチ周りが、地味に黄色く汚れて、拭いても落ちないので使ってみました。
シュッシュとかけて拭いても取れなかったので、ティッシュを被せて10分放置して浸透させてみると……
右側はティッシュでパックした方で、左側はスプレーしただけ。この違いは一目瞭然です。
全部パックして、仕上げに金属たわしで傷がつかないように、軽~く軽~くくるくる磨いたらこんなにピカピカになりました! 意外にもなかなか取れない、しつこい汚れでしたがスッキリです。
注意事項
重曹は弱アルカリの特徴のため、いくつかの注意事項があります。
・アルカリはアルミニウムを溶かす働きがあるので使用しない(銅も避ける)
・たんぱく質を分解する働きがあるので、目に入らないように注意
・長時間使うときはゴム手袋を使用する
・熱湯に入れると吹きこぼれるので注意
・柔らかい素材、傷が付きやすいものには気を付けて使用
・高温多湿のところは避けて、湿気が入らないように保管
・革、畳やござ、フローリングなど変色や塗装が剥げる場合があるので、目立たない場所で確認してから使用
重曹はどこで手に入る?
重曹は「医療用」「食用」「工業用」の3つに分類されますが、お掃除には一番安価な工業用を使います。ネット注文はもちろん、スーパーやドラッグストア、100均でも扱っているので、入手することは簡単です。重曹を配合したシートやスポンジなどの商品も数多くあるので、使いやすいものを試してみてください。
まとめ
重曹は人にも動物にも自然にも優しい天然素材ですが、弱アルカリ性、水に溶けにくい(研磨剤)、発泡性という重曹の3つの特徴を活用してたくさんのものをキレイにすることができます。使い方も用途に合わせて自由自在に変えられるので、幅広く活用できます。入手しやすいものなのでお掃除アイテムとして常備してみてはどうでしょう?
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