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2024年05月18日 13:05 更新

<18歳意識調査>日本を含む6カ国でアンケートを実施、日本の18歳は自己肯定感の低さが目立つ結果に

世の中の動きが速い現代社会。子どもが大きくなってくると、親子で世代間のギャップを感じる人もいるのではないでしょうか。日本財団では定期的に「18歳意識調査」を発表していますが、今回はその第62回の結果をもとに、18歳前後の若者がいま自分自身についてどう思っているのか、一緒に見てみましょう。

世界6カ国、各1,000人の若者に調査

人種・国境を越えて、市民、企業、NPO、政府、国際機関などと連携し、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援といった幅広い分野の活動の支援を行っている日本財団では、次世代を担う若者の意識を問う「18歳意識調査」を継続的に実施しています。先日公表された第62回の調査では「国や社会に対する意識」をテーマに、日本、アメリカ、イギリス、中国、韓国、インド6カ国の17歳~19歳を対象にアンケートを実施しました。

「自分には誇れる個性がある」日本は6カ国中で最少

「自分自身について、以下の項目に同意するか」を聞いた設問の回答を見ると、日本では「勉強、仕事、趣味など、何か夢中になれることがある」という項目が71.3%で最も同意する割合が多くなりました。「目標を立て、何かを達成した経験がある」が68.9%で続きます。

日本財団「18歳意識調査 第62回 -国や社会に対する意識(6カ国調査)-」より
日本財団「18歳意識調査 第62回 -国や社会に対する意識(6カ国調査)-」より

一方、他の国と10ポイント以上の差がついた項目も見られます。「自分のしていることには、目的や意味がある」(62.8%)、「将来の夢を持っている」(60.1%)、「自分は他人から必要とされている」(56.8%)、「自分には人に誇れる個性がある」(53.5%)の4つに関しては、他の5カ国に比べて「同意する」人の割合が少ないことが目立ちます。

「自分は大人だと思う」日本は唯一の5割未満

次に、「自分と社会の関わりについて、以下の項目に同意するか」を聞いた設問の回答を見てみます。全13項目のうち、まずは6項目について確認しましょう。

日本で同意する割合が多かったのは、「国や社会に役立つことをしたいと思う」(64.3%)、「自分は責任がある社会の一員だと思う」(61.1%)、「ボランティア活動に参加したい」(60.4%)でした。

日本財団「18歳意識調査 第62回 -国や社会に対する意識(6カ国調査)-」より
日本財団「18歳意識調査 第62回 -国や社会に対する意識(6カ国調査)-」より

また、日本の特徴として、すべての項目において7割を超えたものはなく、いずれも6カ国中最も低い数値となりました。とくに、「自分は大人だと思う」(49.6%)と「自分の行動で、国や社会を変えられると思う」(45.8%)は5割を切っています。「自分は大人だと思う」については、最も高い中国とは40ポイント、日本の次に少ない韓国とも10ポイント以上の差がありました。

日本の若者は政治に対する積極性が低い傾向

さらに、政治的な面における社会との関わりについて聞いた7項目について、回答を見てみましょう。

1つ前の設問同様、やはりどの項目でも6カ国中で日本が最下位でした。日本で唯一、7割を超える人が「同意する」と回答した項目は「自分が生きていくうえで、他人に迷惑をかけないことは重要だ」(71.9%)。ほかの項目に関しては7割を切っています。

日本財団「18歳意識調査 第62回 -国や社会に対する意識(6カ国調査)-」より
日本財団「18歳意識調査 第62回 -国や社会に対する意識(6カ国調査)-」より

とくに他国との差が大きい項目としては「政治や選挙、社会問題について、自分の考えを持っている」(53.5%)、「政治選挙社会問題について家族や友人と議論することがある」(50.5%)、「地域の集会や行事で、近所の人と知り合う機会がある」(48.0%)、など。政治への関心の低さや地域社会とのつながりの弱さがうかがえる結果となっています。

まとめ

日本の若者は他の5カ国と比べて、自己肯定感が低い傾向にあることが、今回の調査結果からはうかがえました。また、社会への関わりに対する意識も他国と比べて低いといえます。自己肯定感が低いと、自分の社会への影響力も弱いと感じやすいのではないかと思われます。2022年に成年年齢が引き下げられたのは記憶に新しいところ。子どもが成長する過程で自分と社会とのつながりを自然と意識できるよう、親としても早いうちから働きかけてあげたいですね。

(マイナビ子育て編集部)

調査概要

18歳意識調査 第62回 -国や社会に対する意識(6カ国調査)-/日本財団
調査対象:日本、イギリス、アメリカ、中国、韓国、インドの17歳~19歳の男女
調査時期:2024年2月22日~3月5日
有効回答数:各国1,000

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