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2024年01月01日 11:11 更新

2024年こそ「学べる私」に! ワーママはるが語る、大事な“引き出し”とは?|尾石晴さんインタビュー前編

新年明けましておめでとうございます! お正月早々「今年こそ何かを学びたい! 自分をアップデートしたい!」と意欲にかられたママ・パパも多いのでは? ただ「昨年も同じ目標を立てたのに忙しくて結局計画倒れだったよ〜」なんてこと、あるあるですよね。

そこで今回は「大人にとっての“学び“とは?」「多忙な毎日と“学び”を両立させるには?」について、「学びの引き出し」をテーマにした書籍(KADOKAWA刊『「やりたいこと」が次々見つかる 自分らしく生きている人の学びの引き出し術』)を出版した、“ワーママはる”こと尾石晴さんにお話を聞きました。

何気ない毎日を送っているだけ。それでもあなたはすでに学んでいる!

――尾石さん、単刀直入に聞きますがそもそも大人にとっての「学び」とは一体何でしょう? イメージとしては「資格取得」だったり「英語の勉強」だったりで、結局何もできない自分が嫌になってしまうのですが……。

尾石晴さん(以下 尾石) 何かを試したり知識を得たりして少しでも自分自身に変化が起きたら、それはすべて学びだと私は考えています。英語の勉強や資格取得はもちろん学びの一つですが、それよりも人との会話を通して気づいたことだったり、子育ての知恵だったり。自分自身を変化させる知識や経験って、日常の中にたくさん転がっているんですけど、気づいてない方が多いですね。

――確かに! 「学び」ってすごく高尚な、敷居の高いものだと感じていました!

尾石 そうではありません。「いつものレストランで 普段と違うBランチを頼んでみたら、口に合わなくて、いつも選ぶAランチのほうが好きだった」……こういった日々の何気ない経験からの気づきも自分自身への理解を深める学びなんですよね。

ほかにも「忙しい生活の中で家電の使い方を工夫したらすごく便利だった」とか「子育てをする中で便利グッズを使ってみたらよかった」というのも、学び。「ある本を読んでみたらとてもおもしろかった」というのも学びなんです。

――それだと、「多忙な生活の中で何か学ばないと」って気持ちも和らぎますね。

尾石 はい。今回の著書の中でも書いていますが、私は誰しもが「お前はもうすでに学んでいる!」と思っています(笑)。

より自分に合った人生の選択ができる! それが大人の学びのメリット

――大人が学ぶメリットって何でしょうか?

尾石 大人になるほど、主体的に何かを選択できる場面が増えると思うのですが、そのときに自分に合ったよりよい選択ができるようになることがメリットですね。私はその人自身の過去の経験や知識の集まりを「学びの引き出し」と呼んでいますが、この「学びの引き出し」の活用こそ、人が自分らしく生きていくためのヒントだと考えています。

――「学びの引き出し」を活用するためには、何をすればいいのでしょう?

尾石 まずは自己理解です。これまでの学び(自分自身が変化した知識や経験)を掘り起こして「なぜ自分はそれが気になったのか?」「なぜ自分はそれを選んだか?」「なぜ好きなのか?」自分に質問してみます。そのうち、自分自身が本当に興味があることや、向いていること、努力が苦にならないものがわかったり、逆にやらない方がいいこと、活躍できない場所も見えてきたりすると思います。

――やるべきことだけではなく、やらない方がいいこともわかるのですね。

尾石 はい。例えば英語をやりたい人が多いですが、これから一生国内で仕事してドメスティックに生きていく、英語を取得したとしても使う場面がないというなら、今から無理して英語を勉強するよりもっと違うことをやった方が良いはずです。やらないことが見えますよね。

――なるほど! 無意識に「英語ってなんか必要そう。(今のところ必要ないし、興味もないけど)やんなきゃ……!」と謎の焦燥感に駆られていました(汗)

尾石 現代は情報が溢れているので、振り回されてしまうんです。だからこそ、「自分はこういうことはやらない」って決めるのも大事です。

――確かに子どもを育てながら仕事もしているとそれだけで余裕がないですし、実は自分が興味ないことや合わないことを学んでる場合じゃないですね……!

尾石 そうですね。と言っても、10代や20代のときなら、何を試してみてもいいと思います。若い頃は、自分に合わないこともむしろたくさんやったほうがいいし、結果、合わないと気づくことが学びとなります。でも、30代、40代、50代になっても、合わない場所にいるのは、きついと思うんです。年齢を重ねても過去の学びを生かせられず、自分自身のことがよくわからないし、世間の情報に振り回されてばかりとなれば、とても生きにくいはずです。

――自分自身をよく知って、自分が本当に興味のある分野で学ぶのが大事ですね。

尾石 はい。例えば「片付け」という家事がありますね。片付けって多くの人は嫌いだったり苦手だったりすると思うんですけど、そこにハマって仕事にしている方がいる。これは、その方が「片付けることがおもしろい」と自ら気づいてる、つまりは自己理解ができているから、とことん突き詰められているのだと思います。そういう自分を知り、輝ける場所を見つけることが大事です。

子どもを観察し、個性を伸ばす手伝いを

尾石 自分を振り返って自分に合うものを見つけることは、子育てにも共通して言えます。SNSを見ていると、子どもの習い事や受験など、いろいろな情報に溢れていますよね。「スイミングはいいらしいよ」とか「中学受験もした方がいいよ」とか。そう言われると、そうなのかなと思って選びたくなるんですが、まずは我が子のことを観察する方がよいと思います。子どもを観察すると「この子は、水泳よりも違うことをやった方が本人も楽しそうだし、向いているな」と気づくかもしれません。

――子育てに関する学びはご自身の経験から得たものですか?

尾石 はい。我が家には小1と小5の息子がいるんですけど、まったく正反対のタイプなんです。彼らを見ていると、親がどうこうできる部分は少ないと感じます。まあ、長男も次男も、親がこうしてほしいと思っても本人がしたいように育つとは思うので(笑)、私たち親ができることは、彼らが持つ個性を観察して、伸ばすためのちょっとしたお手伝いぐらいです。育ててやってるなんて姿勢で子どもと接するのは難しい。日々子どもから教えられていることの方が多いですね。

※後編へ続きます

(解説:尾石晴、取材・文/江原めぐみ、構成:マイナビ子育て編集部)
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