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2023年07月26日 11:09 更新

コロナ禍きっかけで、地方移住への関心が約6割まで増加!移住したい理由トップは「子育て環境の良いところに住みたい」

ネクストレベルが運営する縁結び大学はこのほど、既婚男女192人を対象に「地方移住意識の実態調査」を行いました。

高まる地方移住への関心、理想の暮らしと現状のギャップとは?

総務省が発表した「令和3年度における移住相談に関する調査結果」(※1)によると、昨今、地方移住の相談件数が増加。テレワークの浸透などをきっかけに、地方移住への意識が高まっているものと考えられます。みなさんのなかにも、移住を予定または検討しているという人もいるかもしれませんね。

一方で、地方移住のハードルが下がったとはいえ、事前の情報収集や住まい探しなどやるべきことが山ほどあるため、一朝一夕で地方暮らしが手に入るわけではありません。また、住環境ががらりと変わるのでパートナーや家族の協力は不可欠です。

そこで行われた今回の調査。ヒアリング結果から、地方移住への関心、理想の暮らしと現状、男女の意識に違いはあるのかなどについて見ていきましょう。

(※1)参考:「令和3年度における移住相談に関する調査結果」:https://www.soumu.go.jp/main_content/000845682.pdf

約6割が地方移住に関心あり

まず最初に、地方移住への関心度合について探っています。

全体では、「移住してみたい」(24.5%)、「前向きに検討している」(7.3%)、「移住するつもり」(4.7%)など合わせて57.3%の既婚男女が、地方移住への関心を持っていることがわかりました。

「移住に関心がある」は、男性の方が女性よりも高い結果に

男女別にくわしく見てみると、男性は「移住してみたい」「移住するつもり」といった前向きな姿勢が合計で62.6%で、「移住を考えたことはない」の37.4%を大きく上回りました。

一方、女性は前向きな姿勢の回答が合計で52.5%、「移住を考えたことはない」が47.5%で、男性よりも賛否の差が小さく、男性の方が地方移住に関心がある様子がうかがえます。

「移住についてパートナーや家族に相談した」は約6割

そこで、移住についてパートナーや家族と話し合ったことはあるかについて聞きました。

移住についてパートナー・家族と話し合ったかどうかに対して「はい」が51.8%、「これからしようと思う」が7.3%で、合計59.1%が地方移住への思いをパートナーや家族へ共有している(または共有しようとしている)という結果です。

「移住を考えたことがない」という人も含めた全体に対する割合で見ても、30.7%の人が家族へ相談するほど本気度高く移住を検討していることがわかりました。

「移住に関心がある」は、コロナ禍前後でじわり増加

次に、移住についていつ頃から考えるようになったかについて見てみましょう。

コロナ禍に突入した3年前から増加し2年前がピークで18.6%、以降多少減少するものの1年未満までの合計が65.8%となり、「5年以上前から」「4年前」のコロナ禍以前(34.2%)と比べて約2倍の上昇となりました。

新型コロナウイルスの流行やテレワークの実施をきっかけに、「地方に移住したい」と考える夫婦が徐々に増えていった様子がわかります。

地方移住を意識したのは「子育て環境の良いところに住みたい」が最多

地方移住を考えるにいたった“きっかけ”についても聞いています。

もっとも多かったのは「子育て環境の良いところに住みたいから」(16.5%)で、他にも「生まれ故郷で生活したいから」(12.8%)、「親・兄弟・友人・親戚などの近くに住みたいから」(10.1%)などが挙がりました。

『自然豊かな地方であれば、子どもものびのびと過ごせそう』といった思いで地方に注目している人がもっとも多いとはいえ、割合としては6人に1人程度で大きな偏りは見られません。「その他」の理由を挙げた人が17.4%だったことからも、さまざまな理由で地方移住を考えている人が多いことがわかりました。

また地方への移住ではなく、「日本ではなく海外に移住したい」(13.8%)という意見も見られました。

希望する移住タイプは、故郷とは別の地域に移住する「Iターン」がトップ

ここからは移住を考える人が思い描く「地方での暮らし」とは一体どのようなものか、詳しく調べています。

最初に、移住を検討するなら、移住タイプ(Uターン、Iターン、Jターン)はどれかについて聞いてみました。

※Uターン(地元に戻る)/Jターン(地元から近い都道府県や同じ県内でも異なる市町村に移住する場合)/Iターン(生まれ育った場所で働いたのち、出身地ではない場所へ移住)

最も多かった移住タイプは、故郷とは別の地域に移住する「Iターン型」で33.0%。次いで故郷に移住する「Uターン型」の27.5%、故郷に近い地方都市に移り住む「Jターン型」の13.8%でした。

「どれもあてはまらない」と回答した人の多くは、海外への移住を希望、移住先まで具体的に考えていないというケースでしたが、なかには都会への移住を希望する人もいました。地方だからこその不便さから、都会へ移住したいという声もあるようです。

理想の移住先としては「福岡」「沖縄」が人気に

次に、希望する移住先とその理由について自由回答形式で聞いてみました。理想の移住先として名前が多く挙がった地名から順に紹介しています(一部抜粋)。

福岡:今まで住んだことのないところに住んでみたいと思ったから。また、移住すると新しい人間関係や生活環境が構築されるのが楽しみだから。 (40代女性・東京都)
沖縄県宮古島市:リゾートのような海に囲まれたところで、休みの日にドライブで行くだけで旅行気分が味わえたら幸せだと思ったから。(20代女性・埼玉県越谷市)
長野県:ゆっくりのんびり生活に憧れがあるため。(40代女性・埼玉県)
北海道:自然豊かで、食べ物がおいしい土地で生活してみたいから。(30代男性・北海道)
静岡県富士市:さまざまなテレビで、脱サラして自分でお店を始めた人を見ていいなと思ったため。(30代女性・静岡県静岡市)

回答については、移住先に対してポジティブなイメージや期待感を抱ける理由が多く見られました。「のんびりしたい」「経済的なゆとりをもちたい」など、やはりコメントからも移住の目的は人それぞれであることがうかがえます。

移住先に求めるのは「のんびり過ごしたい」が約6割

移住希望者に対し、移住先を選択する上でのポイントを聞くと、1位は「のんびり過ごしたい」で57.3%、2位は「子どもの子育てに良い環境が整っている」で43.2%、3位は「生活費を抑えたい」が37.0%でした。

移住先に求める要素を見てみると、田舎生活への期待だけでなく、都会生活から逃れたいという願望も大きいことがわかります。1位の「のんびり過ごしたい」というのも、もしかすると都会生活の疲れからくるものなのかも知れません。

地方移住の懸念点、仕事面や金銭面、人付き合いなどに不安あり

また、理想の暮らしと懸念点について自由回答形式で聞いてみたところ、下記のような回答が寄せられました(一部抜粋:理想の暮らし/懸念点)。

理想:自然に近い人間らしい暮らし/懸念:仕事があるかどうか(30代女性・東京都)
理想:子供がのびのび成長でき、家族がストレス無くのんびり生活できる/懸念:金銭面や、移住先での就職(30代女性・高知県)
理想:こども(小学生/幼稚園生)にやさしい地域で文武両道な教育をしていきたい/懸念:移住先での仕事探し・子供の新しい環境でなじめるか(30代男性・神奈川県)
理想:温暖な地域でアクティブを楽しんだりして暮らしたい/懸念:地域の住民の人とうまくやっていけるかが心配(50代女性・島根県)

地方移住の理想ではさまざまな意見がありましたが、懸念点に関しては仕事面や生活面、人付き合い、金銭面などへの不安が多く偏りが見られました。

都市部から地方へ移住する場合、仕事や暮らし方など様々な面でライフスタイル自体が変化します。慣れない土地での生活に戸惑うこともあるでしょう。そのような戸惑いに対し懸念を抱くのは当然といえそうです。

地方移住で行政に求めるものは?

地方移住への関心が高まり、いま行政は移住支援に積極的になっています。

こうした中、移住希望者が移住にあたり国や自治体に何を求めるのかについて、自由回答形式で聞いてみました。

【自治体や政府に求めるのは「住まいに関わる支援制度」】
「移住に関して、自治体や国に求めることなどを教えてください」の回答は以下の通りです(一部抜粋)。

・移住する際に国から補助金などがほしい。 どの手続きを踏めば移住がスムーズにできるか一覧などが欲しい。(20代女性・愛知県)
・住居の確保、仕事、移住に関する費用の補助。(30代女性・愛知県)
・補助金や支援があるといいです。(40代女性・大阪府)
・金銭的な子育て支援および公教育の充実。(30代女性・東京都)
・遠方からの移住であれば補助金があると嬉しいです。(30代男性・神奈川県)
・お試し移住が最低1ヶ月間程度はできた方がいい。(60代女性・奈良県)

国や自治体に求めるものとしては、子育て支援や、引越し費用の補助、お試し移住制度といった住まいに関わる支援制度を求める声が散見されました。

自治体によっては、希望のあった子育て支援や住居支援が充実しているところもありますが、そういった市区町村を探すのが難しいというのは現実問題としてありそうです。

地方移住ができない理由は、仕事面の問題が44%

最後に、「移住をしたくてもできない」あるいは「やらない」人に対し、その原因を尋ねました。

もっとも多かったのは「仕事の勤務状態、勤務形態」(23.6%)で、次が「働き先の確保」(20.0%)と、仕事面の問題が1・2位となり合計44%という結果でした。

リモート勤務が可能な企業が増えたとはいえ、依然として仕事面が大きな障壁となっているようです。

調査概要

調査方法:インターネットアンケート
アンケート母数:既婚男女192名
実施日:2023年6月3日〜6月14日
調査実施主体:縁結び大学(https://jsbs2012.jp/date/
調査会社:ネクストレベル

(マイナビ子育て編集部)

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