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2023年05月01日 07:21 更新

子供が発熱時に意識を失い、手足や全身がふるえる「熱性けいれん」 正しい対処法は?

4月にSNSで子供の「熱性けいれん」が話題となりました。発熱した子供が突然意識を失ったり、白目をむいたり、体をふるわせたりすると、保護者も心配のあまりパニックになりかねません。いざという時のために正しい対処法を森戸先生に聞きました。

けいれん時は体を押さえたり揺すったりしないで

(※画像はイメージです/PhotoAC)

子供は38度以上の熱を出した時に、けいれん(ひきつけ)を起こすことがあります。いわゆる「熱性けいれん」ですね。

実際にどういう症状が起きるかというと、子供は意識を失って、白目をむいたり、全身や手足などが意思とは関係なくガタガタ動いたり、反対に脱力したりします。けいれんが起こるのは片手だけ、両足だけだったりと、体の一部だけの場合もあるでしょう。

大事なお子さんが目の前でけいれんすると、特に初めて見る保護者の方は非常に心配になると思います。私は小児科医ですが、娘が3歳で初めて熱性けいれんを起こしたとき、最初は熱性けいれんなのか、てんかんなのか、脳炎なのか、細菌性髄膜炎なのかわからないので非常に心配しました。

ただ、お子さんが心配で慌ててしまっても、けいれん中に体を押さえつけたり、揺すったり、たたいたり、舌をかまないよう何かを口の中に入れたりなどはしないでください。何かを口に入れると、窒息や誤嚥(ごえん)の危険があります。

まずは心を落ち着かせて、けいれんの持続時間を計りましょう。また、倒れたり、吐いたりすることがあるので横向きに寝かせます。そして、けいれんするのが、手だけなど部分的なのか、全身なのかを観察しましょう。持続時間もわかりますし、様子も記録できるので、動画を撮ってもいいでしょう。

熱性けいれんは、大体の場合は1〜2分で終わります。その後は、ボーッとしたり、眠ったりすることがありますが、意識は戻るはずです。5分を超えてけいれんしている場合、意識がない場合は、直ちに救急車を呼びましょう。

お子さんが初めてけいれんをしたときは、すぐにおさまっても、診療時間内はかかりつけの小児科、それ以外は救急外来などにかかりましょう。初めてのときは、けいれんの原因がわからないからです。

けいれん止めの薬を使うケースは多くありません

熱性けいれんは、生後6カ月〜満5歳までの間に、日本人の子供の7〜11%に起きます。そのうちの6〜7割の子は生涯に一度だけで、繰り返しません。ただ、以下のいずれかにあてはまる場合、繰り返し熱性けいれんが起こるリスクが上がります。

① 初めての熱性けいれんが起きたのが1歳未満だった場合
② 両親の片方あるいは両親ともに熱性けいれんを経験している場合
③ 発熱からけいれんが起きるまでの時間が1時間以内の場合
④ 39度以下の発熱でけいれんが起きた場合


以前は、一度でも熱性けいれんが起きたら、その後も熱が出るたびにけいれん止めの坐薬「ジアゼパム」を使うことがありました。しかし、2015年に日本小児神経学会が熱性けいれん診療ガイドラインを改訂し、坐薬を使うのは以下のときとしています。

✅15分以上続くけいれんがあったとき
✅以下の(1)~(6)のうち2つ以上を満たす熱性けいれんが2回以上あったとき


(1)焦点性発作(体の一部分がけいれんする発作)または24時間以内に反復する
(2)熱性けいれん出現前から存在する神経学的異常、発達遅滞
(3)熱性けいれんまたはてんかんの家族歴
(4)12カ月未満
(5)発熱後1時間未満での発作
(6)38度未満での発作


というのも、熱性けいれんは繰り返さない子も多く、またジアゼパム坐薬が眠気を起こすために転倒のリスクや髄膜炎や脳症の症状がわからなくなるリスクがあるためです。不安な点がある場合は、かかりつけの小児科医にも相談してみてくださいね。

参照)森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)

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