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2023年02月22日 11:14 更新

離婚経験者の半数以上が「未成年期の家庭環境に不満」その背景に考えられるものとは

『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』の著者・三凛さとし氏は、25歳以上50歳未満の離死別経験のない既婚者、または離婚経験者全国1,204人を対象に「離婚と家庭環境」について調査しました。

3月は離婚件数最多月!「離婚と家庭環境」には関係がある?

厚生労働省が昨年8月に発表した「令和4年度 離婚に関する統計」(※1)によれば、1年間で最も離婚件数が最も多いのは3月です。

そこで行われた今回の調査。どんな結果が得られたでしょうか。

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※1 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon22/dl/gaikyo.pdf

結婚何年目で離婚した人が多い?

離婚経験者に「結婚何年目で離婚したか?」を尋ねたところ、最多は「1年未満」(21.8%)で、以下「3年以上5年未満」(21.2%)、「5年以上10年未満」(20.7%)、「1年以上3年未満」(18.4%)、「10年以上」(17.9%)となりました。

今度は、離死別経験のない既婚者に「結婚何年目か?」を聞いたところ、最多は「10年以上」(47.1%)で、「5年以上10年未満」(24.5%)、「3年以上5年以上10年未満」(14.5%)、「3年未満」(13.9%)となりました。

離婚経験者は家庭環境に不満のあった人が多め

離婚経験者と離死別経験のない3年以上の既婚者(以下、「未経験者」)それぞれに「未成年の頃、家庭環境について不満や問題を感じていたか?」を聞きました。

離婚経験者の「あてはまる」(29.6%)と「ややあてはまる」(26.3%)は合わせて半数以上(55.9%)もいたのに対し、未経験者の「あてはまる」(14.0%)と「ややあてはまる」(18.3%)は3人に1人(32.3%)程度となり、離婚経験者は未経験者よりも約1.7倍、家庭環境に恵まれていなかった傾向にあることがわかりました。

離婚未経験者は「両親の夫婦仲」が良好な傾向

続いて、「未成年の頃、両親はどのような関係だったのか?」、それぞれに尋ねました。

離婚経験者、未経験者ともに「夫婦仲は良好」が最多となりましたが、離婚経験者が38.5%だったのに対し、未経験者は56.5%と約1.5倍の差がありました。

それ以外の良好ではない両親の夫婦関係についても、ほとんどは離婚経験者の方が多い結果となりました。

「離婚の原因」、最多は「性格の不一致」に

最後に、離婚経験者に「離婚の原因は何か?」を質問したところ、最多は「性格の不一致」(45.3%)に。

以下、「金銭的な問題(働かない・浪費・借金・生活費を渡さないなど)」(25.1%)、「相手の異性関係」(16.2%)、「家庭をかえりみない」(15.1%)、「精神的虐待(小言・嫌味・皮肉・モラハラなど)」(14.5%)と続きました。

三凛さとし氏の解説

なぜこのような傾向が出るのか?

今回、このような傾向が出たのは、未成年期に両親の夫婦関係がうまくいかなくなるような言動を見聞きし、それを無意識のうちに自分が大人になってからの家庭内でやってしまっていること、そして、そのことで本当に夫婦関係がうまくいかなくなり、離婚する人が少なからずいることを表しているのではないかと思います。

また、両親の仲が悪かったり家庭環境に不満を感じたりする子どもは、大人になると、十分に愛してくれなかった親を自分のパートナーに投影するようになります。その結果、すれ違いが絶えず、関係性がうまくいかなくなるケースも少なくありません。

これは、90年代以降の心理学の世界で広く認識されるようになった「インナーチャイルド」という概念でも説明がつきます。インナーチャイルドとは、幼少期に傷ついたことが原因で、年齢を重ねても生活のある部分において成熟した考えができなくなってしまう現象のことです。

どうすればよいのか?

1.インナーチャイルド・ワークで過去の心の傷を癒す
離婚の原因となってしまう「投影」を解消するには、幼少期にできた心の傷「インナーチャイルド」を癒す必要があります。「インナーチャイルド」は、大人になってから癒すことで徐々に解消されます。癒し方は様々な方法が提唱されていますが、最も簡単にできる癒し方は、次のエクササイズです。

①当時の気持ちを紙に書き出す
②その気持ちを抱えていた子どもの頃の自分を目の前にイメージする
③イメージの中の子どもの自分を抱きしめ、愛情を伝える


2.関係が良好なカップルや夫婦と家族ぐるみの付き合いをする
関係が良好なカップルの言動や身のこなし、行動パターンを目の当たりにすることで自然と自分も同じような行動を真似するようになり、親から受け継いだ元々の夫婦観・パートナー観が書き換わります。

調査概要

調査期間:2023年1月23日
調査手法:インターネット調査
調査対象:25歳以上50歳未満の離死別経験のない既婚者または離婚経験者(男女)全国
有効回答者数:1,204人
調査機関:Freeasy

(マイナビ子育て編集部)

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