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2021年11月03日 08:00 更新

赤ちゃんにチョコはいつから大丈夫? 注意点やおすすめレシピ【管理栄養士監修】

チョコレートは小さいお子さんからご高齢の方まで好まれるお菓子の1つです。赤ちゃんと一緒に食べられたらいいなと思っている方も多いのではないでしょうか? しかし、チョコレートにはいくつか注意点があります。チョコレートの特徴をよく把握して、与える時期の見極めに役立ててください。

チョコレートは何歳から大丈夫?

チョコレートはいつから?

チョコレートは嗜好品ですので、日常的に摂取しなければ体に必要な栄養が不足してしまうものではありません。赤ちゃんに与える場合、いつから、どのくらいの量からがよいのか、確認しておきましょう。

離乳食を卒業してから

離乳期以降、何歳ころからチョコレートを与えてもよいという決まりなどはありません。しかし、あえて年齢をいうなら、食べる頻度や量を守ったりできる3歳以降にほんの少しからが望ましいと考えられます。

あとで詳しく説明しますが、チョコレートには虫歯の原因になりやすい砂糖が多く含まれます。また、睡眠に影響をもたらすテオブロミンやカフェインも含まれますが、赤ちゃんはこれらの成分に敏感なため、チョコレートを与える際には、離乳期は避けるようにしましょう。

あげる量はどれくらい?

嗜好品のチョコレートは食事ではなく間食の位置づけとなります。

日本人の食事摂取基準[*1]で示される間食の適量は幼児の体格や食欲、活動量などにより異なりますが、目安としては次のようになります。

 ■おやつのエネルギーの目安■
そもそもの間食の役割は、食事では摂りにくい牛乳や乳製品、野菜・果物を積極的に取り入れ、ビタミンやミネラルの補給、不足分のエネルギーを補うことです。チョコレートだけを単独で与えるのではなく、乳製品や果物、穀類などに少量のチョコレートを組み合わせておやつにするようにしましょう。

 ■チョコレートの目安量は?■

チョコレートをあげる際の注意点

チョコレート

私たち大人はチョコレートを口にするとその甘さにほっと癒されたりしますが、赤ちゃんにはアレルギー発症のほか、成長への影響が心配されます。

アレルギーには要注意

チョコレートについてのアレルギーは2つのケースが考えられます。

1つはチョコレートの原材料によるアレルギーです。

チョコレートは主に、カカオマス、砂糖、ココアバター、大豆レシチンまたは乳製品などで作られています。製品によってナッツや小麦加工品が入るものもあります。このチョコレート製品に含まれる大豆・乳・ナッツ・小麦のタンパク質がアレルゲンになっている場合があります。

もう1つとしては、チョコレートの主成分であるカカオによってアレルギーが起こる可能性もあります。 

アレルギーの発症を完全に防ぐことはできませんが、少なくとも、乳製品や小麦などのアレルギーがないかどうかは確認しておくといいですね。

寝つきが悪くなる可能性がある

チョコレートの原料はカカオ豆です。このカカオ豆に含まれる生理作用のある成分にテオブロミンとカフェインがあります。

これらのはたらきの1つに興奮作用があるため、カカオを含む割合の多いチョコレートをたくさん摂取すると、睡眠への影響が出ることも考えられます。赤ちゃんの身体の発育・発達には良質な睡眠は大切ですので、離乳期にはチョコレートを与えるのは控えましょう。

あげすぎは虫歯や肥満の原因にも

砂糖

チョコレートといえば虫歯(むし歯)になりやすいイメージを持っている方が多いかもしれません。

 砂糖が多く虫歯になりやすい

チョコレートにも色々な種類がありますが、甘みが強いものは砂糖が多く含まれています。砂糖は虫歯の原因になることから、チョコレートの食べすぎには注意が必要です。

なお、カカオがふんだんに使われ、砂糖が控えめで甘みよりも苦みが強い高カカオチョコレートもあります。こちらの方が虫歯にはなりにくいですが、その反面、テオブロミンやカフェインが甘いチョコレートと比べて多いというデメリットがあります。

 食べ過ぎによる肥満にも注意

チョコレートの成分であるカカオマスには、肥満すなわち脂肪蓄積を抑える効果が報告されていますが、チョコレートは脂質や砂糖を多く含み、1かけでもエネルギーをたくさんとってしまうことになります。

肥満は摂取したエネルギーが運動などで消費されるエネルギーを上回ることにより生じます。たとえば、一般的な板チョコレート1枚(50g)を食べただけでも、約300kcalのエネルギー[*2]を摂取することになります。これは、成人が食べるごはん200gに近いエネルギー摂取量[*2]になります。

離乳期以降のおやつに選ぶ場合にも、よく考えて与えるようにしたいですね。

食べさせる頻度にも注意を

「チョコレートは何歳からどのくらい食べていいの?」と考えるときに大切なのが頻度です。

大丈夫な年齢になったからといって、チョコレートを毎日食べてしまうのは、虫歯や肥満のリスク、さらに栄養の偏りも心配です。何かのときに砂糖の少ないものをほんの少し食べるくらいの特別なものだと考えましょう。頻度はとても大切です。

チョコレートの保存方法

チョコレートの保存方法
チョコレートは洋菓子の中の「干菓子」に分類されます。同じ仲間にはビスケット類やキャンディー類が当てはまります。これらのお菓子は水分が10%以下のため保存性はよいですが、湿気をきらうため、蓋のできる容器に入れて保存するのが基本です。

食べるまでの保管方法は、高温・多湿を避けて涼しい場所であれば、常温保存で大丈夫です。直射日光が当たる場所や室温の高い部屋、暖房やモーターなど温度の高いところでは溶けだして品質が落ちてしまうため、冷蔵保存がよいでしょう。

冷蔵庫に保存する場合は、他の食品の臭いが移らないようにしっかりと密閉し、チョコレートを箱ごとジッパー袋などに入れて野菜室で保存するといいですよ。

白っぽくなったチョコレートは食べても大丈夫? 

チョコレートは急激な温度・湿度の変化によって、白く変色することがあります。 これは、チョコレートの脂肪分や砂糖が溶けて分離し表面が白くなる現象で「ブルーミング」といい、チョコレート特有のものです。

ブルーミングをおこしたチョコレートは、食べても安全性に問題はないですが、チョコレート本来のおいしさや風味は損なわれてしまいます。前述の保存の仕方に沿って、購入後は温度管理に注意しましょう。

チョコレートを使ったおすすめレシピ【3歳頃~】

今回ご紹介するレシピは離乳期に与えることは難しいですが、成長とともに量や回数に気をつければ、イベントやお祝いのちょっとした楽しみに食べることができます。

思い出に!手形チョコクッキー

手形クッキー
(画像はイメージです)

■材料(作りやすい分量) 
・好みのクッキーレシピ用の生地 クッキー10~15枚分
・ミルクチョコレート 80~100g
(※子供の手の大きさに合わせて量は調整してください)

■作り方
① お手持ちのレシピの通りクッキー生地を作る
② 生地を1~1.5cmの厚さにのばしたら、お子様の手形をとる
③ ②のくぼみに湯せんで溶かしたミルクチョコレートを流し入れ、レシピに記載されるとおりに予熱したオーブンで焼き上げる

おやつに最適!ふわふわチョコパン

■材料
(直径8cm×高さ6cmの耐熱容器 4個分)
・ホットケーキミックス 200g
・卵 1個
・牛乳 150ml
・ミルクチョコレート 80g

■作り方
① チョコレート以外の材料をボウルでよく混ぜ合わせる
② チョコレートは刻んでボウルに入れ、50~60度程度のお湯で湯せんにかけて溶かす。次に水を張ったボウルにつけて冷やしながらチョコレートをゆっくりと混ぜ、なめらかな状態にする(テンパリング)
③ ②のチョコレートを①に加えて、マーブル模様になるようさっくりと混ぜ合わせる
④ 耐熱容器に③を流し入れ、蒸し器で20分ほど蒸す

パパへのバレンタインにも!甘さ控えめチョコケーキ

チョコレートケーキ
(画像はイメージです)

■材料
(直径18cm丸型 1個分)
・スイートチョコレート 100g
・無塩バター 100g
・卵黄 3個分
・砂糖 30g
・〔A〕卵白 3個分
・〔A〕粉砂糖 30g
・〔B〕薄力粉(ふるっておく) 40g
・〔B〕粉末アーモンド 60g
・ピュアココア(仕上げ用) 適量

チョコレートケーキのレシピ、メレンゲと生地を混ぜる
(画像はイメージです)


■作り方
① チョコレートは細かく刻み、湯せんで溶かす
② 室温でやわらかくしたバターをボウルに入れ、泡立て器でクリーム状に練り、①を加えてよく混ぜる。次に卵黄を加えて練り混ぜ、さらに砂糖を加えてすり混ぜる
③ 別のボウルで〔A〕を使ってメレンゲを作る
④ ③をひとすくい②に加えて混ぜ、さらに〔B〕を入れて手早くさっくりと混ぜ合わせる。さらに残りの③を加えながらさっくりと混ぜる
⑤ 焼き型に分量外のバターを塗り、型に合わせて切ったオーブンシートを敷く。④を流し入れ表面をならし、170℃に予熱したオーブンで30~40分焼く
⑥ ふくらんで表面がひび割れるように焼き上がったら型から取り出し、熱いうちにオーブンシートをはがして金網にのせて冷ます
⑦ 完全に冷めたら仕上げ用のココアを茶こしでふるう

まとめ

チョコレートを食べる女の子

チョコレートは私たちにとって身近な食品ですが、知らないことも多く新たな発見ができた方も多かったのではないでしょうか? お子さんがチョコレートを安心して食べられるように、大人が十分な知識を持って楽しみの機会を作ってあげられるようにしていきましょう。

(文:関水芳江 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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