絵本『はらぺこあおむし』でダイアロジック・リーディングに挑戦
さまざまなバリエーションの質問ができる
質問だけでなくコメントすることも大切です。
たとえば、フルーツがたくさん出てくるページには西洋なしが描かれています。
そこで、「このなしって日本のなしとちょっと違うね?」とか、すももを指しながら「すももって食べたことないね」といったコメントをすることで、のちに1人で本を読むときにも自分で考えながら読み進めたり、 ただ文字を追うだけでなくそこで描かれている事柄とかかわる姿勢が育まれます。
では具体的なやりとりの例を挙げましょう。
何質問・答えの拡張・反復
子どもの生活と関連した質問
最初にあおむしが登場する場面では、あおむしを見たことがない子どももいるでしょうから、次のようなやりとりをしてみましょう。
文章を完成させるやりとり
決まった答えのないやりとり
私の研究に効力してくれたアメリカ人の子どもは、ちょっと考えてから「赤ちゃん」と答え、その発想に感心しました。
答えが合っているかどうかがポイントではなく、自分で考える習慣をつけることが目的です。 子どもは何度も同じ絵本を読むことを好むので、2回目に読んだときに「ちょうちょ」という答えが出るでしょう。
すべての絵本に言えることですが、子どもが発話したときには必ずフィードバックしてあげてください。
そうすることで読み手と子どもとの間にやりとりが生まれ、ことばが育まれるのです。
次回の内容は……?
「ダイアロジック・リーディング実例 【じのないえほん】」についてお届けします!
書籍『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』について
いつもしている絵本の読み聞かせに、「親子でやり取りをすること」をプラスするだけで、子どもの能力が飛躍的に伸びる「ダイアロジック・リーディング」について解説した本。子ども自身が情報を読み解き、自分で考え、その考えを相手に論理立てて主張する力を育てます。効果を最大化する工夫やコツのほかに、「この絵本では、こういう問いかけをするといい」といった具体例も紹介されているので、忙しいパパ・ママでもすぐに実践できるのがポイントです。
(文:加藤 映子『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版)より一部抜粋/加筆修正:マイナビウーマン子育て編集部)