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2018年09月09日 11:00 更新

家庭菜園におすすめの果物は? 人気果物の育て方と食べ方

自宅で大好きな果物が収穫できたら……そんな夢を描く方は多いはず。でも場所は狭いし、手入れが大変なのはちょっと……と思っていませんか? 果物の栽培は確かに難しい面もありますが、比較的手軽に育てられるものもあります。その中から今回は、特に人気のあるベリー類と柑橘類について、育て方から活用方法までご紹介します。

こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。

私は小さいころからお花に触れる機会そのものは多くあったのですが、残念ながら自宅には庭がなく……ベランダさえなかったので、お花を育てる機会はほとんどありませんでした。大人になって庭付きの家に引っ越した時に、それまで夢見ていたガーデニング生活ができる! と、狭い庭に手あたり次第あれこれ植えた結果、うまくいったものもあれば失敗したものも……。特に、夢見たように実現するのが難しかったのが、果物の栽培です。

過去の失敗と、花屋店員だったころの経験、今現在の家でのガーデニングを通して厳選した、栽培しやすいおすすめの果物をピックアップしてみました。

ベリー類

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ベリー類は手入れが楽で、場所も広くなくても育てられるおすすめ果物です。もちろん品種によって育てやすさは違ってくるので事前に調べたり、お店で聞いたりして選ぶことも大事です。ベリー類は花も実も楽しめるものが多いのも魅力的。

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なんといっても人気が高いのは、苺! 甘酸っぱくておいしい苺が、おうちで収穫できたら嬉しいですよね。

苺はバラ科の多年草。え!? バラの仲間なの? と驚かれる方もいるかもしれませんが、林檎やさくらんぼ、梨や桃もバラ科の植物で、おいしい果実のものが多いんです。苺の花も可憐で可愛らしく、一重の薔薇によく似ています。

夏~秋にも収穫できる四季成り苺(夏苺)もありますが、出回っているほとんどが冬から春にかけて収穫する一季成りです。初めて栽培するときは苗を購入して植え付けますが、苺の苗は春に多く見かけるものの、実は秋から店頭に並び始めています。冬の間成長はあまりしませんが、寒さにあてることでよりしっかりした苗になるので、植えるなら秋がおすすめです。

暖かくなると成長をはじめ、花が咲いて受粉すると1カ月くらいで収穫できます。甘くておいしい苺は、アリなどにも狙われてしまうので、土に実が付かないように対策してあげると被害が軽減します。ゴムの臭いを嫌うので、輪ゴムをばらまいておくのも効果があるようです。

収穫が終わると、苺はランナーと呼ばれるつるを伸ばします。そこから子株ができるので、根が出て子株が育ってきたら、ランナーを切り離して来年用に植え付けましょう。

ほったらかしでも育ちますが、収穫後の親株は次の年は実が付きにくくなるので、親株は処分して子株を育てた方が効率よく収穫できます。ランナーはあちこちに伸びて広がるので、足の踏み場がなくなる場合もあるので注意しましょう。

苺はそのまま食べても、スイーツにしてもおいしくて大活躍します。ちょっと小粒だったり、大きさが揃ってなくても気にしない! ビタミンCが豊富な春の味覚を、ぜひご自宅で味わってください。

ラズベリー

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筆者イチオシなのは、こちらのラズベリー。フランス語の「フランボワーズ」という呼び名での方が、スイーツの名前で見かけることが多いため馴染みがあるかもしれません。日本でも認知度は上がってきましたが、スーパーで取り扱っているところは少なく、あったとしてもとっても高値。

コストコが広まることで一般的にも入手しやすくなってきましたが、まだまだ手軽にフレッシュなラズベリーを食べられるとは言えないのではないでしょうか?

そんなラズベリーですが、実はとっても丈夫で育てやすい果物なんです!

ラズベリーはバラ科の低木。花は苺の花に似ています。暑さにも寒さにも強いので、地植えでも鉢植えでも育ちます。苗木や鉢植えを購入して植え付けますが、時期としては秋~春にかけてが適しています。小さな苗木の場合は、寒さが厳しい時期は避けた方がいいかもしれません。収穫が一季成りのものと二季成りのものがあります。6~7月の初夏が収穫期で、二季成りは秋にも収穫できます。

開花して受粉後1カ月ほどで収穫できます。しっかり熟している実はラズベリー独特の香りと甘みがあって、生食でもおいしいです。熟し過ぎると柔らかくなり過ぎてつぶれてしまうので、気を付けて収穫してください。

植えて数年はつまむ程度しか収穫できないかもしれませんが、何年か経てば毎日のように、こんなに収穫できるようにもなります♪ 苺と違って土から距離もあるため、アリやナメクジに食べられることはあまりありません。ただ、茎に棘があるので気を付けて収穫してくださいね。

ラズベリーはつる性ではありませんが、ぐんぐん若い芽が伸びてきます。春~夏にかけて地下茎が伸び、あちこちから新しい芽が出てびっくりすることも。ほったらかしでもよく育ちますが、暴れん坊でこんな状態になります。棘もあるので、柔らかい若い枝が伸びるころに、支柱を立てて誘引したり、垣根作りをした方が管理と収穫は断然楽になります。フェンスなどの近くに植えて、添わせてあげるといいかもしれません。

収穫後の枝は枯れてきます。新しく伸びた若い枝が次の収穫期に実をつけるので、古い枝は刈込んであげた方がすっきりして風通りも良くなり、株が弱らず収穫も良くなります。冬場に、地上部のほとんどが枯れてしまって「ダメになったか?」と思った年もありましたが、春からどんどん芽が伸びてしっかり実がなるくらい丈夫です。害虫被害も、さほどひどくはありません。

ラズベリーも、生食でも加工してもおいしく食べられます。クリームに混ぜてフランボワーズクリームにしたり、ソースにしたり、アイスやジュースを作ってもおいしいです。

ブラックベリー

ラズベリーによく似たブラックベリーもバラ科の低木です。ラズベリーを黒くしたような雰囲気で、育て方もほぼ同じですが、味はちょっと違います。色が濃い分、アントシアニンなどのポリフェノールが多く含まれています。

寒さにも暑さにも強く、とても丈夫で、地植えにも鉢植えにもできます。花もラズベリーによく似ていますが、少しピンクがかってかわいい品種も。棘もあるものとないものがあるので、棘なしの品種だと扱いやすいですね。

収穫期はラズベリーよりも少し遅い7~8月ごろ。実の形も大きさも似ていますが、ラズベリーよりも実に芯があって、これが渋みを感じさせます。触るとホロっと取れるくらい良く熟した実はこの芯が抜けて採れるので渋みは少なく、生食でもおいしく食べられます。しかし、他のベリー類に比べてビタミンCやポリフェノールが多い分、酸っぱくて渋みがあり、甘さも強くないので、加工されることが多いようです。

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良く熟した実はおいしく食べられるのですが、皮が薄くてつぶれやすいので、市場に出回りにくい面もあり、あまり店頭には並びません。早めに収穫すればつぶれにくいのですが、渋みと酸味が強く、甘さも控えめです。そのため、生食は家庭菜園している人の特権かもしれませんね!

筆者の実家では毎年たくさんのブラックベリーがなり、夏の帰省時に子ども達のおやつになっています。ヨーグルトと一緒に食べるのがおすすめです。

ブラックベリーの酸味が苦手な方は、ジャムやソースにしてみてください。何年か前に友人が作ってくれたブラックベリージャムのおいしかったこと! パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜたりしていたらあっという間になくなってしまいました。他のベリー類と一緒に作ってもおいしいです。

ブルーベリー

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ブルーベリーも家庭菜園で大人気の果物です。ブルーベリーはツツジ科の落葉低木。害虫被害は全くないわけではありませんが、他の植物に比べて比較的少なく、我が家は特に被害にあったことはありません(あえて探すなら……蜘蛛の巣がはるくらい?)。育てやすいので、何か果樹を植えたいと思ったら、まずはブルーベリーを植えてみてはどうでしょうか?

ブルーベリーの植え付けは、暖かい地域なら秋、寒い地域なら春が適しています。地植えでも鉢植えでも育てることができます。種から育てることも可能ですが、かなり難易度は高いので、苗木を購入して植え付けるのが一般的です。乾燥に弱いので、鉢植えの場合はたっぷり水をあげてください。

落葉樹なので、秋には紅葉して葉っぱもきれいです。冬の間は枝だけで休眠していますが、春になると一斉に新芽が目を覚まします。

こちらがブルーベリーの花。小さな釣り鐘のような白くてかわいい花が春に咲きます。

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実がなるのは7~9月ごろ。濃い青に変わったら収穫です。しっかり熟した甘い実を採ってくださいね♪

食用にできるブルーベリーの品種は、大きく分けて3つの系統があると言われています。そのうち「ハイブッシュ系」「ラビットアイ系」が主に出回っているものになりますが、ブルーベリーは同じ系統の別品種を一緒に植えることで、受粉率が上がり収穫が増えることでも知られています。

我が家でも2本のブルーベリーを植えているのですが、最初は数えるほどの収穫しかなかった時期が続きました。植えてから何年も経って、急に実がたくさん採れるようになったので、少ししか採れなくても諦めないでくださいね!

ブルーベリーは生食も加工しても美味しいですよね♪ スイーツのデコレーションに使っても色が映えるので重宝します。たくさん収穫できた時は贅沢にブルーベリーだけを乗せたり、ベリーソースにしたり、フローズンヨーグルトに混ぜたりしています。

長期保存も可

家庭菜園で収穫したベリーたち。いつもたくさん採れるわけではありません。そんな時はその都度、ラップに包んでジップロックに入れて冷凍して、必要な量を集めてから使うこともできます。反対にたくさん採れ過ぎてすぐに消費できないときにも冷凍保存しておけば、使いたいときに使いたいだけを出すことができるので便利です。生食のような食感はなくなりますが、つぶして混ぜたり、ソースにしたり、炭酸水に浮かべたり……楽しみ方はたくさんあります。

柑橘類

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柑橘類も家庭菜園で育てたい果物です。地植えにすると大きくなるものも、鉢植えで管理すれば小ぶりで、ベランダでも育てられるものもあります。ベリー類に比べるとやや手間はかかりますが、収穫できると嬉しいですね♪

柚子

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柚子はミカン科の常緑小高木。みかんの仲間の中では比較的寒さに強く、植え付けは春ごろが適しています。水が大好きなのでたっぷり上げてください。

ミカン科の植物はどうしても葉に害虫が付いてしまいますが、柚子は病気に強いため、比較的育てやすい果物です。ただし、成長がゆっくりなので、実が付くまで数年待たなくてはいけないかもしれません。もともと鋭い棘がありますが、近年は棘なしの品種も出てきました。

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柚子はいろいろな活用ができるのでいいですよね。酸味が強くてそれだけで食することは少ないですが、香りの良さが料理を引き立ててくれます。

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柚子を少し添えただけで、お店の味に変身! そのくらい変わります。皮を器にしても素敵です。

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柚子湯もいいですよね! 購入すると結構なお値段になる量も、自宅で収穫したものなら、ぜいたくに使うことができます。

オレンジをドライにしたものは、クラフト作りでよく見かけますが、ちょっと大きすぎることがあるので、柚子をドライにしても素敵です。オーブンで低温でじっくり焼いてドライにするときれいに作れます。

レモン

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レモンはミカン科の常緑低木。鉢植えでも地植えでも育てることができます。ただし、寒さにはあまり強くありません。植え付けは春が最適です。水は大好きなのでたっぷり上げましょう。

葉っぱは、やはり害虫被害にあってしまうので対策が必要です。また、おいしい実を収穫したければ肥料も多めに必要となります。コンパクトに育てたい場合は鉢植えがおすすめですが、上部が重たくなって倒れることもあるので、しっかりした支柱を立ててあげると安心です。

少し管理が難しそうですが、レモンは葉も花も実も楽しめるので観賞用としても、食用としても人気。寒さに強い品種も出てきているので、挑戦してみるのもいいかもしれませんよ♪

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レモンは料理やスイーツ作りに昔からよく活用されています。爽やかな香りで味を引き締めてくれるので重宝します。また、ビタミンCも豊富で積極的に摂りたい果物です。

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実は、果実よりも皮の方により香りの成分が多く含まれています。皮を乾かして芳香剤にしたり、油を溶かす成分でもあるリモネンが豊富なので、皮でこすると油汚れが落ちやすくなります。

もちろん、皮でレモンピールやマーマレードを作って味わうこともできます。

まとめ

家庭菜園で育てることができる果物は、ブドウやキウイなど他にもたくさんありますが、場所と手間がかなりかかります。ベリー類は手軽に始められ、場所も手間もあまりかからず、収穫した実も美味しく食べることができるのでおすすめです。柑橘類は少し育てるのは手間がかかりますが、家庭菜園で育てやすい品種も増えてきています。何より収穫した実は活用方法も豊富なので、挑戦してみるのもいいと思いますよ♪

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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