忙しいワーママこそ朝活で「ME TIME」を過ごそう！ 池田千恵さんインタビュー＜後編＞

――前半のインタビューでは「早起きの習慣をつけるためには、朝に家事や残業をするのではなく、自分の心からしたいことをする」というお話を聞きました。

池田千恵さん（以下、池田）　はい。私はそういう自分のために過ごす時間のことを「ME TIME（ミータイム）」と呼んでおり、朝活の時間は積極的に「ME TIME」に費やすことをおすすめしています。

――「MY TIME（マイタイム）」ではないんですね。

池田　「MY TIME」だと、自分の持つ時間すべてというイメージで、その時間は仕事も家事も育児もすべて含んでいると思うんですが、それに比べて「ME TIME」は自分を大切にする時間、自分がホッとできる時間という意味合いが大きいですね。海外では「ME TIME」の概念が広がりを見せていて、インスタで検索すると、何十万件とヒットしますよ。

――池田さんの「ME TIME」は何をする時間なんですか？　

池田　私の場合は手帳を書いたり、ノートを書いたりですね。あと、オンラインサロンを運営しているのですが、そのメンバーと平日の朝の6時20分から7時までZoomを繋いでいるんです。みんなで集まりますが、前半20分は「黙々タイム」。各自好きなことをする時間です。顔を合わせながら「ME TIME」を過ごしているわけですね。

そして、後半はどんなことをしていたかを発表し合います。最後はみんなで行ってらっしゃいと声を掛け合って、家庭に戻ったり出社していったりする感じです。

――気持ちのいい朝の始まりですね！　

池田　大好きなことを一日の最初にするって大事ですよね。起きれた私、偉い！　と自己肯定感がアップしますし、その分、周りの人にも優しくなれると思います。

あとこれはオンラインサロンのメンバーのお話なんですが、その方、3児のママで、過去に子ども3人が幼稚園生・小学生・中学生と、所属が違った時代があり、それぞれのやることが全部違うため、目が回るほど忙しかったそうなんです。そんな中、いつも出社前の10分だけ、ファーストフード店に寄ってコーヒーを飲みながら、手帳を見返す時間を取っていたらしく……。それが至福の時間だった、おかげで毎日頑張れたと話をしてくれたんです。これを聞いて、やっぱりそれがたとえ短くてもME TIMEを大事にする、頭で考えていることより心が喜ぶことに時間を使うのって、とても大事なんだなと改めて思いました。

――先ほど池田さんの「ME TIME」は、手帳やノートを書くことにあてているとおっしゃっていましたね。

池田　はい。手帳やノートはそもそもが「ME TIME」を作り出す手段でもありますし、日々のもやもやを客観視する方法でもありますね。

普段、違和感を感じることってよくあると思うんですが、それを通常だと放っておきがちになりますよね。 普通はそれで終わらせちゃうんですけど、その正体が何で、どこのどの点にもやもやしたのかとか、書き出すうちに自分の気持ちが明確にわかって、すっきりします。

――池田さんは「朝活手帳」も出版されていますが、世の中のデジタル化が進む中、あえてアナログな手書きの手帳やノートを利用するのは、どんな理由からでしょう？

池田　パソコンやスマホは便利なツールですが、集中力が削がれてしまいがちです。開いたついでに、検索したり、You Tube見たりとほかのことをしてしまいませんか？　

――ああ！　確かに！

池田　ノートなら、ノートしかやることがないので、集中力を維持できます。それが一つのメリットです。あとパソコンやスマホだとフォントを使うので、いつも綺麗な文字で書けますが、ノートや手帳って心が乱れたりすると、文字も乱れるんですよね。だから、振り返った時に自分の感情までも思い出せる。空白があっても、ここはすごく忙しかったんだなとか、そういうことがすぐわかります。

――早起きにも手書きの手帳って役立つのでしょうか？

池田　はい。寝る時間と起きる時間も書いておくといいですね。寝る前に明日5時に起きると書いたら、手帳を汚したくないじゃないですか。アナログだとデジタルみたいにすぐ消せるわけではありませんし。そのプレッシャーを前向きに活用してみてください。

また、ほかにも朝起きれたら始業までの時間を「30分＝1ポイント」で換算し、手帳に書き込んでおくポイント制もおすすめしています。

――ポイント制ですか⁉️　その理由は？

池田　ポイントって、単純に溜まると嬉しいんですよ。例えば、我が家では今、小2の息子の宿題をポイント制にしているんです。もともと漢字の宿題が大嫌いで、3ページやるのに90分かかっていたんですね。どうしてこんなにかかるのかな、ささっとやればいいのになと思っていたんですが、解決策として、キッチンタイマーを用意して、この漢字を4分で書いたら10ポイントあげるって言ったら、 驚くほどやる気を出して、めちゃくちゃスムーズにやるようになりました。

池田　そういう子どもの原始的な喜びって、大人にも有効なんじゃないかと思っていて。だから、自分も早起きを30分頑張ったら1ポイント貯まる。1週間で目標のポイントまで貯まったら、土曜日は昼まで寝ていいとか、なんでもいいんですけど、そうして自分で目標を決めることがモチベーションにつながるんじゃないかな。

――なるほど。ちょっと気になったんですが、週末は早起きをサボってもいいんですか？

池田　もちろん。毎日じゃなくていいんです。週に８割できれば御の字。そのくらいの気持ちでスタートしてみてください。とくにワーママはすでに頑張りすぎの人が多いですから、手帳に改めて「休息」という項目を入れて、戦略的に休むのがおすすめですよ。

（解説：池田千恵、取材・文／江原めぐみ、構成：マイナビ子育て編集部）

今回お話を伺った池田千恵さんが提唱する「朝専用の手帳」。「朝時間」を充実させ、自分らしく活用するための工夫が満載です。
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■ ”誰か”ではなく、”自分”のために時間を使おう ！
インタビューでも紹介した「ME TIME」の重要性と作り方を紹介。自分以外のことに時間を費やし、自身のことはないがしろにしがちなワーママこそ、必読の一冊です！