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2023年09月14日 10:29 更新

保育士のヒヤリ・ハット経験は9割以上、起こった場面で最も多いのは「園庭遊具の使用中」

保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営す明日香は、常勤保育士104名を対象に、保育士のヒヤリ・ハットに関する意識調査を実施しました。

ヒヤリ・ハットについて「具体的な事例まで把握している」人は8割以上

「Q1.あなたは、「ヒヤリ・ハット」についてどれだけ把握できているのか教えてください。」(n=104)と質問したところ、「意味合いに加えて具体的な事例まで把握している」が81.7%、「意味合いは把握しているが具体例まではわからない」が11.5%という回答となりました。

9割以上が、「自身の保育業務でヒヤリ・ハットを経験したことがある」

「Q2.あなたは、自身の保育業務でヒヤリ・ハットを経験したことはありますか。」(n=104)と聞いたところ、「経験したことがある」が90.4%、「経験したことがない」が6.7%という回答となりました。

ヒヤリ・ハットが起きた場面、第1位は「園庭遊具の使用中」

Q2で「経験したことがある」と回答した人に、「Q3.保育業務のどのような場面でヒヤリ・ハットが起きたか、多いものを教えてください。(上位3つまで)」(n=94)と質問しました。

結果は「園庭遊具の使用中」が73.6%、「おもちゃで遊んでいる最中」が51.4%、「食事中」が36.8%という回答となりました。

「つい目を離したすきに」や「アレルギー対応」などの"ヒヤリ・ハット"も

Q3で「わからない/答えられない」以外を回答した人に「Q4.Q3で回答した以外に、ヒヤリ・ハットが起きた場面があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=89)と尋ねたところ、「つい目を離したすきに」や「アレルギー対応」など47の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>
・30歳:つい目を離したすきに。
・38歳:運動会で熱中症で園児が倒れたこと。
・34歳:トイレのドアで手を詰める。
・28歳:個人情報の書いてある書類の入れ間違え。
・58歳:保育施設の2階で、こどもが登って落ちそうな窓が開いたままになっていた。
・41歳:噛みつきや引っ掻き。
・25歳:アレルギー対応。
・29歳:鉄棒の遊具仕様の際に、手が滑り頭から落下してしまった時。

ヒヤリ・ハットの振り返り、約半数が「十分に行えていない」と回答

「Q5.お勤め先の保育園では、事例の報告・共有によってヒヤリ・ハットの振り返りを行っていますか。」(n=104)と質問したところ、「報告・共有はしているが、振り返りは行えていない」が15.4%、「報告・共有・振り返りは行っているが、十分ではない」が30.8%という回答となりました。

「ヒヤリ・ハットの事例を保育業務に活用できている」は約9割

「Q6.あなたはヒヤリ・ハットの事例を保育業務に活用できていると感じますか。」(n=104)との質問では、「非常にそう感じる」が30.8%、「ややそう感じる」が54.8%という回答となりました。

ヒヤリ・ハット事例の活用方法、「環境の見直しを行っている」が最多

Q6で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した人に、「Q7.ヒヤリ・ハットの事例をどのように活かしているのか、教えてください。(複数回答)」(n=89)と聞きました。

「ヒヤリ・ハットが起きた場所の環境見直しを行っている」が74.2%、「ヒヤリハットの収集だけでなく、安全管理に向け分析を行っている」が52.8%、「事例や改善策について議論する機会を作り、保育園内で危機意識を高めている」が38.2%という結果となりました。

「職員会議で共有」や「子どもの動きを常に予測」などの活用方法も

Q7で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q8.Q7で回答した以外に、ヒヤリ・ハットの事例を活かしている方法があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=88)と質問したところ、「その都度記入し、毎月の職員会議で共有」や「子どもの動きの予測を常にしている」など、41の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>
・37歳:職員の回覧板できちんと報告しています。
・34歳:職員間でのヒヤリ・ハットの事例報告による意識の再確認。
・35歳:自分の意識。
・47歳:常に人数確認をしている。
・33歳:その都度記入し、毎月の職員会議で共有。
・58歳:園長会等も活用して水平展開を図っている。
・25歳:子どもの動きの予測を常にしている。

9割以上が、「ヒヤリ・ハットを報告しやすい職場」と回答

「Q9.お勤め先の保育園は、ヒヤリ・ハットを報告しやすい・しにくい環境であると感じますか。」(n=104)と聞いたところ、「非常に報告しやすい」が33.7%、「やや報告しやすい」が56.7%という結果になりました。

報告しにくい理由、4割が「立場が脅かされる可能性があるから」

Q9で「非常に報告しにくい」「やや報告しにくい」と回答した人に、「Q10.ヒヤリ・ハットを報告しにくいと感じる理由について教えてください。(複数回答)」(n=10)と質問しました。

その結果、「報告することで立場が脅かされる可能性があるから」が40.0%、「報告して上司から叱責を受けるのが怖いから」が30.0%、「ヒヤリ・ハットを報告しても活用されることは無いから」が30.0%となりました。

報告フローは「中間管理職⇨園長に報告」「園長⇨管理本部に報告」が上位に

「Q11.お勤め先の保育園では、ヒヤリ・ハット報告書がどのような報告フローで伝わっていますか。」(n=104)との質問に対しては、「主任等の中間管理職に報告された後、園長に報告される」が33.7%、「園長に報告された後、管理本部に報告される」が32.7%、「主任等の中間管理職に報告された後園長を挟み、管理本部に報告される」が22.1%という回答となりました。

また、「その他」では以下のような回答が寄せられています。

「その他:4.8%」の回答
ー31歳:上司に報告し、当事者で分析した上で全体で共有会議が行われる
ー48歳:全体で共有される
ー28歳:職場全員で確認している
ー58歳:看護師から所属長
ー46歳:全体周知、園長へ報告している

調査概要

調査概要:保育士のヒヤリ・ハットに関する意識調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年8月18日〜同年8月19日
有効回答:常勤保育士104名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
出典元:子ねくとラボ
https://konnect-labo.jp/


明日香
https://www.g-asuka.co.jp/company-info/

(マイナビ子育て編集部)

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