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2023年04月17日 06:55 更新

子育てにイライラしたら試して。怒りの脳内スイッチを完全オフ、村井理子さん流・気持ちのリセット法『いらねえけどありがとう』#1

家事や仕事に追われ、育児に行き詰まる日々……。そんな子育ての悩みは、発想の転換で解消しましょう。超多忙なエッセイスト村井理子さんが記す、自分や家族が気持ちよく過ごせるヒントが満載の『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術』(CCCメディアハウス)の試し読みです。

怒りの脳内スイッチ ― いったん完全に切ってしばらく寝かせる

子育てに悩んで、葛藤し、心のなかでようやく折り合いをつけられたとしても、腹が立つときは腹が立つものだし、ひどく傷ついてしまうこともある。痛みを伴う怒りほど苦しいものはない。

なぜ子育てで傷つくのか、痛みを感じるのか、いまだに理解できないでいる。だから迷うし、子どもとのすれ違いも起きる。親のこの状態を「毒」と呼ばれたら、返す言葉もないうえに為す術もない。親ガチャのハズレだと思われていたら、それこそ絶望だ。
  
自分の心がゆっくりと、しかし確実にボロボロになっていっていると認識したら、脳内に大きなスイッチを想像して、このスイッチを完全にオフにしてしまう。そうすることで、子育ての悩みから一定の距離を置くことができると自分に言い聞かせている。

これには少し訓練が必要だけれど、どうしても怒りが湧いてくるとき、そしてその怒りが事態を悪化させるだけだと理解しているとき(ほとんどの場合、理解している)、急いでこの巨大脳内スイッチを切るのだ。切るというより、バシンと叩いて潰してしまう。あるいは足で、思い切り、バシン! と、スイッチを踏みつけてしまえ! 一時停止だ! いったん休憩だ! そして犬を連れて散歩に行くのが一連の作業だ。

「どんな問題でも回避させてしまう脳内のスイッチ」を持つことで、燃え上がる脳内火事の消火活動には毎回成功している。あきらめて投げ出した瞬間に、答えが見つかることは多々あるのだ。
  
子育てには距離と時間が大切だ。

(村井理子『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術』(CCCメディアハウス)より抜粋/マイナビ子育て編集部)

『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術』について

いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術
¥1,430 (2023/04/17時点)
(2023/3/22 時点)

いますぐ、家事やめて、ピザ発注!
みんな、ふて寝、しよう

◎双子:思春期 ◎義父母:要介護
◎夫:妖精キャラ…… ◎犬:和牛のごとし!
――超多忙の人気エッセイストがシェアする快適にくらすアイディア65

「私たちのこだわり、だいたいのことは、他者にとってはどうでもいい」と理解する――私たちは毎日、死にかけている。しかも、誰かのために。仕事、家事、子育て、介護、人間関係……この現代社会、ルーティーンをこなすだけでも大変なことだが、誰もが、想定外のハプニングに振り回されながら生きている。少しは毒づきもする。しかし、キホンは機嫌よく生きていけたらいいですね。それは誰かのためではなく、誰よりも自分のためになるから。

思い込みや先入観から自由になり、いまよりちょっとだけラクに生きていくためのマインドセットとノウハウをシェアします。たとえば、

・オムライスを完食できないほどの苦悩――逃げ場がない子育てからもときには逃げて
・冷蔵庫は家具である――私らしい暮らしとは発想を変えて物事を見ること
・スケジュール管理のコツ――歯医者も美容院も予約は死守せよ
・人生を揺るがすピンチが訪れたら――目の前の小さなことから片づける
・リングに立つ私たち――SNSで呪われないためには関わらない
・死んでから感謝撲滅委員会――血の繋がった家族をみんな亡くして強く思うこと

村井理子さんのプロフィール

翻訳家、エッセイスト。1970年静岡県生まれ。
著書に『兄の終い』『全員悪人』(CCCメディアハウス)、『村井さんちの生活』(新潮社)、『犬ニモマケズ』『犬(きみ)がいるから』(亜紀書房)、『村井さんちのぎゅうぎゅう焼き』(KADOKAWA)ほか。訳書に『エデュケーション』(タラ・ウェストーバ一著、早川書房)、『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』(キャスリーン・フリン著、きこ書房)、『ゼロからトースターを作ってみた結果』『人間をお休みしてヤギになってみた結果』(共にトーマス・トウェイツ著、新潮社)、『黄金州の殺人鬼』(ミシェル・マクナマラ著、亜紀書房)、『捕食者』(モーリーン・キャラハン著、亜紀書房)ほか多数。

Instagram:@rikomurai
Twitter:@Riko_Murai

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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