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2022年12月24日 08:02 更新

子どもへの「ご褒美」のあげ方、間違ってるかも? カリスマ保育士・てぃ先生が警告する「危ないご褒美」

保育士YouTuberのてぃ先生の人気YouTubeチャンネルから、「子どものやる気を上げるご褒美と危ないご褒美」をご紹介します。

ご褒美の活用方法が子どものやる気に影響?

(※画像はイメージです/PhotoAC)

現役保育士のてぃ先生は、YouTubeでさまざまな育児情報を発信。SNSで公開している子どものほほえましいエピソードやパパやママの気持ちに寄り添った育児論も反響を呼んでいます。

子どものやる気を出すために、「これをちゃんとやったら、ご褒美としてこれあげる」と言ったことがある親は多いのではないでしょうか。その一方で、「毎回ご褒美をあげてるけど、大丈夫かな……」と不安になったりすることもありますよね。

てぃ先生いわく、子どもへのご褒美は「ご褒美があることを伝えるタイミング」と「何に対するご褒美なのか」を意識することが重要だそう。

心理学的にはご褒美をあげることは、子どものやる気を削いでしまうことにつながると言われています。とある研究で、子どもたちにソーマキューブというパズルを30分やってもらい、その後「パズルができたらお小遣いをあげる」と伝えたところ、それまでパズルを繰り返し楽しんでいた子どもたちが、たった1回パズルをやっただけでパズルへの関心を失ったそうです。
もともとは「パズルを楽しむ目的」でパズルをしていたはずが、「パズルができたらお小遣いをあげる」と言われたことで、目的が「お小遣いをもらうこと」になり、「もうパズルをやる必要はない」と判断するようになるのです。これを「アンダーマイニング効果」と言います。

別の研究では、お絵描きが好きな子どもたちを3つにグループ分けし、1つめのグループには「事前にご褒美の存在を伝えた上で、絵を描いた後にご褒美を与えた」、2つめのグループには「ご褒美の存在を隠し、絵を描いた後にサプライズでご褒美を与えた」、3つめのグループには「ご褒美があると伝えず、絵を描いた後もご褒美をあげなかった」そう。

結果、2つめと3つめのグループの子どもたちは、その後もお絵描きを楽しんでいたものの、1つめのグループの子どもたちは、これまでの半分程度の時間しかお絵描きを楽しまなくなってしまったといいます。これもアンダーマイニング効果で、ご褒美が目的になったことでその行為への関心が薄れた例です。

しかも、子どもがやりたくないことについて、ご褒美をあげると言ってやらせた場合、子どもが指示待ち人間になる可能性があるそう。

そうならないためのポイントは2つ。1つめは、前述の研究結果のように「サプライズでご褒美をあげる」こと。こうすることで、アンダーマイニング効果が出にくくなるといいます。

2つ目は、結果に対してご褒美をあげると子どものやる気がなくなるため、「プロセスや努力に対してご褒美をあげる」ようにすること。例えば、「宿題を終わらせた」ことにご褒美をあげると、アンダーマイニング効果が出る可能性があるので、そうではなく「宿題に一生懸命取り組んでいたことがとても良かった」としてご褒美をあげると、子どものやる気を引き出すことにつながりやすいのです。

また、ご褒美にお菓子やおもちゃをあげるのもいいですが、物はいつかなくなったり、壊れたり、飽きたりするもの。一方、うれしかった言葉はいつまでも胸に残るものですよね。そのため、ご褒美としてお菓子やおもちゃをあげる前に、プロセスや努力を褒める言葉をかけてあげるとより効果的です。

子育ての中では、ご褒美なしで子どもに何かさせるのは難しい場面も多々あるでしょう。そんなときは、ご褒美の存在を伝えるタイミングやご褒美の対象に注意するようにしたいですね。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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