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2023年02月24日 10:56 更新

小学生の平均体重は?肥満と痩せ、子供の体重に悩んだら家でする3つのこと【医師監修】

小学生になると、子どもたちの体はさらに成長していきます。小学生時代は何歳でどのくらいの体重になるのでしょうか? 個人差はありますがひとつの目安として、日本人の子どもの年齢ごとの平均体重や標準体重、肥満傾向や痩せ傾向などについてご紹介します。

小学生の身長と体重は?

小学生の身長はどのくらいなのでしょうか? 身長とともに、性別・年齢別でも平均体重と標準体重をご紹介します。

男子と女子の平均体重と平均身長

令和2年度に全国小学校で測定された、小学生の平均体重と平均身長は次の通りです[*1]。
低学年のうちは男子の方が身長・体重ともに女子よりも多めですが、高学年になると体重はほぼ同じくらい、身長はやや女子の方が大きめになっていきます。
なお、平均は全員の数値を足して人数で割った数字です。実際には、体重と身長はかなりの個人差があります。

★男子の平均体重と平均身長
6歳 22.0kg 117.5cm
7歳 24.9kg 123.5cm
8歳 28.4kg 129.1cm
9歳 32.0kg 134.5cm
10歳 35.9kg 140.1cm
11歳 40.4kg 146.6cm

★女子の平均体重と平均身長
6歳 21.5kg 116.7cm
7歳 24.3kg 122.6cm
8歳 27.4kg 128.5cm
9歳 31.1kg 134.8cm
10歳 35.4kg 141.5cm
11歳 40.3kg 148.0cm

小学生の標準体重

標準体重とは、全員の体重から計算された基準となる体重のことです。基準といってもこの体重でなくてはならないというわけでなく、後で説明する肥満度の計算に使う数値と考えるといいでしょう。
身長別に計算されるもので、次の式から計算できます[*2]。
---------------------------
身長別標準体重=a × 身長(cm) - b
---------------------------

aとbは次の数値です。

年齢 男子 a 男子 b 年齢 女子 a 女子 b
6歳 0.461 32.382 6歳 0.458 32.079
7歳 0.513 38.878 7歳 0.508 38.367
8歳 0.592 48.804 8歳 0.561 45.006
9歳 0.687 61.390 9歳 0.652 56.992
10歳 0.752 70.461 10歳 0.730 68.091
11歳 0.782 75.106 11歳 0.803 78.846
12歳 0.783 75.642 12歳 0.796 76.934

なお、母子手帳にも載っている以下の発育曲線からも大まかな標準体重はわかります。
発育曲線では、それぞれの年齢の94%の子の数値が帯の中に入ります。極端に曲線から外れていなければ、問題はありません。

小学生の平均身長に対する標準体重は次の通りです[*3]。

◎男子の平均身長時の標準体重
6歳 117.5cmの時21.8kg
7歳 123.5cmの時24.5kg
8歳 129.1cmの時27.6kg
9歳 134.5cmの時31.0kg
10歳 140.1cmの時34.9kg
11歳 146.6cmの時39.5kg

◎女子の平均身長時の標準体重
6歳 116.7cmの時21.4kg
7歳 122.6cmの時23.9kg
8歳 128.5cmの時27.1kg
9歳 134.8cmの時30.9kg
10歳 141.5cmの時35.2kg
11歳 148.0cm の時40.0kg

肥満傾向、痩身傾向の小学生はどのくらい?

平成18年度以降、肥満度が20%以上になっている場合は「肥満傾向」、-20%以下の場合は「痩身傾向」とされています。
肥満度の求めかたや、肥満傾向・痩身傾向の小学生がどのくらいいるかをご紹介します。

肥満度の計算方法

「肥満度」とは、標準体重に対して実際の体重がどのくらい多いか少ないかをパーセントで表した指数です。
次の計算式から出すことができます。
---------------------------
肥満度(%)={(実測体重(kg)-身長別標準体重(kg)÷身長別標準体重(kg)}×100
---------------------------

年齢別の肥満傾向、痩身傾向の割合

年度ごとの肥満傾向と痩身傾向の子どもの割合は次の表からわかります[*1]。
ただし、データを見ると肥満や痩せの子が増減しているように見えますが、実際には極端な肥満や痩せの子が増えている半面、全体的には肥満や痩せの子どもの数は増えていないとも言われています。

肥満傾向児の子どもの割合の推移

痩身傾向の子どもの割合の推移

太り過ぎ、痩せ過ぎと言われたら?

小学校では健康診断で測定した数値をもとに肥満度を計算し、健康状態について家庭に報告しています。
学校から太り過ぎ、痩せ過ぎと指摘されたらどう対処すればいいでしょうか?

かかりつけの小児科へ相談を

太り過ぎ、または痩せ過ぎと指摘されたら、まずはかかりつけの小児科へ相談しましょう。
太り過ぎ、痩せ過ぎは見た目の問題ではなく、健康状態と関わっているからです。

小学校での健康診断では数値を測ることはできますが、その原因まではほぼわかりません。心や体の病気が原因で太り過ぎたり痩せ過ぎたりしている可能性もあるため、小児科で病気の有無を診てもらうことが大切です。

また、太り過ぎや痩せ過ぎそのものを改善したいと思っても、具体的に何をすればいいかわかりにくいものです。食べ物だけを減らしたり増やしても、栄養バランスが崩れたり筋肉が減ることになり、体調に影響することもあります。

太り過ぎや痩せ過ぎの改善も、医療機関の手を借りるのが一番です。

太り過ぎ、痩せ過ぎのリスク

太り過ぎ、痩せ過ぎを放っておくと、色々なトラブルが起こりやすくなります。

★太り過ぎることで起こるリスク
◎体の病気・問題:高血圧、糖代謝異常、脂質代謝異常、睡眠時無呼吸症候群、非アルコール性脂肪性肝疾患、高尿酸血症、動脈硬化、月経異常など
◎心の問題:自尊心の低下や不登校、いじめなど

★痩せ過ぎることで起こるリスク
◎体の病気・問題:成長障害、ホルモンバランスが崩れる、心臓が悪くなる、将来太りやすい体になる
◎心の病気・問題:栄養不足からの精神疾患、拒食症や過食症など食にまつわる疾患、精神的に不安定になる

なお、食事を極端に減らして痩せてからまたリバウンドするのを繰り返していると、筋肉が減って体脂肪が増えてしまい、痩せにくい体になっていきます。
太り過ぎの場合も痩せ過ぎの場合も、自己判断で極端なダイエットをするのはさけましょう。

小学生の体重の悩み、家庭でできることとは?

太り過ぎの場合も痩せ過ぎの場合も、家庭で心がけることは同じで、次の3つとなります。

バランスの取れた食事

食べるものを削ったり逆に多めに食べたりするのではなく、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

栄養バランスをどうやって取ればいいかわからないケースも多いことでしょう。そんな時には農林水産省「子どもの食育」で、何をいくつ食べればいいかわかる「チャレンジしよう!ワークシート」をやってみるのがおすすめです。普段の食事のバランスもチェックできるシートや郷土料理紹介、海外の食べ物なども掲載されています。

規則正しい生活

朝は7時に起きて夜は9時に寝るなど決まった時間に寝起きする、朝ご飯を抜かない、1日3食食べる、毎日お風呂に入るなど、規則正しい生活を送ることでホルモンの分泌や生理的な活動が整いやすくなります。

適度な運動

特別なスポーツをやる必要はありません。毎日のように体を動かす習慣をつけましょう。
運動系テレビゲームで体を動かす、歩く機会を増やす、YouTubeのトレーニング動画に合わせて体を動かすなど、できることから始めましょう。
なお、週1回だけたくさん体を動かすだけではなく、できるだけ毎日体を動かすことが重要です。エレベーターを使わずに階段を1階分だけでも歩いて登るなど、毎日の生活の中で体を動かすタイミングを見つけましょう。
お子さん1人だけで体を動かす習慣をつけるのは難しいので、できるだけ家族で一緒に歩いたり体を動かしたりするのがおすすめです。

まとめ

小学生の平均身長と平均体重は全国の小学校で測定された数値が発表されています。
実際の体重や身長別標準体重から、肥満・痩せの度合いがわかる肥満度を計算することができます。学校から太り過ぎ、痩せ過ぎのお知らせがあったら、かかりつけの小児科で相談しましょう。自宅で自己流の対策を立てるだけでは栄養バランスが崩れるなどのトラブルがおこることがあるので、注意が必要です。家庭では親子一緒に「バランスの取れた食事」「規則正しい生活」「適度な運動」を心がけて、健康な体を育てていきましょう。

(文:大崎典子/監修:乾あやの先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「学校保健統計」文部科学省
[*2]「児童生徒の健康診断マニュアル(改訂版)」日本学校保健会
[*3]「令和2年度調査の平均身長の場合の標準体重」文部科学省

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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