共働き夫婦 共働き夫婦
2022年07月01日 16:12 更新

生涯健康でいるために、家族で緑茶習慣を!「第6回 伊藤園健康フォーラム」が開催されました

6月24日、株式会社伊藤園が「第6回 伊藤園健康フォーラム 緑茶による健康寿命延伸への新たな視点-慢性炎症の抑制-」を開催しました。慢性炎症とそれを抑える緑茶の効果が発表された今回のフォーラムの内容をお届けします。

(画像はイメージです/photoAC)

お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵「伊藤園健康フォーラム」開催

「伊藤園健康フォーラム」は、お茶を通じて社会課題の解決に貢献し、豊かに生きる社会の実現を目指す株式会社伊藤園が開催するフォーラム。第6回の今回は「緑茶による健康寿命延伸への新たな視点-慢性炎症の抑制-」をテーマに、2つの講演とパネルディスカッションが行われました。

最初の講演は静岡県立大学 食品栄養科学部 特任教授「ふじのくに」みらい共育センター長 合田敏尚先生による「生活習慣病の予防のカギを握る慢性炎症のコントロール」。続いて九州大学大学院農学研究院 生命機能科学部門 食料化学工学講座 食糧化学分野 主幹教授 立花宏文先生から「茶カテキンによる慢性炎症抑制のメカニズム」について講演がありました。さらに、合田敏尚先生、立花宏文先生、伊藤園中央研究所所長 衣笠仁氏によるパネルディスカッションと質疑応答がありました。

ここでは、この健康フォーラムでわかった慢性炎症と緑茶の効果について紹介します。

伊藤園中央研究所所長 衣笠仁氏

さまざまな病気のきっかけになる「慢性炎症」とは

「慢性炎症」はまだまだ耳慣れない言葉ですが、一体どんなものなのでしょうか。

炎症と聞くと、肌が赤く腫れる、痒みや痛みが出るという症状を思い出浮かべる人が多いのでは。実は炎症は「急性炎症」と「慢性炎症」にわけられ、症状が目に見えるのは急性炎症。これはケガや病気によって起こる一時的な炎症で、体に入ってきたウイルスや細菌に免疫細胞が反応して起こります。

一方慢性炎症は、大きく膨れた脂肪細胞に免疫細胞が過剰に反応している状態。特に内臓脂肪の脂肪細胞が関わっていて、主な原因は肥満です。脂肪細胞が大きくなった状態を免疫細胞(マクロファージ)が「異常」と判断し、過剰に集まって炎症を誘発する物質(サイトカイン)を放出することで起こります。

慢性炎症は体の中で静かに起こっていて、自分で気づくことはできません。症状はありませんが、炎症が長期にわたって続きます。こうして続いていくうちに生活習慣病や老化の加速を引き起こします。免疫細胞が放出した物質が血流にのって全身に運ばれることで、行く先々で脳梗塞、動脈硬化、がん、糖尿病といった病気を進行させるのです。

慢性炎症自体は病気ではありません。ですが体の中で異常なことが起こっている状態で、やがてさまざまな病気を起こしていく可能性があるということです。

(画像はイメージです/photoAC)

慢性炎症を予防するには?

慢性炎症は、誰でも気づかないうちに起こっている可能性があります。それを予防するにはどうすればいいのか、合田敏尚先生の講演で次のように説明がありました。

肥満にならない

慢性炎症の主な原因は肥満です。予防として大切なことは、まず肥満にならないようにすること。特に男性は女性と比べて内臓脂肪型肥満になりやすいそうです。内臓脂肪は合成と分解が早いため運動で減らしやすいので、気になる人は運動に取り組んでみましょう。

食後の血糖値を急激にあげない

食事の管理も大切ですが、最も気をつけたいことは食後の高血糖を避けること。食後に血糖値が急に上昇して高血糖になると、免疫細胞がサイトカインを放出するのを促すことがわかっています。

食後に血糖値をあげないためにできることは、まず早食いをやめてゆっくり食べること。研究の結果、食べるのが速い人ほど慢性炎症が起こりやすいことがわかっています。そして食べる順番にも気をつけ、バランスの良い食事を摂ることに取り組んでいきましょう。さらに食事中や食後に緑茶を飲むと、慢性炎症を抑える効果が期待できるとのことです。

合田敏尚先生

緑茶は慢性炎症予防の強い味方

緑茶には、抗がん作用や抗肥満作用など、健康をサポートする作用がたくさんあることは昔から知られてきました。こうした作用があるのは緑茶に含まれる「カテキン」です。

立花宏文先生の研究によって、細胞にカテキンの受容体があり、ここにカテキンが結びつくことで効果を発揮することがわかったそうです。カテキンには脂肪組織へ免疫細胞が集まることを防いでサイトカインが作られることを抑える作用と、炎症を減らす働きがあるタンパク質を増やすように細胞に働きかける作用があり、この2つの作用で慢性炎症を抑制してくれるのです。

カテキンは身近な食品の中で緑茶にしか含まれていない成分。日本では昔から緑茶を飲む習慣があるので、私たちも活用していきたいですね。

立花宏文先生

緑茶で慢性炎症を予防するには

では、慢性炎症の予防にはどのような飲み方が効果的なのでしょうか。

合田先生によると、1日に4~5杯(1リットル程度)を飲んでほしいとのこと。あまり摂り過ぎると効果がなくなることもわかっているので適量を守ることが大切とのことでした。

また、バランスの良い食事と併用することも重要です。肉やファストフードのような高脂肪食を控え、緑茶だけでなく大豆製品や野菜、魚介、果物、海藻も積極的に摂りましょう。そしてお茶を飲みながら、早食いにならないようゆっくり食事を摂ることを習慣にしましょう。

家族で緑茶習慣を始めよう

(画像はイメージです/photoAC)

合田先生によると、慢性炎症は肥満でない人、若い人も注意が必要とのことでした。

肥満でなくても、食後に高血糖になると慢性炎症が起こり、この状態が続くとすい臓の病気につながることも。また昨今は子どものやせの問題もあるものの、依然として肥満の小学生もいます。小学生でも、それ以前の未就学の子どもでも、免疫機能が整ってくると慢性炎症は起こりえるそうです。肥満の問題として考えると、成人または高齢だから気をつけよう、というのではなく、なるべく早い段階から取り組んでいくことが大切です。

子どもがいるとママやパパは早食いになりがち。でも子どもたちに肥満や慢性炎症を防ぐ食習慣を伝えるためにも、お茶を飲みながらゆっくり食べることから始めてみませんか?

お茶を淹れる時間さえおしい共働き家庭でも、ペットボトルで手軽に緑茶を摂ることができます。

慢性炎症を防いで病気を予防するために、今日からぜひ家族で取り組んでみてください。

「第6回 伊藤園健康フォーラム」の様子はこちらでご覧いただけます

(取材・文=佐藤華奈子)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-