
泡立て器がなくても大丈夫? 代用アイテムの実力&上手な活用方法
普段あまり使わなければおうちにはない泡立て器ですが、ちょっと使いたくなる場面もありますよね。そんなときに知っていると便利な代用アイテムと、上手に活用する方法をご紹介します。
こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。
お菓子作りをするときに、使用頻度が高い道具のひとつが泡立て器ですが、普段の料理でもよく使うかと言われると、そうでもないですよね。たまにでもお菓子作りをする人がいるご家庭では泡立て器があると思いますが、ちょうど壊れてしまったときや、お菓子作りをほとんどしないから持っていないという場合、今ちょっと使いたいんだけど……というときに困ってしまうことも。

泡立て器がないからと諦めてしまう前に、ちょっと待って! おうちにあるものを代わりに使えば済んでしまうことも、実は多いんです。 意外に日常的に使っているもので代用できちゃいますよ。
泡立て器の種類

より機能性を高めるため、今では形の違うものも見かけますが、多くの人がイメージする泡立て器は、写真のような金属製のワイヤーが何本も束ねられて先端が茶筅のようになっているもの。泡立て機能を高めるためにコイルを巻いたような形状のものや、ワイヤーの本数が多いものもあります。

手動のほかに、電動のハンドミキサーも泡立て器のひとつ。連続して使っても疲れにくく、力が弱い子どもでも上手に泡立てることができるので便利です。手動よりも回転速度が速いので、細かな調整ができないのがちょっと難点。

少量のものや小さなボウルなどで混ぜたいときにぴったりの、小さいミニサイズの泡立て器もあります。
泡立て器でできること
混ぜる

泡立て器を使うと効率よくできるのが混ぜる作業。材料をつぶしながら混ぜたり、クリーム状にしたり、ほかの材料と合わせたりするときにぴったり。
泡立てる

名前の通り、泡立てるために適した形になっている泡立て器。撹拌して空気をたくさん取り込み、ふんわりとボリュームを出すことができます。生クリームをホイップしたり、卵白をメレンゲにしたりすることで、ふわふわの食感や滑らかな口当たりが生まれます。
乳化させる

水と油は分離してしまうものですが、激しく振ったり混ぜたりすることで混ざり合うことを乳化といいます。ドレッシングや肉汁を使ったソースを作るときなどに、乳化させてトロミのある状態にします。
泡立て器の代用として使えるアイテム

泡立て器を使う目的は、料理によって違います。代用アイテムも、泡立て器でできることの全てが同じようにできるわけではありません。それぞれ得意な使い方、あまり向いていない使い方があるので、目的に合わせて代用アイテムを選ぶようにしてみてください。
① 菜箸

柔らかいものや少量のものを混ぜるためなら、菜箸が充分いい仕事をしてくれます。効率UPするには、菜箸の本数を増やしてみて。

メレンゲの泡をつぶさないように混ぜるような生地には向きませんが、ホットケーキや天ぷらの衣など、緩めで混ぜるだけの生地なら菜箸でもスムーズに混ざります。しっかりツノが立つまで泡立てるのは難しいですが、とろみがつく程度なら泡立ても可能。
② フォーク

つぶしながら混ぜるのはフォークが得意。1本よりも2本使うと、効率よく混ぜることができます。2本を一緒に握るのは持ちにくいので、輪ゴムで縛ると◎。
フォークは背を合わせて使うと大きく回せて、空気を取り込みやすくなります。少量のものを混ぜるときには、フォークのカーブを内側に向けて合わせたほうが混ぜやすいです。

菜箸と同じく、緩めの生地ならスムーズに混ぜることができますが……フォークの先が尖っているので、ボウルに当たるとカツカツと音が鳴ってちょっと気になるかも。ときどきゴムベラで、ボウルについた粉類をすくい取るようにすると混ぜやすいです。

泡立て器のように空気を混ぜ込むイメージで回して混ぜれば、生クリームの泡立ても可能。ツノが立つまでしっかり泡立てるのは少し根気が要りますが、ケーキにナッペしやすい7分立て程度なら意外と早くできます。
③ ヘラ

ヘラはつぶしながら混ぜたり、全体をすくい取りながらムラなく混ぜるのに適しています。空気を取り込んで泡立てるような作業には不向き。

ヘラの向きや動かし方によって、混ぜ方もいろいろ使い分けが可能。ケーキの生地などでメレンゲを加えるときには、泡をつぶさないようにヘラを立てて切るようにして混ぜると◎。
④ 袋

食品OKのポリ袋での調理方法も人気ですが、泡立て器の代わりに混ぜたり、泡立てたりするのにも使えます。頑張れば乳化も可能。つぶしながら練るように混ぜる場合は、材料を入れて袋の上から揉みこんだりすると効率的。

泡立てや乳化は激しく振るので、破れないような厚みのある袋を選ぶようにしましょう。チャックつきの袋は、漏れ防止にもなるのでオススメ。

空気をできるだけ入れた状態で口を閉じて振れば、卵や生クリームの泡立てもできます。ツノが立つほどしっかり泡立てるのはちょっと難しいですが、とろみがつくくらいならOK。振るだけなので、遊び感覚で子どもにお手伝いしてもらってもいいですね♪
⑤ タンブラー・シェーカー

よくペットボトルを代用アイテムとして紹介されていますが、つかみやすく振りやすいものの、中身を取り出すのがとても手間。中が洗えない点も気になり、個人的には試そうと思えません。
口が大きいタンブラーやシェーカーなら、ある程度の密閉性と、使用後の手入れがしやすくてかなりオススメ。

よく振り動かすことができるよう、材料を入れすぎないようにし、蓋をして振れば……メレンゲだってできますよ♪ 乳化も可能ですが、粘度の高いものや重いものは、振ってもよく混ざらない場合があります。
⑥ 密閉容器

蓋つきのガラス瓶や、プラスチック製の保存容器もある程度の密閉性があれば、泡立て器の代用として使えます。ドレッシングの乳化などは、そのまま保存もできて無駄なし。

メレンゲもできますが、生クリームはツノが立つまでしっかり泡立てるのはちょっと難しい印象。
代用アイテムでも泡立てやすくする裏ワザ
生クリームの泡立ちをよくするワザ

身近な道具で代用できることが多いですが、泡立て器のような仕上がりにするには労力がもっと必要です。効率よくするための裏ワザと合わせてみるといいですよ♪
たとえば生クリームを泡立てるときには、ジャムを加えると早くとろみがついて時短に。これはジャムに含まれるペクチンの働きによるもの。ペクチンが多いのはりんごやキウイ、柑橘類などのジャム。レモンや酢を加えて、クエン酸の働きで早く泡立てるという方法もあります。
どちらも香りや味が多少残り、フルーツによってはツブツブの種や色も加わることも踏まえて、特に気にならないメニューならOK!

代用方法によっては、手の体温が伝わってしまうこともありますよね。そんなときは保冷剤を当てて、冷やしながらやってみてください。
絞り出しがきれいな固めクリームにするワザ

とろみをつけたり、7分立て程度なら多くの代用アイテムでもできますが、きれいな絞り出しができるほどしっかりとしたホイップを作るのは難しいです。
デコレーション用のクリームが必要な場合は、冷やすと固めのクリームになるような材料をプラスしてみるのも手です。チョコレート、クリームチーズ、カスタードクリームなど、固さの調整がしやすく、味のバラエティも増えるのでオススメ。
卵白の泡立ちをよくするワザ

卵白を泡立ててメレンゲにすることができれば、ふわふわのケーキも作れます。なかなか根気のいる作業ですが、泡立てはじめる前に卵白をしっかりと冷やすことで時短になります。冷凍庫で10分程度冷やし、端がシャーベット状になりはじめてから使ってみてください。
泡立て器の代用アイテムの実力は?

おうちにあるいろいろなもので、泡立て器の代用はできることはわかりましたが、泡立て器を使うのと比べて、代用アイテムって本当のところどうなの? という疑問は残りますよね。
実際に泡立て器を一切使わず、代用アイテムだけを使っていろいろ作ってみた実感はと言うと……。

ベーキングパウダーなどのふくらまし粉を使って作るようなホットケーキやマフィンの生地を混ぜる程度なら、全く問題なくできました。労力的にも特に疲れることもなく、そこまで差を感じません。
ちょっと添えるような緩めのホイップも多くの代用アイテムで作ることが可能ですが、こちらはそれなりの労力と時間が必要。電動ハンドミキサーを使いたくなります。

ひたすら泡立てる作業が必要になるアイスクリーム作りは、チャックつきのフリーザーバッグを使うと、遊び感覚で子どもと一緒に作ることができて◎。
生クリームと卵はそれぞれフリーザーバッグに入れて、とろみがつくまで振ってから、ひとつの袋にまとめます。砂糖やバニラオイルを加え、よく振って混ぜ合わせてから冷凍庫に入れてくださいね。凍らせる過程の中で数回取り出し、揉んで崩す作業をしておくと口当たりがよくなります。

メインの作業は泡立てることなので、ハンドミキサーを使うほうが断然楽ちんなのですが、作る工程を楽しめることと、洗い物や作業効率のよさがあるので、手動で振るのもアリ。

泡立て器がないと作れないでしょ!? と思うケーキ作りも、代用アイテムのみで挑戦。卵白は逆さまにしても落ちないくらいに泡立てられたものの、砂糖を加えるとかなり緩くなってしまいました。スポンジの焼き上がりはとってもきれいですが、ハンドミキサーを使用したときと比べると、膨らみ方が1/2~2/3くらいという結果に。

カットしてみると、意外にもキメの細かいきれいなスポンジ。

ケーキに塗るクリームは、デコレーションしやすくなるようクリームチーズを混ぜ込んだクリーム。
トップに絞り出す固めクリームは、クリームチーズに生クリームを少しずつ加えてヘラで混ぜて調整。
ナッペ用は、生クリーム多めでフォークで泡立て。手動なので、固さの調整がしやすく、想像よりもスムーズにできました。

シフォンケーキのようなふわふわは難しいかもしれませんが、キメの細かいしっとりした口当たり。泡立て器なしでもここまでできることに驚き!
まとめ
お菓子作りで必須の泡立て器ですが、意外にも普段使っているようなアイテムで代用可能。使うものによって向き不向きがあるので、用途に合わせて使いやすいものを選べば、泡立て器がなくても調理することができます。
ただし、ハンドミキサーほど時間と労力の時短はできないので、使用頻度が高くなるなら泡立て器を購入したほうがいいかもしれません。
ちょっとだけ泡立てたいけど、家に泡立て器がなかったとき、今回ご紹介した方法が役に立てば幸いです。