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2022年06月08日 16:38 更新

3歳児がご飯を食べない!3つのケース別・効果のある対処法とNG例4つ【教えて保育士さん】

3歳になってだいぶ上手に食べられるようになってきた……はずなのに、ちょっとしか食べてくれない! 残す!! 好き嫌いが激しい!!! どうしたらいいのか途方にくれるママパパは少なくありません。今回は保育のプロに「3歳児の“食べない問題”」について、原因と効果がある対応策を解説いただきます。

3歳児の子がご飯を食べないのは、まだまだよくあること!

3歳児になってくると、食べる子と食べない子が出てきます。しかし「食べる子」と言われている子でも、よく話を聞いてみると
「量はいっぱい食べるけど好き嫌いが多い」
「どうしても野菜だけは食べない」

といった『食べない悩み』が出てくることはよくあります。

また、「食べない子」と言われている子も、
「量は食べないけどまんべんなく食材の種類は食べられる」
「絶対に食べないものはあるけど食べられる量は多い」
「2歳の時よりは食べられるものが増えた」

など『食べられる話』がでてくることもあります。

ご飯を食べるかどうかについて、2歳児は個人差が大きかったですが、3歳児になるとより『個性』がでてくるようになってきます。

<保育園エピソード>ご飯を少ししか食べないAちゃん。小児科医は……

ご飯をあまり食べない3歳児

地域の食育講座に行ったり、保育園に行ったりすると3歳児のご飯の目安量がおいてあることがあります。Aちゃんの保護者の方は保育園に置いてあった目安のご飯の量と比べて、Aちゃんが少ししかご飯を食べていないことをとても心配していました。

しかし、Aちゃんは確かに他の子に比べてあまりご飯の量を食べませんが、好き嫌いはほとんどなく、まんべんなく食べています。そして何より、いつも元気に遊んでいます。

保育園には嘱託医という、いわば保育園のかかりつけ医が決まっており、健診の時など保育園に来てくれます。その際にAちゃんの保護者から先生に相談してほしいというお願いがあり相談してみたところ、
「少し小柄だから食べる量も少ないのかもしれませんね。元気だし、成長曲線からも出てないし問題ないでしょう」
というのが先生の診断でした。

3歳児とひとくくりにいっても、体の大きさや運動量など様々です。また、3歳になったばかりか、もうすぐ4歳になる頃かによっても全然違います。あまり目安の量にこだわりすぎず、元気かどうか、成長曲線にのっているかどうかなど総合的に考えてみるのがおすすめです。

3歳児がご飯を食べない3つのケース 原因と対処法

3歳児になると、最初に書いた通り、本当に個性豊かな「ご飯を食べない姿」が見られるようになってきます。そのため、どんなふうに食べないのか、何を食べないかによっても原因や理由は様々です。
大きく3つのケースに分けて、それぞれいくつか例を挙げてみたいと思います。

ケース1|食べるご飯の量が少ない

まずは「食べるご飯の量が少ない」というケースです。

1. 「少食でも元気」体格や運動量に比例している

小柄な子や、あまり運動をしない子は少食になる傾向があります。

■対処法
体格や運動量に比例している場合、健康に問題がなく、成長曲線にのっていればあまり気にせず様子を見て良いかと思います。
もし何かするとしたら、日中体をたくさん動かす遊びに誘うなど、運動量を増やすのがおすすめです。

2. 「食べると疲れちゃう」食に対しての興味が薄い

食べることに対してあまり興味がない子もいます。食べるというのは、手を動かし、口を動かし、次に何を食べるか決め…とやることがたくさんあり、大人が思っているよりも子どもにとっては疲れる行為です。そのため、食に対してあまり興味がないと疲れるから途中で食べるのをやめてしまうというケースがあります。

■対処法
食に対して興味が薄い場合、
 ・食についての絵本を読んでみる
 ・ピクニックなどいつもと違う環境で食事をしてみる

など、食事に楽しいイメージを持ってもらえるような工夫がおすすめです。

また、
 ・保護者や友達と一緒にご飯を食べる
 ・お気に入りのぬいぐるみや人形などをお友達として隣に座らせる

など、楽しい雰囲気の食卓を作るのも良いでしょう。

さらに、お皿に盛る料理の量を最初に少なくしておくのも効果的です。
食に対して興味が薄いと、多く盛ってある料理を見るだけで疲れてしまったり、プレッシャーに感じたりしてしまう事があります。そのため、最初はほんの少しお皿に盛り、食べられたら子どもに聞きながらお代わりをできるような提供方法にしてみると、いつもより食べられるようになることがあります。保護者からするとお代わりを別皿に分けたり、立ち上がって盛りに行ったりとすこし手間ですが、余裕のある時にぜひ試してみてください。

3. 「まだお腹いっぱい」空腹感がわいてない

おやつの量や、食事のタイミングによっては食事の時間にお腹が減っていない場合があります。ついつい2歳児の頃と同じタイムテーブルで動いているご家庭によくあるパターンがこれです。
2歳児までは一度に食べられる量が少なく、お腹が空く時間が早かったり、おやつの回数が多かったりしていた場合、3歳児になって一度に食べられる量が増えると、今までの食事時間ではまだお腹が空いていない可能性があります。

■対処法
子どもの様子を見ながら、食事のタイムテーブルの見直しをしてみましょう。
個人差があるためあくまで参考程度にしかならないのですが、まさに今我が子が3歳児6カ月のため、我が家のタイムテーブルを載せてみます。

 6時半~7時 朝食
 11時半 昼食
 15時 おやつ
 18時 夕食

我が家の朝食は、息子が出勤前の夫と一緒に食べたがることが多く、早いと7時前になってしまいます。そのため、3歳3か月ごろまでは午前のおやつを食べていました。しかし、段々昼食に食べる量が少なくなってきたため、まずは午前のおやつの量を減らし、様子を見ることにしました。
すると、最初は「おやつは!?」と怒っていましたが、昼食の食べる量は増えたため、そのまま午前のおやつは無くし、昼食を少し早めに提供するように変えました。夕飯も以前は17時半でしたが、残すことが多くなったため18時に遅くしたところ、食べる量が増えています。

ケース2|好き嫌いが多く、食べられるものが少ない

好き嫌いをする幼児

嫌いなものが多いため食べられるものが限定されて、結果として食事を食べてくれない場合はどうなのでしょうか。

1. 「甘えたい…」コミュニケーションを取ろうとしている

3歳児になると、色々なことができるようになり、喋れることも増え、成長を感じるため、その成長に応じた態度を無意識に子どもに期待してしまうことがあります。それは「この子ならできるはず」と子どもを信頼している事でもあり、決して悪いことではありません。
しかし、子どもによってはもっと甘えたい気持ちがまだあり、それを食事中に表現することがあります。

■対処法
もし時間と心に余裕があるなら、
 ・食べさせてあげる
 ・たくさん話しかけてあげる

など、甘えたい気持ちを満たしてあげるのがおすすめです。
それでいて、
 ・自分で食べた時には大きく反応をする
と、自分で食べようという意欲も育っていきます。

大きく反応すると言っても、「えらいね」「お姉さんだね」「お兄さんだね」と大げさにほめるのはあまりおすすめしません。それでは、食事が楽しいという気持ちよりも、褒められるために食事を食べなきゃ!という気持ちが育ってしまう可能性があるからです。

子どもが自分で食べた時には保護者も同じものを食べてみて「一緒に食べるとおいしいね」と言ったり、「自分で食べられたね」と笑顔でできたことを言葉にしたりして、本人が「私・僕って自分で食べられるんだ!」という自信や「自分で食べられると楽しいな」という食事への楽しみを感じられるような反応をしてあげるのがおすすめです。

2. 「慣れないものはイヤ」においや味への感度が高い

においや味への感度が高いお子さんの場合も、好き嫌いが多くなりがちです。子どもの方が味やにおいに敏感だと言われていますが、大人だと気にしないような味の違い、においの違いを子どもは感じ取り、それに好き嫌いを感じているケースです。

■対処法
においや味への感度が高い場合、成長とともに平気になるのを待ちつつ、存在そのものに慣れられるよう食卓へは色々なものを並べておくのがおすすめです。
見慣れない食材に対してはより一層敏感になってしまうものです。そのため、普段から食卓に並べ、まずは見慣れることで警戒心を下げていってもらい、そのうち興味を抱いてくれるのを気長に待つようにしましょう。

3. 「ごちそうさまなの!」食事のマイルールを作っている

なんでもイヤイヤだったイヤイヤ期を超え、3歳児になると自分なりのルールを作るようになり、それに沿わない言動を拒むようになります。しかも2歳児より確実に賢くなっており、2歳児の時は「じゃあこれとこれ、どっちから食べる?」など選択肢を与え、自分で選んだ感を味わえると満足していたのが、3歳児ごろになるともうその手は効きません。
「僕は〇〇も〇〇も食べないって言った!もうこれ食べたらごちそうさまなの!」
とはっきり主張してくれるようになります。
色々考え、主張できるようになり、その成長が嬉しくもあり、困ったりイライラしたりもするのが3
歳児あるあるです。

■対処法
自分なりのルールで食べないものを決めている場合、まずはその3歳児のルールを尊重してあげましょう。
「〇〇ちゃんはこうだからこれはたべないのね。〇〇ちゃんの気持ちはわかったよ」
そうすることで、3歳児は自分が尊重されたことに一つ満足し、交渉のテーブルにつく余地が生まれます。最初から3歳児の意見を否定してしまうと、大人の話を聞こうとすらしてくれないことが多いのです。

そして、3歳児の態度が軟化したなと雰囲気で感じたら、食べてほしいということを「これは正しいことだから」「しなきゃいけないことだから」というように押し付けるのではなく、
「でもママは頑張ってご飯作ったから、一口だけ食べてほしいな」
「これを食べると〇〇ちゃんが元気に大きくなれるし、パパは〇〇ちゃんに元気に大きくなってほしいから食べてほしいな」

というように保護者の意見や思い、願いとして伝えます。
これを繰り返していくうちに、交渉が上手く行き、食べてくれるようになったケースは多くあります。
最初は難しいかもしれませんが、何度も話すことや、月齢が上がってくることで交渉がうまくいく可能性は高いです。ぜひ余裕のある時に試してみてください。

ケース3|特定の食材・料理のみ食べない

他のものは食べてくれるのに、特定の何かを食べてくれない子もいます。

1. 「どうしてもダメ」味や感触が嫌い

大人でも好き嫌いがあるように、やはり子どもにもどうしても好きになれない食材や料理もあります。

■対処法
先にもお伝えしましたが、大人でも好き嫌いがあるように、子どもにもどうしても好きになれない食材や料理があります。その場合は、無理に出すことなく、他のもので栄養を補えばよいと私は考えています。
もしなにか工夫したい場合には、子どもが嫌いでも食卓に出し、大人がおいしそうにそれを食べる姿を見せることで効果が出る可能性があります。大好きな保護者がおいしそうに食べていると、子どもはその食べ物に嫌いだけれど興味はある、という風に育ちます。
そのため、もっと成長してからその食材や料理にであった時に「食べてみようかな」と思える可能性が高くなるのです。

2. 「食べにくい」咀嚼力が食材・料理に合っていない

お肉や魚、筋のある野菜などが嫌いな場合は子どもの咀嚼力と合っていない可能性があります。
噛むと疲れてしまう、噛みきれなくて飲み込めないから残してしまっているのです。

■対処法
お肉や魚、筋のある野菜などが嫌いで、子どもの咀嚼力と合っていない可能性が高い場合には、小さく切ってあげたり、あんかけなどとろみのある料理にしてあげたりすると良いでしょう。

ただ、3歳なので咀嚼力がもう少し身についてほしいなという気持ちもありますよね。
その場合、食事で咀嚼力をつけるのではなく、遊びの中で口や顔の筋肉をたくさん動かすような遊びを取り入れてみてください。大きな声で歌ったり、たくさん喋ったり、にらめっこをしたりするのがおすすめです。

さらに、意外かもしれませんが走ったりジャンプしたりすることも咀嚼力を上げる効果があります。走ったりジャンプしたり体全体を動かすことで体幹がしっかりし、体が支えとなることでうまく嚙むこともできるようになるのです。

3. 「口がいたい」口腔アレルギーの可能性も

時々、トマトや果物などを食べると「口の中が痛い」という子がいます。知らないと嫌いな食べ物の言い訳に聞こえてしまうかもしれませんが「口腔アレルギー」の可能性があります。

口腔アレルギーとは食物アレルギーの一つで、食べてから多くの場合15分以内に口やのどにかゆみ、痛みを感じるアレルギーです。重症になると蕁麻疹や喘息、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があるため、この場合には無理に子どもに食べさせることはしてはいけません。

口腔アレルギーに関しては、以下のページを参考にしていただければと思います。
■口腔アレルギー(山梨大学医学部附属病院 アレルギーセンター)
子どもの様子から心当たりがある場合などは、かかりつけ医に相談するのも良いでしょう。

思わずやっちゃう! ご飯を食べない3歳児へのNGな対応

ご飯を食べるようになってほしいと思ってした行動が、場合によってはより子どもの食事への嫌なイメージ、好き嫌いにつながってしまう事があります。
そんな悲しいことにならないよう、しない方が良い対応をご紹介します!

NG! イライラした口調や強い口調で話しかける

してはいけないことや、食べてくれなくて嫌だという気持ち、悲しい気持ちを伝えることは悪いことではありません。
しかし、イライラした口調や強い口調で伝えると、子どもは保護者が怒っているということに意識が集中してしまい、実は話の内容が全く入っていないことがよくあります。
ぜひ子どもに大切なことを伝える時は、笑顔でなくていいので、落ち着いたトーンで伝えてあげてください。

NG! ウソをついて食べさせる

本当は嫌いなものが入っているのに、「入っていないよ」とウソをついて食べさせてしまうケースを時々耳にします。しかし、3歳児との間でも信頼関係はとても大事です。
ウソをついてしまうと、そのウソがばれた時、信頼関係が崩れてしまう恐れがあります。子どもは見慣れない食べ物に対して、今までより警戒心を強く抱いたり、保護者の話を聞かなくなったり、よりかたくなな態度になったりしてしまうかもしれません。
秘密で入れる場合はまだ良いのですが、ウソをつくのはやめておきましょう。

NG! 子どもが嫌がっているのに口に入れる

子どもが嫌がっているのに食べ物を勝手に子どもの口に入れることは、もし保育現場でした場合には虐待とみなされます。自分の話を聞いてもらえず、嫌だといったものを口に入れられた子どもは、ひどく怖がり、傷ついてしまいます。体の健康のためとはいえ、心に傷をつけてしまうことは保護者にとっても子どもにとっても悲しいことです。

きっと子どもが嫌がっているのに口に入れてしまったという保護者の方は、いきなりそうしたのではなく、それまでにたくさん試してきて、それでもだめだったから、という場合が多いかと思います。
子どもの健康や偏食が心配なときには、かかりつけ医に相談したり、偏食外来を受診したりするという方法があります。

ぜひ一人でなんとかしようと抱え込んでしまうのではなく、色々なところに相談をしてみてください。

NG! 大人の言っていることが統一されていない

3歳児にもなると、よく相手を見ており、保護者同士の対応が違うと自分にとって都合のいい方の対応を「だってパパがいいって言ったもん」など主張するようになります。また、色々な事を理解するようになってきて、その分保護者同士や、保護者のその時とそれ以前との話の矛盾についても敏感になってくる時期です。

矛盾が多いと、子どもは保護者に対して不信感を抱いたり、話を聞こうとしなくなったりしてしまいます。しっかり保護者同士で話し合い、保育園や幼稚園に通っている場合には園の様子や対応も聞きながら、大人ができるだけ同じ対応ができるようにしておくと良いでしょう。

まとめ

きっとご飯を食べない3歳児に悩む保護者の方には、これまでずっと悩んできて「いい加減にして…」「いつになったら食べるようになるの?」ととても辛い思いをされている方もたくさんいらっしゃるかと思います。
また、忙しい日々を送る中、成長する3歳児の姿に「ご飯くらい自分でもっと食べてよ」と子どもに期待してしまう気持ちもありますよね。
ですが、そのもやもやした気持ちや、イライラを子どもに伝えてしまうと、子どもは自分を否定された気持ちになったり、食事を楽しくない時間だと感じるようになったりします。
子どもが食事の時間を楽しく過ごせるようになってほしという気持ちは。どの保護者の方にもある願いだと思います。すこしでもこの記事がそのお役に立てれば幸いです。

食べる量の少なさや、偏食がどうしても心配という場合には「偏食外来」を受診するという方法もあります。神奈川県の小児保健協会のサイトで外来受診をするか悩んでいる方向けの動画も公開されておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

(文・こまつなのは)

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