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2021年01月27日 10:52 更新

甘酒ダイエットで効果を高める飲み方とは

「飲む点滴」とも呼ばれることがある「甘酒」。健康や美容のために取り入れている人もいるのではないでしょうか。ただ、もちろん飲むだけでやせるといったものではありません。ダイエットに甘酒を役立てる、効果的な摂り方を詳しく解説していきます!

甘酒がダイエットにいいってほんと?

甘酒はダイエットにいいのか
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甘酒には、「米麹で作る甘酒(麹甘酒)」と「酒粕で作る甘酒(酒粕甘酒)」があります。麹も酒粕も日本酒を作る工程に関わる食材ですが、同じ「甘酒」という名でも含まれる栄養素には違いがあります。まずは、それぞれの甘酒に含まれる栄養素や特徴を詳しく解説します。

なお、甘酒は「お酒」ではありません。麹甘酒は麹を発酵させたもので「酒」と名がついていてもアルコールを含みません。一方で酒粕はアルコール発酵させたあとにできるものです。そのため、酒粕甘酒には基本的にごく少量のアルコールが含まれます。ただし、アルコール度数が1%未満のものは酒税法により酒類にはならないので、清涼飲料水として売られています。

既製品の場合にはアルコール含有量が記載されていますが、手作りした場合はどの程度アルコールが含まれているかわかりません。少量とはいえアルコールが含まれているので、妊娠中や授乳中の人、運転前などは酒粕甘酒には注意した方がいいでしょう。

甘酒に含まれる栄養素

甘酒に含まれる栄養素
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麹甘酒と酒粕甘酒に含まれる栄養素には、共通点と違いがあります。ダイエットに嬉しい理由と一緒に、くわしく解説していきます[*1-3]。

麹甘酒と酒粕甘酒に共通して含まれる栄養素

ビタミンB群

ビタミンB群は、食事から取り入れた糖質、脂質、たんぱく質がエネルギーや身体の構成成分として体内で働くために欠かせない栄養素です。ビタミンB群が不足していると体内で本来の働きをすることができず、痩せにくい身体になってしまいます。

葉酸

葉酸は、お腹の中の赤ちゃんの発育に必要であることがよく知られていますが、それ以外にも細胞や血液を作る働きがあり、「造血ビタミン」と呼ばれることもあります。食事量を控えることで貧血気味になることもあるダイエット中には、とくに積極的に摂りたい栄養素です。

必須アミノ酸

筋肉やお肌、血液、ホルモンなど、生命を維持するための組織のもととなる「たんぱく質」は20種類の「アミノ酸」の組み合わせにより構成されています。このうち、体内で作ることができずに食事から摂る必要がある9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と言います。甘酒にはこの必須アミノ酸の多くの種類が含まれています

麹甘酒の特徴

蒸した米に麹菌を繁殖させた「米麹」と水を合わせて発酵させたものが、麹甘酒です。麹菌は米のでんぷんを糖に変える働きがあるため、麹甘酒は砂糖を使わないのに自然な甘みがあるのが特徴です。

麹甘酒の栄養成分は、原材料となる米によって異なります。最近では、玄米や雑穀米など、栄養価の高い穀類の麹で作られた麹甘酒も注目されています。

酒粕甘酒の特徴

米、米麹、酵母、水をアルコール発酵させた「もろみ」を搾ることで日本酒が造られます。その搾りかすが「酒粕」。酒粕を水に溶かし、砂糖、塩で味を調えたものが酒粕甘酒です。米麹に加え酵母も入ることで、麹甘酒よりも含まれる栄養素は多くなります。

酒粕に含まれる「レジスタントプロテイン」に期待!

酒粕甘酒に含まれる成分の中でも注目されているのが、「レジスタントプロテイン」。たんぱく質は消化されてアミノ酸となり体内で利用されますが、一部消化されずに排出されることが分かっています。この消化されないたんぱく質を「レジスタントプロテイン」と呼び、食物繊維と似た働きをすることがわかっています。

食物繊維は、便のカサを増し排便を促したり、腸内環境を整えるのに働くことが知られています。酒粕を再発酵させることでレジスタントプロテインの含有量をさらに高めた酒粕発酵物を便秘気味の女性72人が摂取したところ、摂取後には便秘が改善された人の割合が増えたとする報告もあります[*2]。便秘の予防・改善に役立つ可能性があるのなら、ダイエット中にも積極的に摂りたくなりますね!

ダイエット中におすすめの甘酒の摂り方

ダイエット中におすすめの甘酒の摂り方
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甘酒の嬉しい働きを知ったところで、次に、ダイエット中におすすめの摂り方を紹介していきます。

主食の量と調整する

米を原料にした甘酒は、主食となるご飯、パン、麺類などと含まれる栄養成分が似ています。ですから、カロリーや糖質を摂り過ぎないようにするために、主食や甘い物の量を調節しながら取り入れることが大切です。

ご飯1杯(150g)は252kcalです。麹甘酒コップ1杯(150g)は122kcal、酒粕甘酒(150g)は92kcalですから、1日の食事に加え、甘酒を飲む際には、ご飯の量を1/3~1/2くらい減らして調整をしましょう[*2,3]。

調味料として料理に使う

甘酒に含まれるアミノ酸は、うま味成分として料理を味わい深くしてくれます。砂糖の代わりに甘酒を使うと、甘酒に含まれる栄養素を追加できるだけでなく、うま味をプラスすることができます。うま味が増えると塩味を減らしても美味しく仕上げることができるので、減塩にもつながります。

どうしても甘い物が食べたい!そんなときに温かい甘酒を飲む

ダイエット中には甘い物は極力控えたいものですが、あまり我慢を重ねると強いストレスがかかり、反動でのドカ食いからリバウンドにもつながりかねません。ときどきのご褒美として、温かい甘酒を飲んで、やさしい甘みでほっと一息つくのもいいでしょう。

ただし、甘酒は糖質が主な成分なので、寝る前など身体を動かさない時間ではなく、午前中や日中などの活動時間に取り入れるのがおすすめです。

ダイエット中に摂るときの注意点

ダイエット中に摂るときの注意点
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ダイエットに役立つ栄養素を含む甘酒ですが、取り入れる際に注意すべきことも押さえておきましょう。

1日に摂る量の目安

甘酒を1日にどのくらい摂ったらいいかという決まりはありません。効果的に取り入れるためには、1日のトータルカロリーが過剰にならない範囲で1日コップ1杯(150g程度)を目安に摂ると良いでしょう。甘酒のエネルギーと糖質の量はだいたい以下となっています[*3]。

甘酒のエネルギーと糖質量の目安

麹甘酒(150g):エネルギー122kcal、糖質26.9g、
酒粕甘酒(150g):エネルギー92kcal、糖質量13.6g

甘酒を摂り過ぎるとどうなるか

これまで、甘酒の主成分は糖質であることをお伝えしてきました。ダイエットに嬉しい栄養素も含みますが、たくさん飲めば糖質の摂り過ぎとなり、体脂肪の増加につながってしまいます。

とくに市販の甘酒は甘味料の含有量も製品により様々で、知らず知らずのうちに糖質過剰になりやすいので適量を守ることが大切です。

飲みなれない人にもおすすめ!甘酒のダイエットレシピ3選

飲みなれない人にもおすすめ!甘酒のダイエットレシピ
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ここからは、甘酒の味が苦手でも取り入れやすいレシピをご紹介します。

りんご甘酒(1人前:126kcal)

材料(2人分):甘酒200ml、りんご1/2個、レモン汁大1

作り方
【1】りんごは良く洗って芯を取る。ミキサーに入れて混ぜる。

ポイント:甘酒の独特な風味が和らぎ、飲みやすくなります。食物繊維やビタミンCを補うこともできます。

甘酒で切り干し大根の煮物(1人前:84kcal)

材料(2人分):切り干し大根(乾)30g、人参1/4本、甘酒大2、醤油大1/2、ゴマ油小1

作り方
【1】 切り干し大根をたっぷりの水で戻しておく。人参は千切りにする。
【2】 鍋に油をしき、人参と水気を切った切り干し大根を炒める。
【3】全体が混ざったら、戻し汁200ml(足りなければ水を加える)と調味料を加えて水気がなくなるまで煮る。

ポイント:甘酒を使った優しい甘さのヘルシー副菜です。切り干し大根と甘酒のうま味で薄味でも美味しく、減塩効果も期待できます。

甘酒で豚肉の生姜焼き(1人前:242kcal)

材料(2人分):豚肉160g、玉ねぎ1/2個、甘酒大2、醤油大1、生姜1かけ

作り方
【1】生姜をすりおろして調味料を合わせて肉を漬ける。
【2】30分ほど漬けたら、肉を中火で焼く。
【3】火が通ったら漬け汁を加えて煮立たせてよく絡める。

ポイント:砂糖を使わず優しい甘みが楽しめる生姜焼きです。甘酒に含まれるプロテアーゼは肉をやわらかくしてくれます[*4]。

まとめ

いかがでしたか? ダイエットに甘酒を役立てるなら、量や摂り方に気を付けながら取り入れてみてくださいね!

(文:薦岡具代)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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