リフォーム依頼前に確認したい! ガス工事の注意点と費用
ガス工事の種類やガス管が腐食してしまった場合の危険性、ガス給湯器やガス管の取り替えにかかる費用などについてご紹介します。リフォームのなかでもガス工事はとくに、専門性が高い分野です。ガス工事のリフォームを依頼する前に、しっかり確認しておきましょう。
リフォームとガス工事は別!?
ガス工事には資格が必要
キッチンリフォームなどの見積書でよく見かけるのが、「ガス工事はガス会社の管轄」といった内容の説明。ガス工事は専門性が高いため、リフォーム会社では扱いきれない場合が少なくありません。というのも、一つ間違えると大きな事故につながるため、一部のガス工事は資格を持っている人しか行うことができない決まりになっています。
例えば、一部のガス湯沸器など「特定ガス消費機器」については、資格を持たない人が特定の設置工事を行うと、罰則が適用されます。また、法的資格ではありませんが「ガス機器設置スペシャリスト資格制度」「ガス可とう管接続工事監督者制度」など、ガス関連の団体が設けている自主的な資格制度もあります。
リフォーム料金とは、別費用になる場合も
専門性が高いガス工事は、リフォーム業者ではなく東京ガスなどのガス会社が行うことが少なくありません。その場合、施主とガス会社とのあいだの直接的なやりとりとなり、ガス工事にかかる費用はガス会社から施主に直接請求されるのが一般的。そのため、リフォームの見積書にガス工事の内容や費用は反映されません。施主がガス工事費用を負担しなくてはならないことを忘れてしまうケースも多く、トラブルに発展してしまうこともあるようです。
そうした事態を避けるためにも、見積書を受け取った時点で、記載されている以外に費用が発生するかどうかを確認することが必要です。もしガス工事費用が別途必要な場合は、その旨をきちんと記載してもらいましょう。
なお、工事の規模にもよりますが、一般的なリフォームでのガス工事費用は5万円〜が目安となります。
ガス工事の種類
ガス栓の増設リフォーム
リフォームのガス工事にはいろんな種類がありますが、なかでも多いのがガス栓の増設です。ガスがすでに引き込みしてあるお家の場合は、ガス栓を増設するだけでOK。ガス管を分岐させ、ガスを引き込みたい部屋へと通します。弓形に曲げることができて、耐震性にも優れたフレキシブル配管を使用すれば、半日程度の工期ですみます。
ガスが引かれていないおうちの場合は、まずガス会社に連絡して契約を結ぶところから。その後、施工業者に依頼してガス栓を設置します。気になる費用相場は、設備費と工事費を含めて1.5~1.8万円ほどです。
ガス給湯器の交換リフォーム
ガス工事が必要なリフォームとしては、ガス給湯器の交換も一般的です。ガス給湯器は、およそ10年が交換のタイミングとして適切といわれています。お湯が出るまでに時間がかかる、聞きなれない音がする、水漏れしているなどの不具合が見つかったら、交換時期が近づいている合図です。
ガス給湯器の交換リフォームには、設備費用と工事費用が必要です。ガス給湯器設備の定価は、パワーや機能によって変わってきますが、リモコン付きのタイプでおよそ15~45万円ぐらいが相場となっています。ただし、割引が適用される場合がほとんど。設備の種類によっては、8割ほど値引きしてくれる業者もあるようです。
工事費用は、設置するガス給湯器の大きさや機能にそれほど違いがない場合で、2.5~5万円ほどがだいたいの相場。もちろん、業者によって差があるので、依頼する前にきちんと確認しておきたいところです。
古くなったガス設備を工事しよう
ガス管交換の劣化について
ガス管のなかには、土のなかに埋められているものもあります。知らないうちに、少しずつ老朽化している可能性があります。ガス管の表面にほどこされた亜鉛メッキが劣化すると、ガス管にまで腐食が進み、ガス漏れを引き起こす原因に。老朽化しにくく、耐震性にも優れた新しいガス管に取り替えておくと安心です。
ガス管取り替えの費用は?
ガス管の取り替え費用は、敷地面積や埋められているガス管の状況などによって変わってきます。例えば、戸建住宅であれば、仮に管径32mmの配管を敷地の土中に5m埋め込んで、地上に管径32mmの配管を3m設置した場合、工事費用は20万円ほどです。
共同住宅であれば、仮に管径50mmの配管を敷地の土中に8m埋め込んで、地上に管径50mmの配管を2m設置した場合、工事費用は35万円ほどになります。
まとめ
目立った異常がないとしても、古いガス給湯器やガス管を長く使い続けるのにはガス漏れなどのリスクが伴います。ガス給湯器は10年、ガス管は20年が交換の目安。快適な暮らしを送るためにも、適切なタイミングでの取り替え工事がおすすめです。