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2022年01月11日 09:53 更新

2022年の夏至(げし)っていつ? 季節を感じる夏至祭りの楽しみ方

冬至と比べて、話題になりにくい夏至。実は、夏至の日は、毎年微妙に変わります。夏の訪れを感じる夏至の日ですが、2022年はいつになるのでしょうか? 子どもに聞かれても大丈夫! 夏至についての基礎知識を解説します。盛夏に向けて気分を盛り上げるイベントアイデアも合わせてご紹介します。

夏至は二十四節季(にじゅうしせっき)のひとつ

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夏至は(げし)、日本の四季をわける二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつです。二十四節気は暦の一種で、太陽の動きをもとに作られています。毎年、だいたい6月20日か21日で、2022年の夏至は6月21日になります。

二十四節気のなかで身近なものは、「春分」「夏至」「秋分」「冬至」の4つ。これらは、まとめて「二至二分(にしにぶん)」と呼ばれています。いずれも季節が変わっていくターニングポイントで、昼の長さが関係しています。

1年でもっとも昼が長い日

夏至は、1年でもっとも昼が長くなる日です。暦のうえでは、夏のピークにあたります。太陽が出ている時間がもっとも長いわけですから、暑さも相当なものになるかと思いきや、6月20日ごろは梅雨のシーズン。雨の日は、まだ肌寒くなる日もあるくらいです。日本の夏至は、これからどんどん暑くなっていく、夏の入り口といったところですね。

夏至の日の太陽をよく観察してみてください。太陽は、1年のうちもっとも高い位置を通ります。太陽が南にきたときの高度を、南中度といいます。この南中度がもっとも高い日が、夏至の日です。空の一番高いところを通るので、移動距離が長くなります。そのため、日の出から日没までの時間がもっとも長くなるのです。

ちなみに、冬至は1年のうち、夜がもっとも長い日。春分と秋分は、昼と夜がちょうど同じ長さになる日です。

2021年の夏至は、6月21日でした。2022年も6月21日です。春ごろから、日没の時間を記録しておくと、差がわかっておもしろいですよ。夏至と冬至の日では、日照時間に約5時間も差が出ます。

夏至に食べるもの

冬至の日には、かぼちゃを食べてゆずのお風呂に入るという風習があります。スーパーマーケットで特売があったりして、わかりやすいですね。では、夏至の日には何を食べるとよいのでしょう? こちらはあまり話題になりませんが、地域ごとによく食べられている食べ物があります。

関西では「タコ」、関東では「もち」

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夏至の日に、関西では「タコ」を食べることが多いようです。関西では、明石焼きやタコ焼きが有名ですし、関西風のおでんにはタコの足が入っていますね。平成26年の農林水産省統計[*1]によると、兵庫県はタコの漁獲量が日本で2番目に多い県です。新鮮なタコが手に入るので、もともと関西地方ではタコを食べる習慣が根付いているのでしょう。

タコの足は、四方八方に伸びます。そのため、夏至のころ、田植えの時期にタコを食べ、稲がしっかり根を張るように、と祈ったのだそうです。

同じ関西でも、奈良県や大阪の河内地方では、「半夏生餅(はんげしょうもち)」というお餅を食べるのだそうです。半夏生とは、「雑節(ざっせつ)」という日本独自の暦のうちのひとつ。二十四節気は中国から伝わったものなので、日本の季節感とは少々ズレがあります。そこで、日本の風土にあわせて作られたのが雑節です。

半夏生は、7月2日ごろから七夕までの5日間をいいます。半夏生餅は、もち米と小麦を半分ずつにしてついたお餅で、きなこをまぶして食べます。半夏生の時期は夏至から11日目にあたるので、厳密に言えば少し時期が違うようですが、夏の入り口にみんなで味わう食べ物なのですね。

自分の地域では何を食べる風習があるのか、調べてみるといいかもしれません。

世界の夏至祭り

「1年のうち、昼が一番長い日」と聞くと、ちょっと特別な感じがしませんか。夏至の日には、世界各地で夏至祭りが開かれます。北欧の国の夏至祭りについては、みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

北欧の「夏至祭り」

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スウェーデン、ノルウェー、フィンランドなど、北欧の国々では、盛大に夏至祭りを行うことで有名です。これらの国々は冬の期間が長いため、1年の日照時間がとても少ないのです。そこで、日照時間がもっとも長くなる夏至をみんなでお祝いします。

スウェーデンのダーラナ地方で開催される夏至祭りは特に有名で、観光客も大勢訪れます。スウェーデンの夏のはじまりは日本よりも早く、ちょうど6月20日ごろからサマーシーズンになります。広場にポールを立て、町の人たちは輪になって踊ったり、音楽を演奏したりして夏の訪れを喜び合います。

フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが描いたムーミンの世界でも、大きなかがり火をたいて祝う夏至祭りの様子が描かれています。

日本 二見興玉神社の「夏至祭禊」

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日本にも、夏至祭りを行っている神社があります。三重県伊勢市にある「二見興玉(ふたみおきたま)神社」です。こちらのお祭りは、厳かな雰囲気。海のなかにある、夫婦岩の間から日の出を拝みながら、禊(みそぎ)をおこないます。こちらの神社が太陽神である天照大神(あまてらすおおみかみ)をお祀りしているので、太陽がもっとも長く出てパワーのある夏至の日に、鎮魂行法と禊をするのですね。

参加するには、事前の申し込みが必要ですので、時期が近づいたらHP[*2]で確認してみましょう。

夏至の楽しみ方

子どもにとっては、「昼がもっとも長い日」=「いっぱい遊べる日」です。夏は19時ごろまで外が明るいので、いつまでも遊んでいられるような開放感がありますね。せっかくですので、日本の四季の移ろいを感じながら、夏至の日をイベントとして楽しんでみましょう。

キャンドルナイトがおすすめ!

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夏至の日を家庭で楽しむには、「キャンドルナイト」がおすすめです。2003年にはじまった「100万人のキャンドルナイト」というイベントは、夏至と冬至の日、20時から22時までの2時間、電気を消してろうそくの明かりで過ごそう、というものです。

手作りキャンドルを作ってみたり、アロマキャンドルをたいてみたり、楽しみ方はいろいろ。家のなかでキャンプをしているような気分で、ゆっくりした時間を過ごせます。北欧の夏至祭りの大きなかがり火のかわりに、小さなろうそくをたくさん灯してみましょう。お天気が悪くても家のなかで楽しめるのでおすすめですよ。

まとめ

夏至の日にちは、毎年同じ日ではなく、変動します。2021年は6月21日が夏至に当たります。夏は、昼がもっとも長くなる日です。ただ、日本は梅雨入りしていることが多いので、夏至の日を十分楽しむことは難しいかもしれませんね。どうして夏至の日には昼が長くなるのか、理科の勉強もかねて親子で学んでみるのもおすすめです。

参考文献
[*1]兵庫県「水産業の概況」
[*2]二見興玉神社「夏至祭禊・鎮魂参加について」
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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