花粉シミはいつもの洗濯では落とせない？　正しく対処するための方法

外出先から帰ってくると、どこかの花の先がついてしまったのか、黄色い花粉によるシミができていることがあります。

ものによっては手でパパッと払ってしまってOKなのですが、花粉の種類によっては対処に注意が必要です。というのも、ゆりなどの花粉は粘着性があり、落としにくくなっているのです。

また、脂質性のゆりの花粉は、染色の材料に使われることがあり、不用意にこすってしまうと色素が広がりシミとなってしまう可能性が。

色素を沈着させてしまう可能性があるため、いつものように洗濯するのも好ましくありません。

水を使えば花粉をうまく洗い流せそうなものですが、そうとも限りません。水に押し込まれるかたちで花粉が繊維の奥深くへと入り込み、そのままとどまってしまう可能性があるのです。

そうなるともうお手上げ。うっすら黄色いシミとなってしまいます。お気に入りの洋服を台なしにしてしまうことになりかねません。

花粉が服に付着しているのに気が付いたら、手で払うのはもちろん、水洗いするのは控えるようにしましょう。

とくに、粘着性のあるゆりは繊維のなかに定着しやすいです。

では、どのように対処すればいいのでしょうか？

もしも服に花粉が付いてしまったら、正しく応急処置することが大切。まずは、できるだけこすらないように注意しながら、服の表面の花粉を落としましょう。

やわらかい毛を使った洋服用ブラシを使って、花粉を払います。ブラシがない場合は、ティッシュペーパーを使っても構いません。どちらの場合も、花粉を服に押し込んでしまわないように十分にご注意ください。

粘着力の高いテープを使って、花粉を取り除くという手もあります。やはり花粉を押し付けるのではなく、テープに花粉を付着させるように。

掃除機を使って吸い取ってしまうのもおすすめです。細かい場所を掃除するためのノズルに取り替えて花粉を吸い込めばOK。生地を傷めないように、「弱」で吸引してみてください。

また雨などで、衣類と共に濡れた状態の花粉がついている場合は、まずは乾かしてから対処してください。

花粉を直射日光に当てるのも効果的です。洋服用のブラシやティッシュペーパー、テープ、掃除機などを使って表面の花粉をある程度落としてから、服を直射日光に当ててみてください。

これは色素を吸収する紫外線の作用を利用したもの。花粉を数時間、太陽の光にさらすことで、洋服の表面に残ったシミの色を薄くできる可能性があります。

ただし、花粉だけでなく服本来の色素もまた太陽によって吸収されてしまいます。色あせしてしまったなんてことにならないよう、様子を見ながら行ってください。

また、外に干すことによって春や秋などに出る特有の花粉も付着してしまうことがあります。時期によって、室内のよく日の当たる場所に干すなど工夫してくださいね。

花粉の色素は、マニキュアの除光液を使って落とすことが可能です。除光液に含まれているアセトンには、花粉の主成分である脂質を溶かす作用があります。そのため、花粉のシミを取り除く効果が期待できるのです。

アルコールの一種である無水エタノールも有用です。無水エタノールは油汚れを落とすのによく使われますが、花粉にもある程度の効果があります。

花粉が付着した箇所の下にタオルを敷き、除光液や無水エタノールを染み込ませた布でやさしくたたきます。敷いたタオルに、移った汚れが服に戻らないうよう位置をずらしながら作業してください。

ただし、マニキュアの除光液や無水エタノールによるシミ抜きは、色落ちや生地を傷めるリスクを伴います。はじめに行うときには、目立たない場所で確認してから行うようにしましょう。

花粉の種類によって、ふつうに洗濯してしまうとシミとなってしまう可能性があります。べたっと花粉がついてしまったら、こすらずにまずは表面の花粉を、テープなどを使って取り除いてください。ただし、服の繊維に入り込まないよう押し込むことのないように！　それでも落とせないシミは、無理に取ろうとせずにクリーニング店に相談することをおすすめします。