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2023年10月31日 12:14 更新

【はびこる盗撮の実態】4割の女性が盗撮された感覚を経験、「男性がスマートフォンを素早く隠すような動きをして…」

弁護士ドットコムは10月30日、弁護士ドットコムの一般会員を対象に実施した「盗撮」に関する意識調査の結果を発表しました。

弁護士ドットコムが盗撮の実態を調査

今回の調査を行った背景として、弁護士ドットコムは以下のように解説しました。

性的盗撮はこれまで各都道府県の迷惑行為防止条例に委ねられていましたが、条例適用のハードルが高いことや条例では対応しきれない行為が多発していたため、7月13日に「撮影罪」(性的姿態等撮影罪)が施行されました。盗撮行為そのものだけでなく、盗撮未遂や盗撮画像の提供、保管にも処罰の範囲が広がりました。一方で、ユニホーム姿のアスリートの胸部や臀部を撮影する、いわゆる「アスリート盗撮」は規制の対象外となり、疑問の声もあがっています。

出典: https://prtimes.jp

そこで、同社の調査リリースより、【被害者の声】を中心にご紹介します。

はじめに、7月13日に施行された「撮影罪」(性的姿態等撮影罪)を知っているか尋ねたところ、「知っていた」は38.1%、「知らなかった」は61.9%となり、「知らなかった」の方が半数を超える結果となりました。

「撮影罪」(性的姿態等撮影罪)の認知度
「撮影罪」(性的姿態等撮影罪)の認知度

撮影罪では、アスリートの盗撮(競技中のアスリートの股間等を盗撮すること)は処罰の対象外となります。そこで、アスリートの盗撮を含めるべきかを尋ねたところ、62.0%が「入れるべき」、29.9%が「どちらともいえない」、8.1%が「入れるべきではない」と答えました。

撮影罪にアスリートの盗撮を含めるべきか
撮影罪にアスリートの盗撮を含めるべきか

入れるべき派の意見
●新体操をしていた10代の時、どう見ても怪しい男性が撮影していて非常に不快だった。未成年者は大人に強く言えないし、その場で証拠を押さえることもできない。アスリートを守ることは大変重要だと思う(30代・女性)

●被害者サイドで考えると、アスリートのメンタル面で非常に影響を及ぼすと思う。競技中のフォーム悪化や調子の悪さなど、アスリートの競技結果に悪影響になる可能性が高い。この問題を放置すると、国際的な大会を日本で開催する場合、国際問題になりかねないと思う(30代・女性)

どちらともいえない派の意見
●線引きが難しいと思います。結局悪質な撮影者に対して何もできないような形に落ち着くか、正当に仕事をしている人に迷惑をかけるだけのどちらかだと思います」(30代・男性)

●撮影を仕事としていますが、使うレンズや切り抜き、使用方法によって撮影者が意図せずとも盗撮の罪を課せられてしまう可能性を感じ、恐ろしさを感じます(40代・男性)

入れるべきではない派の意見
●アスリートは守られるべきだと思うし、アスリート側が嫌がることは絶対してはならないという前提ではあるが、その一方で撮影者の自由も担保されるべきだと思う。「どこからが局部でどこからが局部ではない」といった、取り締まり側の曖昧な基準によっていちいち連行されていては保護者もカメラマンもたまったものではないと思う。動きの速いスポーツという性質上、連写することもあるのでそういった写真が紛れ込むのは、ほぼほぼ必然であり、処罰の対象としてはふさわしくないと感じる(30代・男性)

●処罰範囲が不明確になる恐れが高い。カメラの持ち込みを制限するなど、主催者が対応できる事も多くある(20代・男性)

出典: https://prtimes.jp

続いて、これまでに盗撮を「された」、あるいは「盗撮されたのではないか」と感じたことがあるかを尋ねたところ、25.3%が「ある」、74.7%が「ない」と答えました。

盗撮を「された」、あるいは「盗撮されたのではないか」と感じたことがあるか
盗撮を「された」、あるいは「盗撮されたのではないか」と感じたことがあるか

男女別で見ると女性の44.0%が「ある」と答えており、半数近くが盗撮被害の経験者であることがわかりました。

【男女別】盗撮を「された」、あるいは「盗撮されたのではないか」と感じたことがあるか
【男女別】盗撮を「された」、あるいは「盗撮されたのではないか」と感じたことがあるか

盗撮された人に、盗撮にどのように気がついたか聞くと、最も多い回答は「不自然な『動き』があったので自分で気がついた」(66.3%)で、「不自然な『器具、機械』があったので、自分で気がついた」(22.8%)、「周囲の人が気がついた」(12.6%)と続きました。その他の回答には、「シャッター音がした」「スマホのカメラが向いていた」といった回答も寄せられています。

盗撮にどのように気がついたか
盗撮にどのように気がついたか

盗撮された人に、盗撮に対してどのように対処したかを尋ねると、50.4%が「何もしなかった」と回答しています。「相手に抗議した」は22.0%、「家族や友人に相談した」は14.6%、「警察に通報した」は12.6%でした。その他の回答では、「抗議したかったが相手が逃げた」、「冤罪が怖くて何もできなかった」などがありました。

盗撮に対してどのように対処したか
盗撮に対してどのように対処したか

日常生活で盗撮行為に気をつけている場所は、「気をつけていない」を除くと「トイレ」(31.2%)が最も多く、「更衣室、脱衣場」(24.8%)、「エスカレーター、階段」(20.6%)、「電車やバス」(19.9%)と続きました。その他の回答には、「子どもの行事のとき」、「家の中にいる時に、浴室の窓やドアの隙間など」、「人が多くごちゃごちゃしてる場所」などが挙げられました。

日常生活で盗撮行為に気をつけている場所
日常生活で盗撮行為に気をつけている場所

最後に、盗撮についてのエピソードや意見を尋ねたところ、以下のコメントが寄せられました。

【被害者の声】
●エスカレーターや道端で携帯から盗撮されたりする事が多い。太ももに何かがあたり、下を向いたらフラッシュやライトを使っているのですぐ分かる。叫んだら周りが協力して犯人を捕まえられるが、逮捕されても1度目では前科にならず不起訴処分とは処罰が甘いと思っていた。また示談金の相場もすごく低い。性犯罪として強く取り締まるべき(30代・女性)

●大学生の時、本屋で本を物色している際にスカートの中を盗撮された。盗撮犯はカバンにカメラを仕込んでおり、カバンを床に置いて足でカバンをジワジワこちらへ寄せてきた。私は違和感を感じて足元を見ると、カバンのファスナーが少し空いておりカメラが見えた。すぐにその場を離れて店員に伝えたが、盗撮犯は逃亡済みだった。盗撮犯に直接抗議するのは怖くてできなかった(30代・女性)

●カフェで向かいの席からスマートフォンのシャッター音が聞こえて反射的にその方向を見ると、男性がスマートフォンを素早く隠すような動きをしていました。私は普段より短めでタイトなスカートをはいて座っていたので、下着を撮られてしまったかもしれないと数日間鬱々としながら過ごしました(20代・女性)

●トイレの個室にいた際に隣の個室の人が手を伸ばして上からスマホをこちらに向けていた(20代・男性)

●銭湯の脱衣所でスマホをいじっている50代-60代の女性に盗撮された。自分のロッカー内でスマホをいじっていたのだがインカメラになっていて、盗撮している女性の後ろにいる女性たちが撮られていた。すぐに番頭さんに耳打ち後、女性警官が駆けつけて御用となった。画像や動画を高く買ってもらう…というお小遣い稼ぎをしていたとのこと。どこも信用できなくなった(40代・女性)

●家庭内盗撮は、おそらく対象外かと思う。しかし同意なく撮影しているのは、盗撮に他ならなく、法律ではそれも含めて対応して欲しい(50代・女性)

【予防策について】
●東京在住で、電車に乗る時には、駅への移動を含めて、スマートフォンは一切見ない。理由は、盗撮していると疑われたくないから。今のスマートフォンは高性能で、よからぬ事を考えている男性が、周囲に撮影している事をわからせずに、盗撮(動画撮影)している人もいるようだ。特にエスカレーターで上に女性、その下に男性が配置されている場合、その男性がスマートフォンで盗撮している可能性もあるので、私はそのような場面では一切、スマートフォンを見ない。疑われる行為自体をしないように日頃から気を付けている(40代・男性)

●アダルトビデオで盗撮ジャンルがあるが、実際に同様のことを行った場合には犯罪となり、どのような罰を受けることになるかをビデオの最初と最後に表示することを義務付けるべきだと思う(50代・男性)

●静止画撮影は必ずシャッター音が聞こえない機能を無くす事。動画についても同じ様な機能が欲しい。動画の機能は小型カメラで使えなくする事が良いと思う(30代・女性)

出典: https://prtimes.jp

調査概要

調査機関:自社調査(弁護士ドットコム一般会員を対象)
調査方法:弁護士ドットコム一般会員を対象にウェブアンケートを実施
調査対象:弁護士ドットコムの一般会員で回答が得られた974名(男性582名、女性389名、その他3名)
調査期間:2023年9月6日~11日

弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/corporate/

(マイナビ子育て編集部)

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